軽く干しただけでも十分美味しくなる 干し野菜の作り方と使い方

作り方

野菜は毎日の食卓に欠かせないものです。しかし、たくさんもらったり、安いからと言ってついたくさん買ってしまったりすると、ついあまってしまうこともあるでしょう。少しだけ残ってしまった野菜を、どんな風に使い切っていますか? 野菜は浅漬けや、スープ、冷凍保存など、使い道にはそれほど困ることはないかもしれません。しかし、ついワンパターンになりがちではないですか?
そんなとき、ぜひ試してほしいレシピがあります。とくに乾燥した空気の冬の時期にピッタリのレシピ、それは「干し野菜」です。

1.干し柿ならぬ「干し野菜」、その使い方とメリット

干し野菜は名前の通り、乾燥した時期に野菜を天日干しにして干したものです。程よく水分が抜けた野菜はうまみがアップし、栄養が凝縮します。まずは干し野菜とはどのようなものが見ていきましょう。

1-1.干し野菜の基本的な作り方

干し野菜の作り方は、特に難しいことはありません。水分が抜けやすいようにスライスしたり、カットしたりした野菜をザルなどに並べて天日干しします。わざわざザルを買わなくても大丈夫、ない場合はキッチンペーパーのうえに並べて干すのも良いでしょう。また、100円ショップに干し野菜や干し柿を作るための便利なネットなどが売っています。そこに野菜を並べた後は、途中でひっくり返してしっかりと野菜の水分が抜けるようにしましょう。

おおよその野菜は、半日程度で水分が抜けます。外に干すのはちょっと…といった場合は、部屋の中で干してもOKです。また、冷蔵庫にラップをしないで入れておいても良いでしょう。部屋や冷蔵庫の場合は、水分が抜けるまで2日ほど掛かります。いずれの方法でも水分がぬけ、体積の小さくなった干し野菜の完成です。

1-2.こんなにすごい!干し野菜のメリット

干し野菜を代表するものに「切り干し大根」があります。切り干し大根は、普通の大根よりも栄養価が高いことで有名です。生の大根とその栄養素を比べてみると、干した後のほうが鉄分は約49倍、カルシウムは約23倍、食物繊維は約16倍にもアップするのです。このほかにもカリウムやビタミンB群などが大幅にアップすることが分かっています。

これは切り干し大根に限ったことではありません。干し野菜は、乾燥をさせることで栄養分が凝縮し、生の状態よりも栄養成分はアップします。干し野菜は、水分が抜けてシワシワになるのに、栄養価は凝縮されてアップするという不思議なレシピといえるでしょう。

1-3.定番の干し野菜メニュー

干し野菜は、どの野菜をつかっても構いません。日ごろ見かけるものとしては「切り干し大根」、そしてキノコ類として「干しシイタケ」があるでしょう。家で簡単に作ることのできる干し野菜の定番メニューは「根菜」がおすすめです。大根やニンジン、ゴボウやレンコンといった根菜類は、干すことで水分が抜けやすく、簡単に干し野菜として使うことができます。

また意外な干し野菜としてトマトがあります。トマトは野菜のなかでも水分が多いため、干し野菜には向いていないようにも見えるでしょう。しかし、トマトをカットして日にさらすことで、簡単にドライトマトができます。さすがに水分が多いので、トマトの場合は4日ほど干す必要があるでしょう。それでもミニトマトを使えば見た目もかわいらしく、炒め物などにも取り入れることができます。

2.干し野菜の使い方

ここからは、実際に野菜を干した後にどうやって食べるのか、その使い方について紹介します。うまみが凝縮されている干し野菜は、そのまま食べても保存食のように楽しむことができるでしょう。あとは炒め物や漬物といった使い方をすると、とても美味しいです。

2-1.キュウリの干し漬物

キュウリはそのままでも漬物として活用できますが、干し野菜にすることで味が染みやすくなり、よりさっぱりとした味わいが楽しめます。

材料

  • キュウリ 2本
  • レモン輪切り 3枚ほど
  • 大葉 5枚
  • 浅漬けのもと 100ml
  • 水 150ml

作り方

  1. キュウリは1センチほどの輪切りにする
  2. 1をかごやザルに広げて天日干し、1日ほど干す
  3. 浅漬けのもと、水、レモンの輪切り、カットした大葉を混ぜ合わせておく
  4. 3を大きめの容器に入れ、2を入れる
  5. 冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成

とてもさっぱりした味わいの美味しい漬物です。キュウリを天日干しすることにより、程よく水分がぬけるため、より漬物としての味わいを引き立てることができます。生で同じような使い方をすると、キュウリの水っぽさが出てしまうでしょう。あえて干し野菜にすることにより、キュウリの歯ごたえも楽しめる一品になっています。

