実はスゴイ漬物!「高菜漬け」の栄養と健康効果

健康

ラーメンやチャーハンなどの中華料理に添えられていることの多い「高菜漬け」。普段は何気なく食べていることが多い漬物ですが、実は高菜漬けには高い栄養素が含まれています。しかも主役である高菜は自分で栽培したり、手作りで高菜漬けが作れたりします。美味しくてついつい食べ過ぎてしまう高菜漬け、今日はその栄養や作り方について見ていきましょう。

1.高菜の栄養と健康効果

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そもそも高菜漬けの「高菜」って、いったいどんな野菜なんでしょうか。スーパーや八百屋さんで売られているところもあまり見たことがないですし、よく考えればちょっと謎めいた野菜です。まずは高菜漬けの高菜に注目してみましょう。

1‐1.高菜漬けの「高菜」とは

葉野菜である「高菜」は、アブラナ科の一種でありカラシナの変種と言われています。熊本県の阿蘇地方の栽培が有名であり、熊本を中心とした九州地方では高菜漬けが名物となっています。高菜に近い野菜と言えば小松菜やカツオナがあります。

高菜は炒め物などに調理して食べることもできますが、ややアクが強いこともあり主に漬物として食べられることが多いようです。この高菜漬けは「野沢菜」、「広島菜」と共に「日本三大漬け」に数えられています。歴史も古く、江戸時代から保存食として食べられてきました。

1-2.高菜漬けの特徴

高菜はアブラナ科の野菜で、カラシナの変種です。そのため葉を直接かじってみると、ピリッとした辛味を感じられます。漬物に加工された高菜にも辛味を感じることはありますが、種類によってはお子様でも食べやすい辛味の抜けた高菜漬けもあります。

高菜漬けはそのままお漬物としてごはんのお供に食べられることが多いでしょう。また細かく刻んでおにぎりの具にしたり、ラーメンのトッピングとして利用されることが多いです。特に九州地方名産の豚骨ラーメンには味わいも色合いもピッタリです。また油との相性が良いことでも知られ、中華料理の炒め物としても利用されています

1-3.高菜漬けの栄養素

高菜は栄養素の高い緑黄色野菜です。βカロテンやビタミンC、ビタミンB群、カリウム、葉酸といった成分をバランスよく含んでいます。抗酸化作用のあるβカロテン、免疫力がアップするビタミン類を豊富に含んでおり、さらに高血圧の予防に役立つカリウムも豊富です。

さらにピリッとした辛味が特徴の高菜には、「イソチオシアネート」という成分が含まれています。これはワサビの辛味と同じ成分であり、ガンの発症を抑制する効果があります。

また市販の高菜漬けは乳酸菌で発酵させた漬物です。そのため整腸作用があり、美肌やデトックス効果にも期待ができます。

2.浅漬けなら簡単!?高菜漬けの作り方

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ではそんな栄養価の高い高菜漬けを、家で作ることはできるのでしょうか。熊本を中心とした九州地方では、一般家庭でも高菜漬けを漬けている家が多いようです。しかし本格的な乳酸菌で漬け込んだ高菜漬けは、かなり大掛かりな作業になります。

2-1.本格的な高菜漬けの作り方…一般家庭では厳しい

昔ならではの高菜漬けを作りたい場合、以下のような材料が必要です。

まずは〈下漬けの材料〉

高菜5束(10kg)(高菜の一束はおよそ2kg)
塩 500g(高菜の5%)
つづいて〈本漬けの材料)
下漬けした高菜、塩適量、米ぬか適量、乾燥大豆一カップ、赤唐辛子10本程度、昆布適量
必要な道具
10キロまで対応の漬物樽
20リットル対応の一斗樽
作り方は下漬けと本漬けを行う工程が必要であり、非常に長い作業に渡るためここでは割愛します。
つまり、高菜漬けを本格的に作るためには10キロもの高菜が必要であり、10キロ対応の漬物樽、20リットル対応の一斗樽を準備しなくてはならないのです。非常に現実的ではありません。もう少し少量の分量で手作りすることもできますが、重石や漬物樽が必要なのは変わりありません。手軽に食べたい方は地元の特産品などの購入が一番おススメです。

