恵方巻を作るのはもちろん、最近ではロールケーキや卵焼きを作る際も便利だと言われているのが「巻きす」です。巻きすは日本料理の歴史ある調理道具であり、一見するとすだれのような形をしています。発祥地や由来は定かではありませんが、恵方巻が誕生した関西地区で生まれ、便利な道具ゆえ家庭に広がったとされています。
そんな巻きすの使い方と言えばお寿司をイメージする人が多いでしょう。しかし巻きすを一本家庭に常備しておけば、巻き寿司以外にも便利な使い方がたくさんありとても便利です。今日は意外と知られていない巻きすの便利な使い方について紹介します。
1.こんなにある!巻きすの種類
巻きすと言えば竹製の素材が多いですが、最近では竹製以外でも多くの素材で出きた巻きすが人気です。お手入れがしやすい、お米が付きにくいといったことから、新素材の巻きすは日本だけでなく海外でも使われています。ではどんな種類の巻きすがあるのか、その種類と簡単な使い方について見ていきましょう。
1-1.定番の「竹製巻きす」の使い方
昔ながらにある竹製の巻きすは、定番中の定番です。いまや100円ショップで売っていることも多く、簡単に手に入れることができます。竹製巻きすのメリットは何と言ってもその使いやすさです。細い竹ひごが丁寧に紐でくくられた構造になっており、手巻き寿司を作るのには程よい弾力と包みやすさに定評があります。
しかしデメリットとすればお手入れが大変なことです。商品によっては初めて使う際には煮沸消毒が必要ですし、使い終わったあともカビが生えないようしっかりと乾燥させる必要があります。竹ひごの間に食材が詰まることも多く、使い終わってからのお手入れはしっかりしないと不衛生になってしまいます。
1-2.シリコン素材も人気
シリコン製の巻きすは近年注目を浴びている商品です。凹凸のある一枚で出来ており、食材の目詰まりを起こすことも少なく、お米がこびりつくこともありません。柔軟性があって使いやすいのですが、竹製の巻きすで慣れている人にとってはやや柔らかすぎる印象もあるようです。しかしシリコンという特性を生かし、オーブンや電子レンジでも使うことができます。使い方としてはロールケーキを巻いたり、ミートロールを形成したりすることにも向いています。
1-3.エンボス加工やプラスチックの巻きす
エンボス加工やプラスチック製もシリコン製の巻きすとあまり変わらないのですが、価格がシリコン製よりも若干安いことが多いです。これらの巻きすもお米が付きにくく、調理後に洗うのも簡単です。最近では食洗器に対応したプラスチック製の巻きすもあります。
エンボス加工やプラスチック製の巻きすは「裏巻き」と呼ばれるカリフォルニアロールなどのお寿司を作る際に便利です。裏巻きとは通常の巻き寿司とは違い、海苔を内側に入れてお米で表面を包み込む巻き方です。切った断面はカラフルであり、パーティーなどで評判が良いでしょう。
2.野菜を絞るのにも便利!巻きすの使い方
ところで巻きすは「野菜の水分を絞る」という使い方ができることを知っていましたか?よくレシピで「野菜の水けを切る」とありますが、具体的にどうすれば良いのか分からないこともあるでしょう。わざわざサラダスピナーを出すのも面倒だし、フキンで包み絞るのも洗い物が増えてしまいます。そんな時はぜひ巻きすを使ってみましょう。ゆで野菜や、水気の多い漬物の水分を絞る時こそ巻きすがおすすめです。
2-1.ほうれん草のゆで汁を巻きすで絞ろう
ほうれん草は一度湯がく必要のある野菜です。サッとゆでて灰汁を取り除くことにより、甘みのある美味しいほうれん草になります。しかし茹でたほうれん草の水けを絞るのは、握力のない女性にとっては結構大変な作業です。そんなときこそ巻きすを使ってみましょう。
まずは茹でたほうれん草を冷水で冷やし、軽く絞ったあと巻きすの上に置き、お寿司を作る要領でクルクルと巻いていきます。その後タオルを絞るように軽くギュッと絞ると、効率よくほうれん草の水分を落とすことができます。ポイントは横に絞るのではなく、巻きすを縦にして絞ることです。こうすることで握力のない女性でも簡単に野菜のゆで汁を絞ることができます。
