食べられるって楽しい「噛む力」をつけて漬物を楽しもう

健康

漬物ははパリパリ・シャシャキした歯ごたえが命です。しかし、お年寄りの中にはこの歯ごたえが苦手で、なかなか漬物を食べられない人もいます。固い物は噛む力が必要なので、あごや歯に力が入りきらないと噛み砕くことも噛み千切ることもしづらいでしょう。

それでも、ビタミンやミネラルが豊富な野菜はできるだけ食べてほしいものです。ここでは、噛む力を鍛える方法や、噛む力の弱い人でも漬物が食べやすくなる方法についてお話します。

1.噛む力が弱まる原因とは

パリパリとした漬物を食べるのが、だんだんおっくうになってきた。そう感じるのは、噛む力が弱まってきたからかもしれません。噛む力が弱い、と聞くとお年寄りを想像するかもしれませんが、実は若い人の間でも噛む力は弱まっており、注意が必要です

1-1.加齢による噛む力の減少

年齢を重ねると、噛む力はどうしても弱まってきます。ただ、噛む力だけでなく、摂食・嚥下(えんげ)機能全体が衰えるため、漬物などの固いものは食べにくくなるのです。高齢者の方は、次のような症状がないかチェックしてみましょう。

  • 食べるスピードが遅くなり、食べる量も減った
  • よくむせることがある
  • 口からよく食べ物をこぼす
  • よだれが出やすくなった
  • 痰が絡み声がかすれることがある

このような症状が食事のときによくある場合は、噛む力をはじめとした食べる力全体が衰えているといえます。食事のときはどの食材もよく噛んで食べるようにし、誤嚥性肺炎といったトラブルを防ぐよう心がけましょう。参照https://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/knowledge/malnutrition/004.html

1-2.若者にも多い!「柔らかい食べ物」で噛む力が減っている

近年最も懸念されているのが「柔らかい食べ物ばかり」食べる食生活です。欧米の食生活が参入してからは、主食がハンバーグやパスタなど、それほど噛まなくても良いものが多くなりました。

また、「ガム」を食べる人も減っています。ガムは昔虫歯の原因として知られていましたが、近年ではキシリトールガムが発売されたことにより、虫歯を防ぐ効果に期待されるようになりました。しかし、ブームになったのもつかの間、最近では若者の間で「ガムは固い」ものとされ、一粒でスッキリするメントール菓子などが人気となっているのです。

こうしたことから、近年では年齢に関係なく噛む力が弱い人が増えています。噛む力が弱いので固いものを食べない、必然的にパリパリとした漬物は敬遠され、野菜不足も懸念されています。

3.虫歯や歯周病により噛む力が弱まっている

噛む力とは、そもそも丈夫な歯が生えそろっていないといけません。1本でも歯が抜けてしまうと、そこからドミノ倒しのように歯が抜け落ち、必然的に噛む力は減ってしまうでしょう。

歯が抜けてしまう原因は、虫歯や歯周病によるものです。とくに、歯周病は目に見えないことも多く、知らず知らずのうちに、歯茎内部がダメージを受けていることも多いです。

歯医者を嫌がる人も多いですが、噛む力をキープするためには定期検診を必ず受けましょう。たまった歯垢を除去してもらうだけでも、歯周病のリスクは徐々に減らすことができます。

2.噛む力が弱い人にも、お漬物を食べてもらおう

噛む力が弱まると、漬物をはじめとした生野菜は食べにくくなります。とくに、赤カブの漬物や、歯に挟まりやすい野沢菜といった漬物は、噛む力が弱まったお年寄りなどには食べにくいでしょう。ここからは、噛む力が弱まった人でも食べやすい漬物の切り方を紹介します。

2-1.意外!?漬物はやや厚めに切る

噛む力が弱まった人に漬物を出す場合、食べやすいようについ薄く切る人も多いでしょう。例えば、たくあんを出す場合、ヒラヒラと薄くたくあんを切って出したことはないでしょうか。

しかし、あまりにも薄い漬物は歯に挟まりやすく、かえって食べにくいのです。しかも、薄いことで噛み切りにくくなり、歯に力が入りません。そのため、たくあんなどを切る場合は、5~8mmの厚さを目安にして、やや厚めに切ってあげましょう。こうしたほうが歯に力が入りやすくなり、噛む力が弱まった人でも漬物を食べやすくなります。

