漬物というと、日本古来の食材をイメージする人も多いかもしれません。しかし、日本の漬物を少しアレンジするだけで、簡単に「中華風漬物」に変えることもできるでしょう。
特に、シンプルな塩味の漬物ほど、ほんの少しごま油を垂らすだけで何となく中華味になります。また、さらに中華料理感を出してくれる調味料として、オイスターソースをつかうのもおススメです。今日は、中華風の漬物の種類や、簡単にできるアレンジレシピについて見ていきましょう。
1.海外の漬物は意外と身近にある
漬物は日本のものだけではなく、実は海外でも多く作られています。有名なものとしては、韓国の「キムチ」、ヨーロッパの「ピクルス」などがあるでしょう。では、ここからは中華風の漬物の種類について見ていきましょう。
1-1.中華風漬物の代表、ザーサイ
中華の漬物として真っ先に思い浮かべるのがザーサイかもしれません。ザーサイは中国発祥の漬物であり、日本でも中華料理の付け合わせとして当たり前のように出されることが多いです。
ただ、ザーサイはもともとどのような食材であるのか、知らない人も多いのではないでしょうか。ザーサイは青菜頭(チンサイトウ」という野菜であり、その青菜頭の茎の部分にある、こぶ状になった箇所を使って作られています。こぶ状の実をカットし、塩やトウガラシなどのスパイスと一緒に瓶に入れて数日間漬け込みます。こうすることでザーサイの漬物が完成するのです。ただ、この状態で食べるのはしょっぱいことが多いため、一般的には水につけて塩抜きをしたザーサイが提供されています。
1-2.切り干し大根を使った漬物も多い
また、中国や台湾では、切り干し大根を使った漬物もスタンダードです。菜脯(ツァ・イフー)と呼ばれる中華風漬物は、中国や台湾で家庭料理として作られている漬物です。切り干し大根を甘辛醤油漬けにしたものであり、そのまま出してお酒のあてにしたり、炒め物の材料として使われることも多いです。
代表的な料理としては、菜脯(ツァ・イフー)を卵と混ぜて卵焼きにアレンジします。甘辛い漬物がアクセントになり、日本人にとっても食べやすい料理でしょう。
1-3.中華風漬物は根菜や菜っ葉も多い
このほかにも中国で作られている漬物は、酱萝卜(ジャン・ルオ・ポー)と呼ばれる大根を甘辛く漬けたものや、芽菜(ヤー・ツァイ)と呼ばれる、青菜の芽を使って漬けられた漬物が有名です。基本的には、醤油や砂糖、各スパイスを使って漬けられていることが多いでしょう。そのまま食べても良いですが、四川料理に欠かせない材料として用いられることが多いです。中国の漬物は、ザーサイをはじめ、日本でもなじみが多く、スーパーで売られていることもあるでしょう。
2.中華風漬物を自分で作ってみよう
中華風漬物は、味もシンプルで素材の風味が感じられるため、日本人の口にも合いやすいです。しかし、本格的な中華風漬物を食べたいとなると、本場中国へ行ったり、中華料理の専門店へ行かないと楽しめないこともあるでしょう。それはあまりにも大変なので、自分で作ることがおすすめです。
中華風漬物は、日本の浅漬けにごま油やオイスターソースを加えることにより、とても簡単に作ることができます。ここからは、簡単にできる中華風漬物のレシピを紹介します。
2-1.きゅうりのオイスターソース和え
日本でもきゅうりは多くの漬物に用いられますが、中国でもきゅうりはスタンダードな漬物材料です。きゅうりの塩漬けにオイスターソースとごま油を加えることにより、典型的な中華風漬物を楽しむことができます。
材料
- キュウリ 2本
- 塩 少々
- オイスターソース 大さじ2分の1
- 醤油 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- ガーリックパウダー 少々
作り方
- キュウリは塩を振ってもみこみ、板ずりをする
- 1を綿棒などでたたき、食べやすい大きさに割る
- ポリ袋に2を入れて、オイスターソース、醤油、ごま油、ガーリックパウダーをすべて入れる
- よく揉みこみ、5分ほど置いたら完成
ポリ袋でもみこんで完成の一品なので、時間がないときにも簡単に作ることのできる漬物です。たくさんキュウリがあるときは、つい浅漬けなどにしてしまいがちですが、ちょっと飽きた時にアレンジのできる料理でしょう。
2-2.大根の中華風漬物
お次は、ラー油と中華風だし、ごま油を使った漬物です。中華風の味付け材料がそろっているため、まず失敗することはないでしょう。
