シメジやエリンギ、マッシュルームなど、さまざまなきのこが美味しい季節です。色々なキノコを使ったレシピがありますが、旬のきのこはボリュームもあり、日持ちがしないので余らせてしまうこともあるでしょう。そんなときにはオリーブオイルを使った「キノコのオイル漬け」を作ってみてはいかがでしょうか。キノコのオイル漬けは効率よくきのこを食べられる他、料理のレパートリーを華やかに増やしてくれます。ここではキノコのオイル漬けの作り方やメリットについてご紹介します。
1.日持ちしないのキノコを美味しく食べよう!
キノコは栄養素の高い食品です。秋ごろになるとたくさん店頭で売られていることも多く、ついたくさん買ってしまう人も多いのではないでしょうか。しかしキノコを買って冷蔵庫に一週間ほど入れっぱなしにしておくと、カビてしまったり傷んでしまったりすることがあります。そうならないように、早めにオイル漬けにして保存しておきましょう。
1‐1 キノコの優れた栄養素
まずはキノコの栄養素について見ていきましょう。キノコは低カロリー食品なのに豊富な栄養素が含まれている素晴らしい食品です。ビタミンがたくさん含まれている他、食物繊維、ミネラルなどの栄養素がぎっしり詰まっています。健康に気を使う、ダイエットを意識している人にはピッタリの食材です。
そしてオイル漬けに使うオリーブオイルも、油の中では一番と言って良いほど健康的な食材です。体内の酸化を防ぐオレイン酸が豊富に含まれており、動脈硬化を防ぎコレステロールを下げる効果があります。このように栄養価の高いキノコと健康的な油を組み合わせたキノコのオイル漬けは、日々積極的に身体に取り入れたい料理と言えるでしょう。
1‐2 自分の体質によってキノコの種類を選んでみよう
キノコのオイル漬けはどのキノコを使っても大丈夫です。しかしせっかく食べるのであれば、自分の体質に合わせてキノコを選んでみてはどうでしょうか。
例えば「エリンギ」はキノコの中でも食物繊維が豊富に含まれており、便秘やむくみが気になる人にはおススメしたいキノコです。独特の歯ごたえは、食物繊維がたっぷり含まれている証拠です。
さらに「マイタケ」は。βグルカンという免疫力を活性化してくれる食物繊維が豊富に含まれています。これは健康効果があるだけでなく、シミを防ぎ肌にツヤを与えるといった美肌効果も期待できる栄養素です。美肌を手に入れたい方にはマイタケがおススメです。
さらにお酒をよく飲む人にはアルコールの分解を助けるアミノ酸が豊富に含まれた「ぶなしめじ」がおススメです。このアミノ酸はアルコール分解を助けるだけでなく、脂肪を効率よく燃焼させる効果も含まれています。ダイエット中の方にもぶなしめじは合っている食材でしょう。
このようにどうせオイル漬けを作るなら、自分の体質や目的にに合わせたキノコを多く使って調理したほうが良いでしょう。
2.自分で簡単に作れる!キノコのオイル漬けを作ってみよう
ではいよいよ自分でキノコのオイル漬けを作ってみましょう。市販で売られているものより安く材料もそろえられますし、新鮮なキノコのオイル漬けは美味しさが違います。自分の体質や好みに合ったキノコを好きに選択できるのも、手作りならではメリットです。
2-1 基本的なキノコのオイル漬けレシピ
〈材料〉 キノコ類(しめじ、エリンギ、まいたけなど、お好みで) 200g 、にんにく 1片、 鷹の爪 1本、 オリーブオイル 75ml 、塩 小さじ1弱、 ブラックペッパー 適宜
〈作り方〉 キノコをほぐし、食べやすい大きさに切ります。鍋にオリーブオイルを入れ、キノコ、刻んだにんにく、種抜きの鷹の爪、塩とブラックペッパーを入れてしんなりするまで炒めます。弱火で炒め、材料全体がしんなりとなったら冷ましましょう。保存用の密閉容器に移し、キノコが浸るようにオリーブオイルを加えたら完成です。
2‐2 キノコのオイル漬け、作る時の注意点
キノコを調理するとき、水道で洗ってはいませんか?キノコはその多くがパック詰めで売られており、清潔な状態で売られています。水をかけることで歯ごたえを無くし、炒めるときにうま味成分が逃げてしまうこともあるので、キノコは水洗いせずに調理しましょう。
またオイル漬けはおよそ2週間冷蔵庫で保存できます。しかしオリーブオイルは空気に触れることにより酸化してしまうので、密封できる容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。キノコが完全に浸かるまで、なみなみとオリーブオイルを注ぐこともポイントです。
オイル漬けを使うたびにビンの蓋を開けることになるので、開けっ放しにすると酸化も進みます。オイル漬けを取り出すときは清潔なスプーンなどを使い、蓋の開閉は素早く行いましょう。
2-3 そのまま食べても良し、料理に混ぜ合わせても良し
このキノコのオイル漬けはそのまま食べても良いですし、多くの料理に活用しても美味しいです。
そのまま食べるのはかなりオイルが多い状態なので、たくさん食べることは難しいでしょう。キノコを少量取って、しょうゆを垂らして食べるのもとっても美味しいです。
一般的な食べ方とすればいろいろな料理に使いまわすことです。代表的なものに「ペペロンチーノ」があります。これはニンニクと塩コショウをベースとした基本的なオイルパスタですが、このキノコのオイル漬けでパスタを混ぜ合わせると、お店で食べられるような本格的なペペロンチーノに早変わりします。
この他にもコンソメをベースとしたスープに入れれば、あっという間にキノコのスープになり、薄く切った鶏肉と炒めれば見た目も華やかなメインディッシュになります。魚料理にも肉料理にも合うのがキノコの良いところです。時間がないときにも、ごはんとキノコのオイル漬けを炒めるだけで即席ピラフが作れます。このオイル漬けがあるだけで、あっという間にさまざまな料理を作ることができます。
3.残ったオイルはどう活用する?
