冷蔵庫よりも冷凍庫のほうをフル稼働させているという家は多いのではないでしょうか?冷凍食品はもちろん、ご飯や食パンなどの主食、多めに作って冷凍したおかずなど、冷凍庫は常にものが入っていることが多いでしょう。
特に、肉の保管場所として冷凍庫は大活躍します。お肉が特売で売られていると、つい余計に買ってしまう人もいるでしょう。しかし、肉はそのまま冷凍すると固くなってしまいます。ここでは、肉を冷凍保存するとき、柔らかい肉で冷凍できるコツを紹介します。
1.肉をそのまま冷凍保存するデメリット
特売の肉を購入したあと、ついそのままパックごと保存することはありませんか?肉は、パックごと冷蔵庫や冷凍庫で保存してしまうと、後で食べるときに固くなって食べにくくなってしまうのです。
1-1.パックごと冷凍するのは最悪
トレーに入った肉は、パックごとであれば重ねることができ、とても便利です。しかし、トレーには熱を遮る効果があります。つまり、パックごと冷凍すると、冷気が遮断され、中の肉はなかなか冷凍することができません。
そうなると、肉はだんだんとドリップを引き起こし、うま味は逃げ、解凍してたべるときにはパサパサした触感になってしまいます。食感が悪く、ましてやうま味も逃げた肉は決して美味しくありません。肉を冷凍するときには、かならずパックから取り出すことが大切なのです。
参照https://kajikko.com/cooking/cooking_preservation/1003596#num_1143467
1-2.肉は小分けにして冷凍するのが基本
では、トレーから取り出した肉はどうすれば良いのか。一番おススメなのは「小分けにしてサランラップで包む」というやり方です。ラップは空気を遮断させる効果があり、なおかつ冷凍庫の冷気を急速に取り込むため、うま味を閉じ込めたままスピーディーに冷凍できます。ラップだけだと肉がもれてしまうリスクもあるので、フリーザーバックなどに入れるとさらに安心です。
また、小分けにした肉をポリ袋などにいれて空気を抜き、固く縛って冷凍庫に入れるのも良いです。ラップ同様に急速冷凍が可能であり、ドリップの流出を防ぐこともできます。
ただ、肉に下味をつけず、小分けにして冷凍をした場合は、2週間程度しか日持ちはしません。また、解凍した後は、買って調理をした肉とくらべると固く、柔らかい触感には期待できないでしょう。柔らかく、冷凍で日持ちをさせたいのであれば、肉に下味をつけることがポイントです。
1-3.柔らかい肉にしたいなら「下味をつける」
肉を冷凍させるときには、下味をつけるのがおすすめです。下味は、オイルやめんつゆ、塩など、基本的には肉と相性の合うものであれば何でも大丈夫です。
下味をつけることにより肉をコーティングさせ、冷凍させたときも冷気によるパサつきを防ぐことができます。また、冷凍焼けやドリップを防ぐことができるので、保存期間が長くなるのも特徴です。下味なしでは2週間程度しかもたないものの、下味をつけた肉なら冷凍庫で3週間は保存することができます。
2.肉を柔らかくして冷凍保存しよう
肉を柔らかい状態で保存するには、下味をつけることが大切です。これは漬け込み冷凍ともいい、好みの調味料で漬け込んでから冷凍させることにより、つぎのようなメリットがあります。
漬け込み冷凍のメリット
1. 調味液で肉の表面がコーティングされ、乾燥を防ぎ柔らかくなる
2. 調味液と一緒に冷凍すれば、肉に下味がしっかりついておいしくなる
3. 肉にもともと味がつくため、少ない調味料で調理ができ、塩分を抑えることも可能
さっそく次からは、肉の漬け込み冷凍方法を見ていきましょう。
2-1.基本の塩もみ冷凍
肉の漬け込み調味料は、基本的に何を使っても構いません。どれを使おうか迷う場合は、とりあえず「塩」を使ってみましょう。
材料
- 冷凍する分の肉
- 塩 適量
- お酒 適量
塩もみ冷凍方法
- 肉に適量に塩を振り、ビニールなどにいれてよくもみ込む
- 酒を適量振り、さらにもみこんで密封させ冷凍庫へ
塩は、肉のうまみを閉じ込め、全体をひきしめてくれる効果があります。また、お酒を振っておくことでさらにコーティング効果が高まり、解凍したあとに柔らかくなるでしょう。
2-2.オイル漬けにして料理時間を短縮
肉を漬け込む方法はさまざまありますが、なかでもおススメなのが「オイル漬け」です。パサつきやすい鶏の胸肉でも、オイル漬けをすることによりとても肉が柔らかくなります。また、オイル漬けにすると、調理のときにはただ焼くだけで済むのです。ここからは、オイル漬けをする方法と、その肉を調理するレシピを見ていきましょう。
2-2-1.鶏むね肉のオリーブオイル漬け
材料 2人分
- 鶏むね肉 200g
- オリーブオイル大さじ2