材料
- 大根 200グラムほど(10センチくらい)
- 塩 小さじ3分の1
- 醤油 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- ラー油 少々
- 中華風だし 小さじ3分の1
作り方
- 大根は薄くスライスし、食べやすい大きさにカットする
- ポリ袋に大根と塩を入れもみこみ、10分ほどなじませる
- 2の水分を捨て、醤油、砂糖、ラー油、ごま油、中華風だしを加えてよく揉みこむ
- 余分な水分を捨て、お皿に盛りつけて完成
辛い味付けが好きな人は、ラー油を多めに加えても良いでしょう。また、子供が食べる場合は、ラー油を除いた材料を加えると良いです。ごま油とラー油の効いた漬物であり、ほど良い油の存在が食欲をそそります。
2-3.キュウリと大根の中華風
中華風漬物は、各材料を合わせて量を増やすことも可能です。たくさんの量を作る際は、どうしても味が薄くなるので、たくさんの中華に必要な調味料を混ぜ合わせて作るようにしましょう。
材料
- キュウリ1本
- 大根 10センチほど
- ごま油 大さじ1
- ショウガチューブ 3センチほど
- 醤油 大さじ1
- 中華風だし 大さじ1
- 鷹の爪 少々
- 塩 塩もみ用と、別途小さじ1
- ニンニクチューブ 2センチほど
作り方
- 大根、キュウリは、食べやすい大きさに乱切りする
- 1をポリ袋に入れ、塩少々を振ってよく揉みこむ
- 2の水分を絞って、そのほかの材料をすべて投入する
- 3をよく揉みこみ、冷蔵庫に入れて1時間以上寝かす
- お皿にうつして完成
材料が多くなる分、おすすめは一晩ほど寝かせることです。こうすることで味がしっかりとしみこみ、美味しい中華風漬物を楽しむことができるでしょう。また、ショウガやニンニクを加えることで、より風味がますでしょう。しあげにすりごまを加えてもOKです。
2-4.中華風漬物にアレンジするときのコツ
中華風漬物を簡単に作るには、簡単にいうと次のような流れになります。
- キュウリや大根を浅漬けする
- 中華風の調味料を加える。ごま油、オイスターソース、中華風だし、ラー油など
- 冷蔵庫で寝かせて完成
とても簡単にできるレシピではありますが、ぬか漬けや梅干しといった味のしみこんだ漬物は、中華風にアレンジするのは難しいことが分かります。そのような味の染みた余った漬物を中華風にアレンジするには、食べる直前にごま油やラー油を加えても良いでしょう。それでも、もとからの漬物の風味を消すことは難しいため、やはり浅漬けを中華風にアレンジするのがおすすめです。
3.中華風漬物のメリット
最後に、漬物を中華風にすることで、どのようなメリットがあるのかを見てみましょう。普段私たちが口にする漬物は和食に合うことが多いですが、中華風にアレンジすることにより、たくさんの料理の付け合わせにすることが可能になります。
3-1.いつもの漬物をアレンジできる
自家製で作る漬物は、美味しいものの、同じものにマンネリ化することはないでしょうか?とくに、キュウリやナスといった野菜が大量に手に入ると、ついいつもの浅漬けやぬか漬けにしてしまう人も多いでしょう。
そんなとき、ごま油やオイスターソースを加えて中華風にアレンジすると、普段の漬物とは違う味を楽しむことができて、マンネリ化することはありません。基本的に、中華風にするには、浅漬けにプラスして中華素材を加えれば良いのです。こうすることで、いつも食べている漬物が一味違う味わいになるでしょう。
3-2.余った調味料の有効活用にも
冷蔵庫に余ってしまう調味料として「オイスターソース」や「豆板醤」をあげる人も多いでしょう。このような調味料は、中華料理の炒め物には使えるものの、ほかの料理ではなかなか出番が少ないのです。そんなとき、中華風の漬物をつくるときに活用すれば、調味料を役立てることもできます。冷蔵庫に眠っている中華調味料を見つけたら、生野菜と組み合わせてぜひ中華風漬物を楽しみましょう。
まとめ
中華風漬物は、一見難しそうに見えるものの、実はとても簡単にできてしまうものばかりです。辛い風味が好きだったらラー油や豆板醤を加えたり、甘めのコクが好きだったらオイスターソースを加えたりすることで、自分好みの漬物を作ることができます。
中華風漬物は、中華料理にはもちろん、和食や洋食の付け合わせでも合います。生野菜と中華調味料があるときは、ぜひ漬物にアレンジして、中華風漬物を楽しんでみましょう。