2‐2.高菜漬けの浅漬けなら簡単にできる

このように発酵させた本格的な高菜漬けを一般家庭で作ることはかなり大変です。しかし塩や醤油でシンプルに漬け込み、トウガラシなどで味付けした「浅漬け」ならば簡単に作ることができます。
〈材料〉高菜一束 塩40グラム お好みで鷹の爪
〈作り方) 高菜の葉、一枚一枚に塩を塗りビニールに入れます。ビニールの空気を抜き口をしばり、しっかり揉み込みましょう。茎はバキバキと折って大丈夫です。またお好みで鷹の爪を入れても美味しいです。良く揉み込んだらビニールの口を開け、重しをしてそのまま一日置きます。灰汁が出るので一度捨て、さらに半日寝かせます。これで完成です。
生の高菜と塩があれば簡単にできる浅漬けです。これだけでもしっかりと味が染み込んでおり、ごはんのお供として十分楽しむことができます。

3.高菜は自分で育てられる!?高菜漬けを応用したレシピは!?

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高菜漬けは簡単に浅漬けとして作ることができ、栄養価も高いお漬物です。しかし発祥である西日本以外では、生の高菜をあまり見かけることはないかもしれません。ならば自分で高菜を育ててみても良いかもしれません。自分で育てた高菜を漬物にできたなら最高です。

3-1.高菜はプランター栽培が可能

高菜は専用の農家の方が広大な畑にて育てていることが多いのですが、実はプランターでも栽培できます。

高菜は種の状態で売られていることが多いので、プランターに栄養分のある土を埋め、秋に種をまきましょう。標準の深めのプランターで約5株育てることができます。約ひと月ほどで双葉が開き始めたら、いくつか小さめのものを間引きし、3cm間隔ぐらいで育てていきます。常に水やりをし、栄養を与えることも忘れないでください。草の丈が25~30㎝ぐらいになったら一枚ずつ葉を取り、収穫できます。

農家が作るような大きな株に成長するには時間も手間もかかり、実際にプランターで収穫できる高菜はとても小さめです。しかし辛味のある味は同じであり、栄養素もギュッと詰まっています。漬物だけでなくお味噌汁や炒め物に利用しても美味しいので、家庭菜園を楽しむつもりで高菜の栽培にチャレンジしてみましょう。

3‐2.高菜漬けを応用したレシピが美味しい!

高菜漬けはそのままお漬物として食べても美味しいですが、その漬物をさらにリメイクして作った料理も大好評です。

代表的なものは「高菜チャーハン」です。これはごはんに刻んだ高菜漬けを混ぜ、お好みでごま油や和風だしなどで味付けをして完成です。特に油と相性の良い高菜ですから、ごま油と混ぜることにより一層風味豊かなチャーハンを楽しめるでしょう。

また和食だけでなく、パスタやピザなどの洋食にもピッタリ合います。例えばパスタなら、刻んだにんにくをオイルで炒め、そこに刻んだ高菜漬けと豚肉やシーチキンを投入。最後に茹でたパスタを絡めれば、オイルベースの高菜漬けパスタが完成です。ピザの具材としてトッピングしたり、マヨネーズと混ぜてパンの上に乗せ、焼いて食べたりしても美味しいです。

3-3.シンプルな漬物のため、どんな料理に投入しても美味しい

高菜漬けは、ちょっと具材が足りないな、と感じるときに加えてよい漬物です。刻んで冷蔵庫に保管しておけばどんな料理にも投入することができます。

たとえば餃子の具材が足りないと感じたときに加えたり、炒り卵にボリュームを出すために投入してもとっても美味しく仕上がります。ぬかみそ漬けやらっきょうといった甘酢漬けは、他の料理に加えることによりその料理の味を変えてしまうこともあります。しかし高菜漬けは基本的に高菜と塩で漬け込んだだけのシンプルなお漬物です。葉野菜と塩がベースになっているため、そのまま食べても美味しいですし、料理の具材として活躍することもできるのです。高菜漬けを購入するときは少量ではなく、ぜひたくさん購入して料理に加え、いろいろなアレンジを楽しんでみてください。

4.まとめ

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高菜漬けは普段ラーメンやチャーハンといった料理に付け合わされていることが多く、それほど意識して食べることは少ないかもしれません。

しかし近年では高い栄養素が注目され、高菜の品種も増えてきました。昔は西日本を中心に栽培されていただけの高菜ですが、今では筑後高菜、山形高菜、長崎高菜など数多くの品種が生まれ、その地域の名産として高菜漬けが多く生産されています。

そのまま食べるのはもちろん、いろいろな料理に加えてボリュームを出すこともできるので、冷蔵庫の中に常に常備しておくことがおススメです。日本三大漬け物の一つである高菜漬け、シンプルでややピリッとした味わいは一度食べたらクセになり、多くの方に紹介したい漬物です。

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