2-2.漬物に切り込みを入れておくのも良い

それでもなかなか噛み切れない漬物には「切り込み」を入れましょう。例えば、キュウリやナスの漬物はジャバラ切りの切り込みを入れたり、しば漬けやカブの漬物といった噛み切りにくいものも、格子状に切り込みを入れることでだいぶ噛みやすくなります。

いっそのこと細かく千切りにした方が早いようにも見えますが、漬物を細かく切るのは、かえって噛みにくくなり、そのまま飲み込んでしまうリスクもあります。細かくカットする際にはご飯などに混ぜ、自分でしっかりと噛んでから飲み込めるよう工夫をしましょう。

参照http://koureishoku.blog.fc2.com/blog-entry-10.html

2-3.噛みやすい部分の漬物を選ぶ

漬物は、その種類によって柔らかい部分と固い部分があります。例えば、野沢菜は茎の部分が固いですが、葉っぱの部分は柔らかいです。食べる人の噛む力により、柔らかい葉の部分を選んであげても良いでしょう。

ただ、噛む力は弱いながらもまだ噛めるような状態の場合、あえて噛みやすい固い部分の漬物を出してあげるのがおすすめです。野沢菜の場合、葉っぱの部分は柔らかくても繊維質なので、噛み切ることは難しいでしょう。ならば、固めでも噛み切りやすい茎の部分をあげた方が、安全に食べられることにもなります。食べる人の状況を考え、漬物は安全性を考慮して提供しましょう。

3.今から対策!噛む力を強めよう

噛む力が弱まっている人は確実に増えています。最近では子供や若者の間でも「ガムが固い」「白米が固い」といった恐ろしい声も増えています。

幸い噛む力はほとんど年齢に関係なく、今この場で訓練をすることが可能です。食べる楽しみを持ち続けるためにも、ぜひ今日から噛む力を鍛えていきましょう。

3-1.まずは「まごはやさしい」食べ物に意識を

噛む力が弱まった原因として、パンやパスタといった欧米の食文化が進んだことがあります。昭和初期までの日本人の噛む力はとても強く、そのおかげで肥満や認知症は防げていたといわれています。当時の食事は頭文字をとって「まごはやさしい」といわれていました。

  • 豆類 豆腐・大豆・納豆など
  • ごま たんぱく質・食物繊維・カルシウム・ミネラルなど
  • (わ) わかめなど海藻類 たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なもの
  • 野菜 ビタミン・ミネラルが豊富なもの
  • 魚、貝類
  • しいたけなどきのこ類 
  • いも類

豆腐などは柔らかいものの、それ以外は噛み応えのある材料が多いです。これらの食材は噛む力を強めるだけでなく、栄養バランスも非常に整っています。「まごはやさしい」をぜひ日々の食生活で意識してとってみましょう。

3-2.1回30回噛んでダイエット効果も

噛む力を強めるには、何といっても毎回の食事でしっかりと噛むことが重要です。昔から有名なのが「1口につき30回噛むこと」です。私たちの平均租借回数はたったの5~6回ともいわれており、理想租借回数のたった6分の1です。

忙しい現代においては、なかなかゆっくり噛んでいられない、という意見も多いでしょう。しかし、時代が経つにつれ肥満も増えてきました。これは噛む回数が減った分、食べる量が増えたためともいわれています。ある研究グループでは、噛む力が強いグループと弱いグループで比較したところ、噛む力が弱いグループのほうが、メタボ率が1.46 倍高い結果になりました。

肥満やダイエットというと、すぐに食事を減らすことに意識がむいてしまいますが、まずは噛む回数を増やして満腹感をアップさせることが重要です。毎食しっかり噛むことにより噛む力をつけ、肥満を予防することもできるでしょう。

参照https://www.excite.co.jp/news/article/HealthPress_201701_post_2739/

まとめ

噛む力が弱まると、毎日の食事を楽しむことができません。噛む力が弱まっているのは老人だけでなく、若い世代でも同じです。まずは日常生活において、次のような心がけをしましょう。

  • 「まごはやさしい」を意識した和食を中心に食べる
  • 一口につき30回噛むことを意識する
  • 定期歯科検診へ行き、歯周病を予防する

噛む力は年齢に関係なく鍛えることができます。歯ごたえのある漬物をいつまでも食べられるよう、今日から噛む力を鍛えていきましょう。

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