モロッコやキューバなど、一年中太陽が照りつける地域で欠かせないドリンクの材料の一つに「ミント」があります。ミントはたった1枚を口に入れても清涼感が広がり、爽やかな気分にさせてくれますね。
また、ミントは家庭菜園としても簡単に作ることができます。今回はミントの葉を使ってミントシロップを作る方法を紹介します。グラスの中の香りを味わえば、暑さで奪われた気力も体力も不思議と回復してくるでしょう。
1.ミントの特徴
アイスクリームに添えられていたり、ガムに含まれていたり、ミントを口にするのはお菓子が多いかもしれません。しかし、ミントには人々の健康をサポートする栄養が含まれており、長い歴史があります。お菓子だけのほんのちょっとの量だけ食べるだけでは、もったいないのです。
1-1.紀元前から使われている貴重なハーブ
ミントが初めて食されるようになったのは、なんと紀元前1600年、メソポタミア文明からといわれています。そのころから清涼感を与えるハーブとして使われていたのはもちろん、臭み消しや香りづけに使われていました。
しかも、ミントは聖書にもよく登場します。当時はサラダとして食べられることが多く、繁殖力の高いミントは多くの人々から重宝されてきました。日本に伝わったのは10世紀初頭、中国から薬種として輸入されました。当時は薬として使われていましたが、明治時代あたりからお菓子のハッカ材料として普及されていきます。
1-2.ミントの栄養
ミントはスーッとする清涼感が特徴ですが、実は栄養が豊富なハーブでもあります。ミントに含まれている栄養は次のようなものです
- メントール
- フラボノイド
- タンニン
- ミントポリフェノール
メントールは、ミントの特徴である清涼感を出してくれる成分です。メントールには抗菌効果があり、口にすることで口内を清潔にし、口臭や体臭を防ぐ効果にも期待ができます。また、血管を広げる作用もあり、眠気覚ましや気分転換にも有効です。
そして、フラボノイドはポリフェノールの一種であり、こちらも強い抗酸化作用があります。食べることでアンチエイジング効果や、ガンの予防にもつながるとされています。そしてタンニンはメラニン細胞の活性化を抑え、美白効果や肌に潤いをあたえる効果に期待ができます。腸壁を引き締める効果もあるため、下痢の改善にも良いでしょう。
ただ、基本的にミントは一度に大量に食べることは少ないです。そのため、ミントを少し食べたからといっていきなり健康効果が表れるわけではないでしょう。それでもミント特有の清涼感は気分を落ち着かせ、ミントシロップなどをこまめに摂取することで、美容や健康に役立てることができます。
参照https://ryoko-club.com/food/mint-nutrition.html
1-3.ミントのお酒といえば「モヒート」
ミントはお菓子やシロップに使われていることが多いですが、お酒としても活用されています。代表的なのが「モヒート」であり、これは南米キューバ発祥のカクテルです。
モヒートはミントの葉と砂糖、ライム、ラム酒、ソーダ水で作る清涼感たっぷりのお酒です。世界的文豪であるヘミングウェイが生涯愛したお酒としても有名で、モヒートはいまや南米だけでなく、全世界で愛されるお酒として人気があります。
モヒートはミントを主原料としているお酒なので、それほどカロリーはないと思うかもしれません。しかしミントの刺激を軽くするため、結構な砂糖が使われているので注意が必要です。ラム酒も原料なので、市販のものは高カロリー・高濃度アルコールです。飲み過ぎに注意、気になる人は手作りでアルコール度数や砂糖を減らしてみましょう。
2.美味しいミントシロップを作ろう
ここからは、清涼感たっぷりのミントシロップの作り方を見ていきましょう。ミントの葉は市販で売られていることもありますが、おすすめなのはハーブの苗を買って手軽にミントを育てることです。水を与えるだけで繁殖するミントは、植木鉢で簡単に育てることができます。ミントの葉がたくさん育った際には、以下のようなミントシロップを作ってみましょう。
2-1.基本のミントシロップ
材料
- ミントの葉 50g
- 水 400㏄
- きび砂糖 200g
- レモン 1切れ
作り方
- ミントは枝から外し、水でキレイに洗って水けを切る
- 鍋に水と砂糖を入れて火にかける。沸騰したら弱火で砂糖を溶かす
- 2に1のミントを入れ、葉がしんなりしたら火を止める
