トロリと濃厚な美味しさ!スルメイカで「自家製イカの塩辛」に挑戦

作り方

夏から秋にかけて、スルメイカは旬を迎えます。スルメイカの調理方法はじつにたくさんあり、お刺身や炒め物、フライといった料理で大活躍するでしょう。

しかし、晩秋に旬を迎えるスルメイカの「わた」は大きく、旨味がたっぷり詰まっています。これを捨てるなんてもったいないでしょう。新鮮なスルメイカを手にしたら、ぜひ自家製の塩辛を作ってみてはいかがでしょうか。イカをさばくことができたら、自家製塩辛まであと一歩です。

1.栄養たっぷり!スルメイカを食べよう

イカは数多くの種類がありますが、なかでもスルメイカは私たちの生活に身近に関わっています。スーパーで生のまま売られていることも多く、惣菜コーナーで売られているイカリングなども、スルメイカでできていることが多いです。まずは、スルメイカってどんなものか、改めて見ていきましょう。

1-1.スルメイカの旬とは

スルメイカの旬は基本的に夏です。夏から秋にかけ、日本海を中心に行われているイカ釣り漁業でたくさん水揚げされます。

しかし、スルメイカのなかには冬に取れるものもあります。北海道の沿岸では9~11月にかけて水揚げされることが多く、九州北西部では、12月から翌年2月にかけて水揚げされるのです。そのため、スルメイカは割と一年中楽しむことができるでしょう。ただ、冬の水揚げは全体に比べると少ないことが多く、値段も高騰します。手軽にスルメイカを楽しむには、やはり夏から秋にかけてが良いでしょう。

1-2.スルメイカを選ぶポイント

スーパーなどで生のスルメイカが売られていることもありますが、どうせなら新鮮でおいしいイカを選びましょう。選び方のコツは次のようなものです。

  • 目が真っ黒
  • 表面の皮の色も黒く、ツヤがある
  • 全体的に透明感がある
  • (可能なら)触った時に、色がスッと変わる状態

イラストで描かれているイカの絵なんかは、全体的に真っ白いことが多いです。しかし、イカは鮮度が落ちると基本的に白くなります。そのため、新鮮なスルメイカほど黒っぽく、古いイカほど白っぽいと覚えておくと良いでしょう。

1-3.スルメイカをさばく方法

初めて生のスルメイカを購入すると、何をどうしたら良いか分からないかもしれません。しかし、スルメイカのさばき方は簡単、基本的に「内臓を取る」「目玉とくちばしを取る」「軟骨を取る」この3つさえできていればOKです。そのため、手で引っ張ったり、キッチンばさみを使ったりしてさばいても良いのです。いろいろなやり方がありますが、まずはさばくことに慣れるのが重要です。

もう少し丁寧なやり方を順番通りいうと、次のようになります。

  1. 胴体のなかに指を入れて、筒状の外側と足などの接合部分を指で引っ張り、外す
  2. 足を持って引っ張り、内臓を引き抜く
  3. 足の付け根にある目玉とくちばしを取り除く
  4. 胴の軟骨を抜き取る

刺身の場合は、外側の皮をはがす作業も必要です。キッチンペパーを使い、しごくように皮を剥けば簡単にできるでしょう。また、刺身の切り方は、胴体を包丁で開いたあと、刺身の幅に合わせて切り分けましょう。

2.スルメイカで塩辛を作ろう

イカの塩辛といえば、漬物コーナーや、海沿いの観光地で売られているものです。しかし、美味しい塩辛は鮮度が新しいものほど美味しい特徴があります。売られているものの多くは、製造してから店頭に並ぶまで時間が掛かることが多く、新鮮さに欠けてしまうこともあるでしょう。

ならば、家庭でスルメイカの塩辛を作ってしまいましょう。5分でできる、とまではいかないものの、コツをつかんでしまえば、塩辛を手作りするのはそれほど難しいことではありません。

2-1.スルメイカの塩辛 レシピ

材料

  • スルメイカ 刺身用2杯
  • 塩 多めに適量

作り方

  1. スルメイカを下処理する。胴とワタを取り出し、胴は開いた状態にして皮を剥く
  2. ワタは墨袋を取り出し、軽く汚れをふき取る。胴も汚れをふき取っておく
  3. ワタの両面に、うっすら白くなるまでたっぷり塩をふりかける
  4. 塩をかけたワタをざるにのせ、ラップをして冷蔵庫で1日寝かす。
  5. スルメイカの胴にも塩をまぶす
  6. 5をザルなどにのせ、ラップをしないで冷蔵庫に1日保存し、水分を飛ばす
  7. 冷蔵庫からワタと胴を取り出し、胴は食べやすい大きさにカットする
  8. ワタは軽く洗って塩を落とし、半分に切って中に詰まっているワタをしゃもじなどでこそぎ取る
  9. カットしたイカの胴部分とワタを合わせ、しっかりと混ぜ合わせる
  10. 9を保存容器に入れて一日以上冷凍させ、食べるタイミングで冷蔵庫に入れて自然解凍する

