「野菜の和え物」の良い所は、カサを減らしてたくさん食べられるということです。また、作り置きのおかずとして保存ができる、というメリットもあるでしょう。野菜の和え物を代表するものとして「ナムル」があります。野菜は漬物や煮込みも美味しいのですが、サッと火を通して味をもみ込むだけでできるナムルは、メインの料理の付け合わせやお弁当の一品としても大活躍するでしょう。今回は、あっという間にできるナムルのレシピや、他の料理にも活躍できる「ナムルのタレ」について紹介します。
1.そもそもナムルとは
ナムルはもはや日本人にとっても定番料理となりましたが、どういったものなのか、ここでいったんおさらいをしておきます。
ナムルは朝鮮半島の家庭料理の一つで、もやしなどの野菜やゼンマイなどの山菜、野草を塩ゆでしたものを調味料とゴマ油で和えたもの。またそうした食用の野菜、山菜、野草のこともナムルという。
参照https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%83%AB
もともとは朝鮮半島から伝わった伝統料理であるナムル。では、ナムルには身体にどういったメリットがあるのかを中心に見ていきましょう。
1-1.季節の野菜をたっぷりと食べられる
ナムルは、一般的には「ニラ」や「もやし」といった野菜を茹でてあえる料理です。しかし、ナムルには絶対にこれを入れなくてはダメという定義はなく、特に野菜は何を使っても合います。そのため、夏ならば夏野菜であるキュウリやトマト、ナスやカボチャといった食材が使われ、冬は白菜や大根、にんじんなどの根菜を使っても良いのです。
旬の野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。これらを積極的に摂ることにより、身体にはしっかり抗酸化作用が働き、風邪や病気などを防ぐ効果があります。また、多くのビタミンを摂取することは、張りのある肌を作り、見た目年齢を若返らせるアンチエイジングにも期待ができるでしょう。
1-2.薄味でも楽しめる健康料理
ナムルは、基本的に野菜を軽く茹で、たっぷりと作ったタレを入れてあえる料理です。サラダとは違って、あまり生で食べることはありません。そのため、食中毒といったトラブルが起きることも少ないでしょう。
また、野菜に火を通すことは、タレの味が染み込みやすくなるというメリットもあります。サラダの場合、味馴染みが悪いとドレッシングを必要以上にかけてしまうこともあるでしょう。その点ナムルなら、少ない調味料でもしっかりと味を含ませることができるので、塩分を気にする人にもおすすめできます。
1-3.ナムルはコスパも良い時短料理
ナムルの作り方を簡単にいうと、「野菜を茹でてタレをあえる」だけです。たくさんタレを作っておけば、時間のないときに茹で野菜にかけるだけで、あっという間に立派な1品ができるのです。少ない材料なら5分でできることもあり、忙しい人にとっても便利な時短料理です。
また、タレの材料は家にあるもので済むことが多く、野菜もモヤシといったコストパフォーマンスに優れているもので十分です。ナムルは、お金と時間をかけずに楽しめる優秀な料理でしょう。
1-4.タレを変えるだけで味のバリエーションが広がる
また、タレをたくさん作っておけば、日替わりで多くの種類のナムルを楽しむことができます。今日はもやしとニラの定番ナムル、明日は厚揚げを入れたボリュームナムルなど、材料を変えるだけであっという間に作ることができます。
逆に、同じ材料でナムルを作るときは、タレの味を少し変えることにより、バリエーションを増やすことができます。豆板醤を多めに加えて大人向けのピリ辛味に、味噌と砂糖を加えて子供向けのまろやかな味にするなど、気分によって味に変化をつけるのもおすすめです。
2.美味しいナムルはタレがポイント!