- 蓋をしておよそ10分蒸らす
- 粗熱が取れたらミントの葉をザルでこして取り除く
- 煮沸消毒したビンに移しいれ、冷蔵庫で保存する
- お好みの水や炭酸水で割り、レモンを載せて完成
ミントシロップは甘さと清涼感が凝縮されているので、水や氷で好みの濃度に割って飲むことができます。香りはあまりしないのですが、冷蔵庫で冷えたミントシロップの清涼感は格別です。暑い夏の間に冷蔵庫に備蓄しておけば、いつでも美味しいミントジュースを楽しむことができるでしょう。
2-2.ミント酒基本のレシピ
上記のミントシロップを、ハイボールなどで割ってお酒として飲むこともできます。ただ、基本的にミント酒として楽しみたい場合は、ホワイトリカーなどで割ってミント酒を常備しておくと便利でしょう。
材料
- ミントの葉 ひとつかみほど
- グラニュー糖 大さじ1
- ホワイトリカー 300㏄
作り方
- ミントは葉の部分だけをちぎって洗い、水気を切る。
- 保存ビンに1を詰め、グラニュー糖とホワイトリカーを入れる
- 冷暗所で1カ月ほど寝かせ、葉を取り除く
- そのまま2カ月~半年ほど寝かせて完成
このレシピは、いわば梅酒のように時間をかけて漬け込む果実酒のレシピです。早くミント酒を飲みたい場合はミントシロップを作り、それをウィスキーなどで割って飲むのが良いでしょう。それでも、このミント酒は漬け込むだけで簡単にできます。家庭菜園でできたミントの葉があれば、ぜひじっくりと漬け込んでおきたいおススメレシピです。
2-3.ミントシロップの活用方法
ジュースかお酒として楽しむことができるミントシロップですが、もちろん他のレシピにも活用することができます。
- アイスクリームにかけてミントアイスに
- かき氷にも相性が良い
- ゼラチンを使いミントゼリーに
- アイスコーヒーに混ぜるのもおすすめ
- 紅茶の砂糖としてミントティーに
このほかにも、果物にかけると即席のフルーツマリネができたり、アイスココアに混ぜて飲むアイスミントが楽しめたりします。一度作っておけば意外な使い方ができるので、ミントシロップを常備しておくのがおすすめです。
3. ミント育てて便利に使おう
ミントシロップは、乾燥ミントから作ることもできますが、おススメなのは家庭菜園で育ったミントを使うことです。新鮮で柔らかいミントの葉は、漬け込むことにより清涼感たっぷりのミントシロップになります。
3-1.ペパーミントは鉢植えでも簡単に育つ
ミントの葉はいろいろな種類があります。園芸店で売っているものならどれでもミントシロップを作ることができますが、育てやすいのは「ペパーミント」です。
ペパーミントは、苗を買って鉢植えにし、こまめに水をやることで簡単に育てることができます。むしろ繁殖力がかなり強いので、肥料をあげたり地植えにしたりするのは適していません。とくに地植えにしてしまうと、驚異の繁殖力で雑草化してしまうことが多いです。こまめな水やりだけで育てることができるので、ガーデニング初心者にも向いているでしょう。
3-2.虫よけとして使うことも可能
ミントを育てるのが簡単な理由として、「害虫が寄らない」ということがあります。これは、ミント特有のメントールが虫を寄せ付けないためです。そのため、自家製ミントで虫よけスプレーを作ることも可能です。
一番簡単な方法は、消毒したビンに無水エタノールと精製水1対9の割合で入れ、ミントの葉を適量入れて2週間ほど漬け込むことです。こうして抽出されたミント液は、肌にぬることで虫よけにもなります。
ただ、市販のミントスプレーとは違い、肌への保湿成分などは入っていません。使うときは必ずパッチテストをしましょう。また、自分で虫よけスプレーを作る際には、ミントの成分が凝縮された「ハッカ油」を使ったほうが手早くて便利です。
まとめ
ミントは簡単に家庭菜園が可能であり、しかも繁殖力が強いため1年を通して収穫することができます。プランターにミントがあれば、いつでも美味しいミントシロップを作ることができるでしょう。
ミントシロップがあれば、暑い夏も爽やかに過ごすことができます。また、ジュースやお酒として飲むだけでなく、様々な料理に活用することもできます。清涼感あふれるミントシロップを、ぜひ家に常備してみてください。
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