2-2.手作り塩辛の注意点

スルメイカの塩辛を手作りするのに、一度も火は通しません。そのため、調理するときに雑菌などが入り込むと、あっという間に食中毒のリスクが高まります。また、塩以外の調味料が一切使われていないのもポイントです。塩は抗菌効果などもありますが、やはり汚れた手で調理すると、ばい菌が塩を通じてスルメイカ全体に広がってしまうでしょう。そのため、調理手袋を着用して作るのもおすすめです

そして、生のイカには「アニサキス」が付いていることも多いです。調理中に小さな虫を見つけたら取り除くのが鉄則ですが、目視では分からないことも多いです。そのため、作り終わった塩辛は、一度冷凍庫でしっかりと冷凍するのが良いでしょう。アニサキスは24時間以上冷凍されることで死滅するのが一般的です。そのため、作ったらすぐに食べるのではなく、一度冷凍したものを自然解凍してから食べるのが良いでしょう。

2-3.保存の目安

基本的にイカの塩辛は、それほど日持ちしません。冷凍保存なら1カ月を目安にし、冷蔵庫で保管する場合委は1週間以内には食べきるようにしましょう。

また、塩辛を取るときは使った箸ではなく、とりわけ用の箸などを用意します。雑菌が入り込むことにより、塩辛全体に菌が混ざってしまうことも多いです。イカのワタは内臓であることを忘れてはいけません。高温多湿の場所に置いておくと、あっという間に傷んでしまうので注意が必要です。

2-4.面倒な人には「即席イカの塩辛レシピ」!

イカの塩辛は、下処理をして塩に漬け込んでおけば簡単にできます。しかし、時間がない、面倒という人もいるでしょう。そんなときは、カットした胴にワタを漬け込むだけで、即席の塩辛を作ることもできます。

材料

  • スルメイカ 刺身用 2杯
  • 塩 50g
  • 酒 大さじ1

作り方

  1. イカの下処理をして、ワタを取り、胴を食べやすくカットする
  2. 足も吸盤を取り除いてカットする
  3. ワタと酒を混ぜ合わせる
  4. 塩を加え、全ての材料を混ぜ合わせる
  5. 冷蔵庫に半日ほど寝かせて完成

究極のスピーディーなイカの塩辛レシピです。これなら塩を漬け込んで寝かせる手間もなく、足(ゲソ)の部分も無駄なく食べられます。ただ、このレシピはまったく水分を飛ばしていないので、早めに食べましょう。朝作って、その日の夜に食べてしまった方が美味しく食べることができます。

3.イカの塩辛、アレンジして楽しもう

イカの塩辛は、買っても作っても余ってしまうこともあるかもしれません。大好きな人にとってはありがたい料理ですが、とくに子供などにはなじみがなく、たくさん作っても余ってしまうケースがあります。

そんなときは火を通して、別の料理にすることがおすすめです。生で作られている塩辛は、時間が経つにつれ傷みやすいのも特徴なので、ぜひ茹でたり焼いたりして別の料理に活用しましょう。

3-1.イカの塩辛はパスタとの相性が良い

イカの塩辛は、パスタに混ぜることでとても美味しくなります。和風パスタとして活用するのが良いでしょう。簡単な作り方はつぎのようなものです

  1. パスタを茹でる
  2. キャベツやニンニクなど、パスタの具材をフライパンで炒める
  3. 1と2をフライパンで混ぜ、イカの塩辛を加える
  4. イカに少し火が通った状態で完成、味が足りなかったら塩コショウを加える

塩辛にはたくさんの塩が含まれているため、パスタの味付けとして活用することも可能です。味が足りないと感じたら、めんつゆや塩コショウを加えましょう。ポイントは炒め調理の最後に塩辛を加え、イカが固くなりすぎないようにすることです。

3-1.野菜炒めにも合う!

イカの塩辛は、その独特のうまみにより、野菜炒めなどにいれても美味しいです。こちらもパスタ調理と同様、野菜を炒める最後に加えて、イカに火が通ったくらいで完成です。葉野菜にも合いますが「ジャガイモ」や「里芋」といったイモ類との相性も良いでしょう。

また、納豆に加えたり、焼きうどんの味付けにアレンジするのもおすすめです。冷蔵庫に眠っている塩辛があれば、ぜひ炒め物料理に活用してあげましょう。

まとめ

スルメイカは多くの料理にアレンジできますが、新鮮なスルメイカが手に入ったのなら、塩辛を作らないともったいないでしょう。鮮度が命の塩辛は、買ってきてすぐに調理すれば、市販のものよりとっても美味しくできます。しかも、売られているものより塩分も控えめに作ることができるので、健康が気になる人にもおすすめです。

スルメイカは、多少値段が違うにせよ、通年スーパーで売られていることも多いです。新鮮なスルメイカが手に入ったら、ぜひ家庭で手作りの塩辛に挑戦してみましょう。

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