キノコのオイル漬けを常備しておけば、さまざまな料理を簡単にサポートしてくれます。しかしキノコを料理に使うたび、オイルばかり残ってしまうこともあるようです。材料であるキノコがなくなったのなら、もうオイル漬けは捨てるしかない!?いえいえ、それはもったいない!残ったオイルもさまざまな料理に使うことができます。
3‐1 残ったオイルにはキノコの栄養素がたくさん!
キノコがなくなってしまっても、残ったオイルの中にはキノコのエキスがしっかりと含まれています。ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれており、通常の油よりも健康的でしかもうまみが凝縮されているのです。ぜひいろいろな料理に使用してみましょう。
例えばサラダや前菜などに、そのまま残ったオイルをかけて食べても美味しいです。味が足りない時は塩やお醤油をちょっと垂らしてみましょう。オイルにはキノコはもちろん、ニンニクや鷹の爪の隠し味も含まれていますから、食材にかけて食べるだけでも美味しさが増すのです。
イタリアンなどの洋食に合うイメージですが、意外と和食にも合います。例えばサバの塩焼きやお漬物にも垂らしてみましょう。塩味が主張している料理にキノコのオイル漬けのオイルをかけると、食材の味がまろやかになり好評なのです。
3-2 パスタやリゾット、王道のイタリアンには特におススメ
キノコのオイル漬けをパスタに絡めると、本格的なペペロンチーノができることはご紹介しました。しかし残ったオイルだけでも、美味しいパスタを楽しむことができます。このオイルを使い、パスタの具材となる野菜やベーコンなどを炒めます。その後茹でたパスタに絡めるだけで、十分美味しいオイルベースのパスタができます。
さらにキノコの味がしみ込んだこのオイルを使い、リゾットだって出来ちゃいます。作り方は簡単、鍋に残ったオイルを熱して、生米を炒めます。とぐ必要はありません。お米が透き通ってきたら水をひたひたになるまで加えます。白ワイン少々、塩コショウを投入し、お米に芯がちょっと残る程度で火を止めます。これで完成です。食べるときには粉チーズをかけるのをおススメします。またお好みでエビや貝類など、リゾットに合う食材を一緒に煮込んでも美味しいですね。
残ったオイルにはキノコのうまみがたっぷり溶け込んでいます。捨てるなんてもったいない、食材を炒める油として活用するのはもちろん、特にイタリアン料理に使うと味の決め手にもなるのでぜひ活用してみてください。
4.まとめ 日常生活にもっとキノコを取り入れよう!
キノコのオイル漬けは、それ自体がメインディッシュという料理ではありません。しかし常備しておくことで、多くの料理を作る時に活躍してくれます。一人暮らしでなかなか料理をつくる時間がない、今日は料理をしたくないときだって、このオイル漬けを主役の料理と混ぜ合わせるだけで立派な一品ができます。
またキノコというのは、買っても意外とレパートリーが少なく、いつも同じ料理になってしまうこともあるようです。なるべく毎日食べたい栄養素が詰まっている食材なのに、先週キノコ料理をしたからもういいや、ということもあります。しかしキノコのオイル漬けを常備しておくことで、日々効率よくキノコの栄養が取れます。
野菜や肉、魚と違いつい食べることを忘れがちなキノコですが、ぜひオイル漬けにして常備してみましょう。キノコのオイル漬けはカロリーは低いのに高い栄養素があり、日々の食事をさらに華やかに美味しくしてくれる、強い味方となるでしょう。
コメント