ここからは、美味しいナムルのレシピを順次紹介します。味の決め手となるのは、ゴマの風味が利いたタレでしょう。紹介する分量を参考にして、調味料の量をお好みで調整してみてください。
2-1.まずは定番のナムルレシピ
材料(2人分)
- もやし 1袋
- ニラ 3本ほど
- 合わせ調味料 いりごま大2 醤油大1と2分の1 ごま油大2 おろしにんにく(チューブでも可)1かけ分 豆板醤小さじ2分の1 一味唐辛子適量
作り方
- ニラは3センチほどの長さに切っておく
- モヤシを洗い、ニラと一緒にお湯でさっとゆでる
- 合わせ調味料を全部混ぜておく
- 2と3を混ぜ合わせて完成
ポイントは特にありませんが、ニラとモヤシを茹でる際にあまり時間をかけないことです。ほんの30秒熱湯にくぐらせるだけでも火が通り、歯ざわりの良いナムルを楽しむことができます。
2-2.万能ナムル「タレ」のレシピ
次はナムルにあえる「タレ」を紹介します。ナムルのタレはいろいろな種類がありますが、基本的には「ニンニク」「ごま油」「醤油」「砂糖」といった4つがベースになるでしょう。次に紹介するのは、最もスタンダードで、どの野菜にも合う万能ナムルダレです。多めの分量で作ってあるので、数日に分けてナムルを作りたいときにもおすすめです。
材料
- 醤油 大さじ5
- 砂糖 大さじ2
- ごま油 大さじ2
- にんにくすりおろし 1かけ分
- すりごま 大さじ4
作り方:すべての材料をボウルなどにいれて混ぜ合わせる
万能ナムルダレは、誰でも美味しく食べることができる定番の材料でできています。ここに、辛い味が好きな人は豆板醤を加え、もう少しコクを出したい人はオイスターソースなどを加えてみても良いでしょう。
2-3.塩味(えんみ)を加えて、ナムルソースのバリエーションを増やそう
ナムルのタレは、上記で紹介した、にんにく、ごま油、醤油がベースになっていれば、他に何かを多少加えても美味しいです。特に塩味と呼ばれる「塩、しょうゆ、みそ、コチュジャン」は、味のベースとなる重要な調味料です。日本で作られるナムルはしょうゆベースが多いですが、本場韓国ではしょうゆではなく、塩が使われます。ごま油と塩でさっぱりとしたナムルが味わえるので、脂っこい料理の箸休めにもなるでしょう。
ナムルのソースは、好みでコチュジャンを加えたり、醤油ではなく塩を基準にしたり、味噌を混ぜたりするのもおすすめです。また、使う野菜によってマッチングするソースも微妙に違うので、自分好みのナムルソースを試してみましょう。
3.万能ダレがあれば簡単!おすすめナムル食材別レシピ
ナムルは旬の野菜を使えば数多くのレシピを生み出すことができます。ここからは、特に簡単で美味しい食材を使ったナムルを、いくつか紹介します。使うタレは上記で紹介したものをベースに、お好みでアレンジしてみてください。
3-1.にんじんナムル
作り方:にんじんはスライサーで千切りか薄切りにする。その後、万能ナムルだれをしっかりとあえて完成。
にんじんをナムルに使う場合は、生で食べるのがおすすめです。生で食べたほうがパリパリとした食感を楽しむことができ、タレとにんじんの甘みがマッチしてとても美味しいです。にんじんの生臭さも、ナムルのごま油がコーティングし、美味しく食べられるでしょう。サラダの生にんじんは苦手でも、ナムルでの生にんじんは食べられるという人も多いのです。
3-2.厚揚げともやしのナムル
ナムルは野菜を使うだけではありません。厚揚げといった材料を使うことで、ボリュームのある1品になります。
材料
- 厚揚げ 一袋
- もやし 一袋
- 万能ナムルダレ 適量
作り方
- 厚揚は1センチ程度の厚さに切る
- もやしを洗い、1と混ぜてフライパンに入れ、水を100㏄ほど加える
- 中火で材料を蒸し焼きにする
- 3の水分を切り、ナムルのタレと混ぜ合わせて完成
厚揚げはボリュームがあるので、主食にもなります。タレに豆板醤を加えると、ピリ辛となってさらにご飯がすすむ1品になるでしょう。
3-3.豚肉を使ってメイン料理に!豚肉ナムル
材料
- 豚肉薄切り 200g
- ほうれん草 一束
- にんじん 2分の1本
- もやし 一袋
- 万能ナムルダレ 適量
作り方
- 豚肉にナムルのタレをかけて味をなじませておく
- ほうれん草は下茹でをしてざく切り、にんじんは千切りにする
- フライパンに油をひいて加熱、1を炒めて、色が変わってきたらにんじんをいれる
- 3にある程度火が通ったら、もやしを入れて炒め、最後にほうれん草を加える
- ナムルのタレを全体に絡めて完成
このレシピは、ナムルというより主食になる炒め物です。ナムルは豚肉だけでなく、鶏肉や牛肉でも相性が良いので、家に余っている肉があれば、野菜と炒めて炒めナムルにすると良いでしょう。冷めても美味しいので、お弁当にも大活躍します。
まとめ
ナムルは、タレさえ事前に準備しておけば簡単にできる料理です。野菜はゆでたり蒸したりして火を通すことが基本ですが、にんじんやキュウリといった野菜の場合、生で食べても美味しいでしょう。たくさん野菜があるときは、ゆでることでカサを減らし、タレに微妙なアレンジを加えることで多くのレパートリーになります。タレに含まれたにんにくは疲労回復効果もあるので、疲れて料理をしたくないといったときも、ナムルはピッタリです。もぜひ作って
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