- 塩定期量
- ローズマリー1本
保存方法
- 鶏肉は表面の水分をキッチンペーパーで拭く
- 保存袋に1を入れ、ローズマリー、オリーブオイル、塩適量を入れてよくもみ込む
- 冷凍庫にて保存。3週間はおいしく調理できる
調理方法
- 冷凍保存した鶏肉は、袋の上から流水解凍、もしくはボウルに氷を入れて鶏肉を袋ごといれ、徐々に氷水解凍する
- 解凍した鶏肉をフライパンで両面しっかり焼く
- 好みの野菜と一緒に盛りつけたら完成
もともとオイルで漬け込んであるので、焼くときに油はいりません。解凍方法は、前日に冷蔵庫に移して徐々に解凍しても良いです。ローズマリーが味も見た目も良いアクセントになり、豪華な一品となるでしょう。
2-2-2.牛肉のオリーブオイル漬け
オイル漬けは、牛肉にもおススメです。特に、安い輸入の牛肉は、どうやったら柔らかく保存できるのかあ悩む人も多いでしょう。材料とオイルを一緒に漬け込めば、美味しいマリネ牛になります。
材料 2人分
- 牛肉 切り落としや細切れなど 200g
- 玉ねぎ 2分の1個
- ニンニク 1かけ
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩コショウ 適量
保存方法
- 玉ねぎはすりおろし、ニンニクはスライス
- 保存袋に牛肉と1、オリーブオイルを入れ、塩コショウを適量振ってよくもみ込む
- 冷凍庫にて保存。3週間はおいしく調理できる
調理方法
- 冷凍保存した牛肉は、袋の上から流水解凍、もしくはボウルに氷と袋をいれ、氷水解凍する
- 解凍できたらそのまま熱したフライパンへ投入、よく焼く
- 好みの野菜と一緒に盛りつけたら完成
オイルが染み込んだ状態で焼く牛肉は、びっくりするほど柔らかくて美味しくなります。薄切り肉で紹介しましたが、ステーキなどの塊肉で作るのもおススメです。いつもステーキが固くなるという人は、ぜひオイル漬けで下準備をして焼いてみましょう。
2-2-3.豚肉のオイルマリネ
- 豚ロースとんカツ用肉 4枚
- ニンニクの薄切り 1かけ分
- オリーブオイル 大さじ4
- 塩コショウ適量
保存方法
- 豚肉は、赤身と脂身の間に包丁を何カ所か切り込み、筋切りをする
- 保存袋に1を入れ、オリーブオイル、ニンニク、塩コショウをまぶしてしっかりともみ込む
- 冷凍庫にて保存。3週間はおいしく調理できる
調理方法
- 冷凍した豚肉は、前日のあいだに冷蔵庫に移し解凍させておく
- フライパンを熱し、解凍した1を並べて両面をしっかりと焼く
- 好みで塩コショウを振りかけ、野菜を添えて完成
豚のオイル焼きの完成です。最後に振りかける塩コショウは、岩塩などにするとさらに味が引き締まって美味しくなります。
3.肉を柔らかくする冷凍方法 ポイント
オイルなどを中心に、肉に下味をつけておけば柔らかく保存ができます。次からは、オイル以外の漬け込み調味料なども見てみましょう。
3-1.肉を柔らかくする漬け込み調味料
オイル以外の漬け込み調味料なら、つぎのようなものがおススメです。
- めんつゆ
- 塩こうじ
- 味噌(酒、砂糖をくわえて味噌床を作る)
- 醤油(酒を加えて味を少し薄くする)
どの調味料でも良いですが、あまりにも量が多いと肉がしょっぱくなってしまいます。調味料の場合、肉200~300gに対し、大さじ1の割合で漬け込むようにしましょう。
3-2.漬け込み方法なら、冷蔵庫での保存もおすすめ
肉に下味をつけておく方法は、冷凍だけでなく、冷蔵庫での保存も可能です。通常、パックのまま冷蔵庫で肉を保存すると、大体1~2日しか日持ちはしません。しかし、調味料やオイルなどで下味をつけておけば、およそ3日間は冷蔵庫で保存ができます。これは、調味料が肉をコーティングし、外気に触れることを防いで傷みにくくしてくれるからです。
ただ、冷蔵庫は普段から開閉の多い場所です。一度開けるごとに気温は上昇し、冷蔵庫の肉は傷みやすくなります。漬け込み方法をしても、やはり3日以内には調理をするようにしましょう。
まとめ
肉は冷凍庫で長期間保存することができるものの、そのまま冷凍しても美味しくありません。また、そのまま冷凍すると肉はパサパサになり、どうしても固くなってしまうのです。
今日紹介した漬け込み方法なら、肉にしっかりと下味をつけ、何しろ肉を柔らかくしてくれます。この方法で調理をすれば、買ってすぐに調理した肉よりも柔らかく美味しく食べられるでしょう。特に、オイル漬けは解凍後に焼くだけで食べられるので、超時短料理にもなります。肉を柔らかく美味しく食べたいなら、ぜひ漬け込み保存に挑戦してみてください。
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