メンマといえば、昔ながらのラーメンには必ずトッピングされていたものです。ただ、最近のラーメン屋で見かけるトッピングは多種多様になってきており、必ずしもメンマが載っているものは少なくなってきました。
しかし、メンマってそもそも何で作られているのか、知っている人は少ないかもしれません。実はメンマはタケノコの種類であるマチクという植物からできており、手作りが可能です。手作りのメンマは薄味なので、おつまみやお弁当の隙間に入れるのにも活躍するのです。柔らかな生のタケノコが出回るこの季節、ぜひメンマの手作り方法に挑戦してみましょう。
1.そもそもメンマって何!?
メンマは、もともと中国で生まれた発酵食品です。つまり、中国や台湾では古くからある漬物であり、タケノコに似たマチクという竹林を材料に作られました。収穫したマチクは蒸されて塩漬けにし、それを発酵させて天日干ししたのがメンマの始まりです。
1-1.メンマの名前の由来とは
メンマという独特の名前の由来は、まさにラーメンにトッピングすることから始まっています。メンマは台湾出身の貿易商が日本に持ち帰ったことが由来であり、「ラーメンのうえにマチクを乗せる」ということから、メンマという名前がつけられました。その後メンマはテレビCМの影響なども受けて、名称が多く知られるようになります。
ちなみに、ラーメンの上にメンマを乗せる文化は日本独自のものであり、メンマが生まれた中国や台湾にはありません。中国や台湾ではメンマは漬物として扱われ、ごはんのお供やお弁当の材料としてよく使われています。
1-2.実は栄養が豊富な食材
市販で売られているメンマのおよそ9割は中国産です。これには理由があり、そもそも原材料となるマチクが日本ではほとんど生産されていないのです。しかし、マチクは日本のタケノコと同様に、高い栄養素があり、食物繊維も豊富なことから栄養がたっぷり含まれています。
まず、メンマにはカルシウムやカリウムといった栄養がしっかりと含まれています。食べることで余計な塩分を排出してくれるので、むくみ予防にも効果があるでしょう。また、食物繊維が豊富であり、エネルギー量も少ないです。メンマ100gにおいてのカロリーはたったの19カロリーであり、ダイエットにも向いています。
しかし、市販のメンマはトッピング用に作られているため、少量でも塩分が多いです。そのため、食べ過ぎると塩分過多となり、返って身体に悪影響を及ぼすことにもなるでしょう。身体に良いメンマをたくさん食べたい、そんなときは自分でメンマを手作りするのがおすすめです。
2.味付けメンマを手作りしよう
メンマは瓶詰で売られていることが多いですが、何しろ味付けが濃いことも多く、飽きたり、たくさんの量を食べられなかったりします。そんなときは、国産のタケノコを使い、自分好みの味付けメンマを手作りしましょう。
2-1.まずはタケノコのアク抜き
メンマを手作りするには、まず生のタケノコをアク抜きする必要があります。タケノコのアク抜きは「ぬか」を使うといったさまざまな方法がありますが、一番簡単なのは「米のとぎ汁」を使う方法です。
アク抜きに必要な材料
- タケノコ 数本
- タケノコがぜんぶ入るくらいの大鍋
- コメのとぎ汁 適量
- タケノコは2,3枚皮を剥く。全部剥かないのがポイント
- タケノコの先っぽを斜めに切り落とし、縦に切りこみを入れる
- 大鍋に米のとぎ汁を入れ、タケノコを入れる、とぎ汁はタケノコが隠れるくらい浸す
- 沸騰するまで強火、煮立ったら弱火で1時間ほど茹でる
- そのまま半日ほど置いて冷ます
- 皮を剥いて必要であればカットする
- 保存する場合は水に浸けて冷蔵庫へ
タケノコは買ってきたらすぐにアク抜きを行いましょう。タケノコは時間が経つにつれてアクが増えるため、冷蔵庫で寝かしてしまうとえぐみが強くなります。また、皮を全部剥いてゆでるとうま味がすべて逃げるので、かならず皮を数枚残して茹でましょう。アクをしっかりと抜くため、ぬかやコメのとぎ汁を必ず使う必要があります。
2-2.タケノコで作る味付けメンマのレシピ
タケノコのアク抜きが完成したら、さっそく自家製メンマをつくりましょう。
材料
- アク抜きしたタケノコ 300g
- ごま油 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 鷹の爪、ラー油 少々
- 味付け調味料 水100㏄ 醤油大さじ1 鶏ガラスープの素小さじ1 オイスターソース小さじ1
作り方
- タケノコは食べやすいよう、細長くカットする