2-2.ミニトマトのオリーブオイル漬け

材料

  • ミニトマト 1パック
  • オリーブオイル 適量

作り方

  1. ミニトマトを半分にカットし、天日干しする。3日以上干した方が水分が抜ける
  2. 保存容器などにオリーブオイルを入れ、1を入れる
  3. 密閉し、常温で3日ほど寝かせて完成

もとからオリーブオイルとトマトは相性が良いですが、トマトを干すことによりさらにうまみが増して美味しくなります。このまま食べておつまみにしても良いですが、干したミニトマトのオリーブオイル漬けは「パスタ」「炒め物」「ピザの具材」など、多くの使い方ができるでしょう。冷蔵庫で1週間は保存できるので、たくさん作って調理の際に役立てることもできます。

2-3.干し白菜の漬物

材料

  • 白菜 8分の1
  • めんつゆ(ストレート)120ml
  • 鷹の爪 1本
  • 昆布、かんきつ類の皮 お好みで少々
  • 塩 少々

作り方

  1. 白菜は2センチ程度の幅にざく切りし、重ならないよう並べて天日干しする
  2. 鷹の爪、昆布を細かくカットする
  3. ボウルに1を入れて軽く洗い、めんつゆを倍量の水で薄めて混ぜる
  4. 3に2をいれてなじませる、味が薄い場合は塩で調整する
  5. 重しなどをして冷蔵庫で半日寝かせる。フリーザーバックでもみこんでも良い

白菜を漬物にする場合、量が多いのでなかなか味が全体に行きわたらないこともあるでしょう。その点干し野菜にしてからの使い方は、カサが減って漬け込みやすくなります。さっぱりした味わいなので、お子様でもパクパク食べることができるでしょう。

2-4. 干し玉ねぎの漬物

材料

  • 玉ねぎ 2個
  • 合わせ調味料 醤油大2 砂糖大2 お酢大1

作り方

  1. 玉ねぎを1.5センチ幅に切る
  2. 1を陰干しして水分を飛ばす、半日~1日干す
  3. 合わせ調味料を混ぜて、2に混ぜ合わせる。冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成。

玉ねぎの干し野菜は、直射日光に当てずに陰干しするのが良いでしょう。そのほうが痛みにくく栄養分も逃げにくいといわれています。玉ねぎは干しても辛みは抜けないので、ちょっとピリッとした辛みのある漬物になります。子供が食べる場合は新玉ねぎを使うと良いでしょう。

3.干し野菜を作っておくとこんなに便利

干し野菜の使い方は、作っておくことで保存食のような役割を果たしてくれます。直射日光に当てて干す方法もありますが、おススメなのは軒下の風通しの良い日陰に干すことです。こうすることで程よく水分が抜け、日光による日焼けや栄養価の変化を防ぐこともできるでしょう。ここからは、干し野菜のより便利な使い方について紹介します。

3-1.即席のおつまみになる

干し野菜は、それに好みの調味料をかけるだけで即席のおつまみになります。醤油をかければ、ビールに合うあてにもなりますし、ドライトマトのオリーブオイル漬けは、まさにワインにピッタリでしょう。大根やニンジンといった根菜類はもちろん、ピーマンやナスといった野菜でも違う風味を楽しむことができます。また、つけ汁に漬け込むことで即席の漬物ができるのはもちろん、今日は醤油、明日はごま油、その次はポン酢など、調味料によって味を変えることも可能です。干し野菜は切って干すだけで、いつでもどこでも食べられる食材として活躍するでしょう。

3-2.野菜を無駄にしなくて済む

干し野菜の良いところは、どの野菜でも干して活用できるという点です。根菜、葉野菜、ピーマンやトマトといった野菜でも、量も関係なく作ることができます。なので、野菜がちょっと余ったときに干しておけば、野菜を無駄にすることはありません。中途半端に余った野菜をネットなどに入れて干せば、野菜が傷むこともなく活用することにつながるでしょう。

また、干した野菜は、スープやみそ汁に野菜を放つだけで作ることも可能です。時間がないときこそ、あらかじめカットしてある干し野菜はとても便利であり、時短料理に活躍できるでしょう

まとめ

干し野菜の使い方は、ズバリどんな料理にも使うことができます。ドレッシングをかけてサラダに、ごま油とあえてナムル風に、スープに入れて栄養満点の料理に、揚げて野菜チップスにすることも可能です。

干し野菜と聞くと、はじめは難しいと思うかもしれません。しかし、家に余っている野菜をカットして風通しの良い場所に干すだけで完成するので、じつはとても簡単です。野菜を無駄にしないエコの観点でも、干し野菜はピッタリでしょう。まずは冷蔵庫にある野菜で、気軽に干し野菜を作ってみてください。

 

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