ヨーグルト漬けた鶏肉で作る絶品タンドリー風チキン

作り方

とり肉のグリル料理は火加減が難しく、硬くぱさぱさした食感になりがちです。よいお肉を使っても、肉汁やうまみが逃げてしまえば台無しになってしまいます。

しかし、ちょっとした工夫でとり肉をやわらかくジューシーに仕上げることが出来ます。とり肉を漬けるタレにヨーグルトを加えることで、驚くほど仕上がりが違ってくるのです。

1.ヨーグルトを混ぜたタレに漬け込むのがポイント

とり肉を柔らかくジューシーに仕上げるためには、ヨーグルトを利用するのが簡単です。これはヨーグルトがとり肉の脂が必要以上に出ないように閉じ込めてくれるだけでなく、乳酸菌の力で肉をやわらかくしてくれるからなのです。

1-1.脂の落としすぎが食感が悪くなる理由のひとつ

とり肉のグリル料理が失敗しやすい理由のひとつが、火加減の難しさです。火加減を誤るとうまみの元となる脂分も抜けてしまい、どうしても硬く味気なくなってしまうからです。しかし、火を弱くしすぎると内部まで火が通らない場合があり、食中毒の危険などが高まってしまいます。いかにしっかり火を通しつつ、脂を落とし過ぎないようにするかが大切なのです。

脂を落とさないようにするコツの1つに、タレなどに漬け込んでとり肉の表面を膜で覆ってしまう方法があります。タレの層が出来ることで余分な脂が抜けるのを防いでくれるからです。ヨーグルトなどある程度粘りがあるものをタレに混ぜ込むと効果的なのです。

1-2.乳酸菌の力で肉が柔らかくなる

とり肉をヨーグルトを混ぜたタレに漬け込むと、食感がやわらかくなります。なぜヨーグルトにつけると肉が柔らかくなるのかといえば、ヨーグルトに含まれる乳酸菌がとり肉のたんぱく質を分解し、アミノ酸に変えてくれるからです。たんぱく質が分解されることによって、肉は柔らかくうまみ成分が多くなります。ポイントになるのが、筋膜や腱といった硬さの原因となりやすいものも分解してくれることです。筋膜や腱はコラーゲンでできており、アミノ酸が集まって出来たものです。乳酸菌はコラーゲンも分解し、より細かなアミノ酸の状態に変えてくれるのです。

肉だけでなく、筋など食感に悪影響を与える部分も柔らかくしてくれるのがヨーグルトを使ったタレのよいところなのです。

2.酸味が気になる人でも大丈夫な理由は

ヨーグルトの独特な酸味が苦手な人もいますが、漬け込みの材料に使う分はあまり気にしなくても大丈夫です。ヨーグルトの酸味成分は加熱をすることでなくなってしまうからです。焼き上がりに酸味が残ることはないので、味への影響を考えなくても大丈夫なのです。

2-1.加熱すると酸味はなくなる

ヨーグルトの酸っぱさは火を通すことで解消されます。ヨーグルトが酸っぱい理由は、乳酸菌をはじめとした菌が酸を発生させているからです。乳酸菌は乳糖などを原料に、酸を作る性質があります。酸度が高くなるとほかの雑菌が生きられなくなり乳酸菌には快適な環境になりますが、その分味が酸っぱくなるのです。ヨーグルトには乳酸菌以外の菌も存在し、それぞれ酸を発生させています。

加熱すると酸味がなくなるのは、乳酸菌が熱に弱いだけでなく発生させた酸の成分も変化するためです。加熱することにより乳酸菌のほとんどは死滅してしまうのです。塩分などを調整して味を加減すれば全体のバランスを崩さずに済むため、意外に料理に使いやすいのです。

2-2.日本以外の国ではメジャーな調理法の1つ

ヨーグルトを調理に利用し、過熱して使う文化が一般的な国もあります。スープなどに利用されることもあるほどで、メジャーな調味料として利用する国もあるのです。日本の塩麹のように塩ヨーグルトとして使う国も存在します。日本で牛乳が広まったのは比較的近代に入ってからのため、古くから酪農が盛んな地域では利用方法も非常に多くなっているのです。

牧畜が盛んな北欧などでも利用されており、肉料理との相性もよいのです。

3.タンドリー風チキンはおすすめ

おすすめのとり肉料理のレシピとしてタンドリー風チキンのレシピをご紹介します。タンドリーチキンはインドを代表する料理の一つで、牛がヒンドゥー教の聖なる動物とされていることからヨーグルトを調理に利用するのも一般的なのです。

3-1.タンドリー風チキンのレシピ

とり肉 300g
プレーンヨーグルト 大さじ4
カレー粉 大さじ1
塩 小さじ 2分の1
胡椒 少々

基本はこれだけで、後は好みに合わせて調味料などを足していく形になります。酸味がほしければトマトケチャップを少々、辛味がほしければショウガやニンニクをすりおろして加えるなど、アレンジの幅が広いのも特徴です。

まず、カレー粉とヨーグルト、塩、胡椒を良く混ぜ合わせます。次に清潔なビニール袋に混ぜ合わせた漬けダレととり肉を入れ、タレを揉みこみます。ある程度揉み込んだらビニール袋の口を縛って冷蔵庫に入れ、冷蔵庫で数時間から1日程度寝かせます。1日寝かせた方が味がしみこみ、食感も柔らかくなるのが特徴です。

漬け込みが終わったらオーブンに入れ、180度で25分程度加熱します。肉が厚めの場合はさらに5分程度プラスするのがポイントです。一緒に野菜などを焼いても良く、タマネギやニンジン、ピーマン、アスパラなどを加えると見た目にも華やかです。

3-2.タンドリーチキンの意味とは

実はタンドリーチキンには決まったレシピがなく、本場のインドでも調理する人によって内容が異なります。タンドリーチキンとはタンドール(窯)で焼いた鶏肉という意味で、カレー粉を利用しなくても大丈夫だからです。

ただし、スパイスには肉の臭みを消す効果があるため、料理をおいしくするために効果的です。ヨーグルトにも肉の臭みを消す効果があるため、香りの面でもプラスになります。

本格的インド料理のお店でも、タンドリーチキンにヨーグルトを利用しているケースは多いのです。

まとめ

とり肉はヨーグルトを加えたタレに漬け込むことで加熱後のぱさつきを防ぐことが出来、食感も柔らかくなります。鶏肉本来のおいしさを味わいやすくなるという意味でも、ちょっとした人手間をかけるだけで印象が変わることがあるのです。

漬け込んだ肉はオーブンで焼くことが基本になりますが、フライパンで気軽に調理することも可能です。アレンジの幅も広いため、自分好みに変えていくのもおすすめです。

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