- 1を軽く水洗いし、ざるに上げて水を切る
- フライパンに2を入れて、ごま油で軽く炒める
- 火が通ったら、砂糖を加えて炒める
- 味付け調味料を混ぜ合わせ、4に加えて炒める
- 汁けがなくなったら完成、好みでラー油や鷹の爪を加える
自家製メンマは、タケノコを茹でたあとに味付け調味料を加えて炒めることで簡単に作ることができます。時間が掛かるのはタケノコの下茹でと考えておいた方が良いでしょう。歯ごたえを重視したいのであれば、タケノコを切る際に太めにカットし、柔らかいメンマが好きなら細目にカットします。
2-3.水煮タケノコでもっと簡単に
- 水煮タケノコ 1缶
- ごま油 大さじ2
- 味付け調味料 砂糖大さじ1 創味シャンタン小さじ2 醤油小さじ2 オイスターソース大さじ2ラー油少々 塩少々 七味唐辛子少々
- 水煮タケノコを細長くカットし、メンマの形にします
- ごま油で1をフライパンで炒めます
- 味付け調味料を混ぜ合わせ、2に投入して汁けがなくなるまで炒めます
水煮タケノコは国産のものも多く、輸入品とは違って添加物などの心配もありません。家で下茹でしたものと比べると柔らかいものが多いので、若干歯ごたえは少ないかもしれません。それでもタケノコを下茹でする必要がないため、時間のないときにはおススメできるレシピです。
3.メンマを使ったアレンジレシピ
メンマは一昔前ではラーメンにトッピングするのが一般的でした。しかし、メンマの歯ごたえや味付けは多くの中華料理をはじめとしたレシピに使えるため、他の料理でも大活躍するでしょう。特に、手作りした自家製メンマなら味付けを濃くしたり薄くしたりと調節できるので、作る料理に合わせた味付けでさらに美味しくなります。ここからは、メンマを使ったアレンジレシピを紹介します。
3-1.簡単!キュウリとメンマの和え物
材料
- メンマ(市販品がおすすめ) 大さじ3
- キュウリ 1本
- ごま油 少々
作り方:メンマとカットしたキュウリを混ぜ合わせ、ごま油を軽く振りかけて完成
メンマはそのままでもごはんのお供として食べられることも多く、とくに中華料理に合います。市販のメンマなら味付けが濃いため、カットキュウリとごま油で簡単な1品ができるでしょう。中華料理を作る際に、前菜としてさっぱりした一品になります。
3-2.メンマの香り炒め
材料
- メンマ 100g
- 豚小間肉 100g
- ネギ 1本
- 料理酒 大さじ1
- 片栗粉 大さじ1
- ごま 少々
- 中華だしのもと 小さじ1
- サラダ油 少々
- 塩コショウ 少々
作り方
- メンマと豚肉を細切りにする
- 1に片栗粉をもみ込む
- ネギは斜め薄切り
- フライパンにサラダ油を敷き、豚肉、ネギ、メンマの順に炒める
- 酒、中華だしの素、ゴマ、塩コショウを混ぜ合わせ、4に入れて炒める
メンマは市販のものだと味が濃いたため、中華だしの素をいれなくても良い場合もあります。手作りの場合はメンマが薄味のことも多いので、だしの素などで好みの味付けを行いましょう。メンマは炒め物としてとても活躍します。中華料理に加えるのはもちろん、チャーハンや焼きそばなどに入れても美味しいです。
3-3.ピーマンとメンマのジャコ炒め
材料
- メンマ 100g
- ピーマン5個
- ちりめんじゃこ 1パック
- ごま油、醤油 各大さじ1
作り方
- ピーマンは千切りにする
- フライパンにごま油を少々敷き、ピーマンを炒める。火がある程度通ったらメンマとジャコを入れる
- 2に醤油を回しいれ、最後にごま油で香りづけする
おつまみにちょうど良いピーマンとメンマの炒め物です。ちりめんじゃこを入れることによりカルシウムもしっかりと取れるので、子供のおかずにしても良いでしょう。市販のメンマの場合含まれている油分も多いので、それほど油は敷く必要がありません。
まとめ
メンマは市販品しか見たことがないという人も多いでしょう。ましてや手作りができるということは、あまり知られていないかもしれません。めんまはマチクという中国特有のタケノコからできていますが、日本で流通しているタケノコでも作ることができます。また、味が濃い市販のメンマとは違い、手作りをすることにより好みの味付けにすることができるでしょう。
手作りのメンマは旬のタケノコを使うことによりとっても美味しくできます。美味しそうなタケノコが手に入ったら、ぜひ好みの味付けで手作りメンマに挑戦してみてください。
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