2-2.お漬物を絞る際も便利
巻きすを使って野菜のしぼり汁を出す方法は、水分の多い漬物にも有効です。例えば長野などの信越地方で有名な漬物に「野沢菜」があります。野沢菜の多くは漬け汁に浸した状態で売られており、食べる時は汁気を切ってから食べることの方が多いでしょう。またチャーハンや炒め物の具材として使うことも評判が良く、そのような使い方の際はしっかりと水けを切りたいです。
漬物の水分を切る際も、先ほどのほうれん草と同じように巻きすが活躍します。巻きすに野沢菜などの漬物を包み、縦にしてギュッと絞ると効率よく水分を落とすことができます。水分を飛ばす使い方をする際はどの素材の巻きすでも良いですが、やはり竹素材がおすすめです。竹素材は均等なすき間が空いているので水分を出しやすく、絞った後の野菜に空気を入れてくれるためペチャンコになりすぎない利点があります。
3.巻きすを使ったレシピいろいろ
巻きすはお寿司をはじめとした料理を形成するだけでなく、野菜の水分を飛ばすといった使い方もあります。しかしやっぱり知っておきたいのが、巻きすを使ってできる簡単な料理の数々です。巻きすにはこんな使い方もあったのだ、と驚きのレシピもありますからぜひ参考にしてみてください。
3-1.美しい卵焼き
巻きすを使った卵料理というと、伊達巻をイメージする人も多いかもしれません。しかし伊達巻ははんぺんを刻んで入れたりと手間が掛かる料理です。それならば卵焼きを巻きすに入れて、形よく整えてみましょう。
作り方は簡単です。まずは卵焼き機で普段通りに卵を焼き、温かいうちに巻きすにくるんでしっかりと形成します。約10分後、冷えた状態の卵焼きはちゃんと巻きすのあとが残り、まるい形に形成された美しい卵焼きの完成です。カットして食卓に出せば料亭で出されたような美しさが楽しめますし、お弁当にも便利です。
3-2.簡単ロールケーキ
ロールケーキは巻きすを使うことで失敗が減り、美しいケーキを作ることができます。ロールケーキの材料はさまざまありますが、とても簡単なのはホットケーキミックスを使うものです。よくふるったホットケーキミックス60g、ふるったグラニュー糖20g、卵4個をしっかりとミキサーで泡立てます。オーブンペーパーを敷いた天板に流しいれ、焼き色がついて冷めたらそっと巻きすの上にのせましょう。生クリームやお好みのフルーツを乗せ、コロコロと巻きすで包みます。その後は巻き終わりを下にしてラップに包み冷蔵後へ。
またロールケーキがちょっと大変だという方には、ホットケーキを使った簡単レシピがおすすめです。焼いたホットケーキを巻きすに載せ、冷めたら生クリームやフルーツを乗せてクルクルと巻いていきます。これだけで簡単フルーツサンドの完成です。
3-3.サンドイッチにも巻きすがおすすめ!
巻きすはご飯を包むイメージがありますが、実はパンを使ったレシピも人気です。サンドイッチ用のパンを巻きすに置いて、お好みの具材を乗せましょう。そのままクルクルと巻いていけばあっという間にロールサンドイッチの完成です。ジャムやフルーツを乗せたら、いろどりも豊かなサンドイッチができます。ただパンはお米よりも形成しにくいので、作ったサンドイッチはすぐにラップに包み寝かしておくのがおすすめです。巻きすのまま一晩置くとしっかり馴染むので、夜に仕込んで置いて朝食に楽しむのも良いでしょう。
まとめ
巻きすのさまざまな使い方、いかがだったでしょうか。巻きすはお寿司だけでなく、野菜のゆで汁を絞ったり、サンドイッチやお菓子作りにも活躍できたりします。
100円ショップでも手軽に購入できる巻きすですが、きちんと料理に取り入れたいのであれば多少高価なものがおすすめです。値段の高いものの方が使いやすく、劣化に強くお手入れも簡単なものが多いからです。初めて巻きすを使うという人は最初は安い巻きすでも、使う用途に合わせて品質や値段も変えて自分に合った巻きすを選んでいきましょう。これからはぜひキッチンに巻きすを常備し、料理の見た目を華やかに変えてみてはいかがでしょうか。
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