みそは万能調味料です。和食はもちろん、ホワイトソースなどにも相性がよく、いろいろな料理につかうことができます。そのみそに、もとからほんのり味が付いている「にんにくみそ」があれば、さらに料理のレパートリーは広がるでしょう。
しかし、たくさんの味噌を用意したり、漬ける時間を気にしたりと、みそ漬けを作るには手間がかかりそうな気もします。しかし、にんにくみそは、調味料を加えて寝かせたり少々煮込んだりするだけで、簡単にできるのです。今日は、にんにくみその栄養や効能、作り方などを詳しく紹介します。
1.ご飯がすすむ便利なにんにくみそ!
にんにくみそは、簡単にいうと、にんにく入りの味噌床のことです。にんにくがプラスされているため、食欲増進にもつながり、ガッツリ味の調味料として活躍します。また、にんにくと味噌は、古来から伝わる栄養食品としても有名です。まずは、にんにくみその栄養について見ていきましょう。
1-1.まずは味噌の効能
味噌には「アミノ酸」「大豆サポニン」「イソフラボン」が豊富に含まれています。これらの栄養は、肝臓の解毒をサポートし、結果的に脂肪肝の予防につなげることができるでしょう。また、大豆が主な原料である味噌は、酵母や麹菌、大豆サポニンなども豊富です。これらの栄養はガン対策にも有効であり、毎日味噌汁を飲むことで健康をサポートできるでしょう。
そして、味噌には塩分が多いイメージがありますが、味噌汁をたくさん飲んでも血圧が上がることはありません。むしろ、味噌の原料である大豆たんぱく質が、血圧上昇を抑えるという研究結果もあります。毎日3食味噌汁を飲んでも、塩分摂取量はそれほど気にすることはないのです。
1-2.にんにくの効能
にんにくは、日本のみならず、世界中で栄養価の高い食材として注目されています。まず、にんにくには、抗菌・殺菌・解毒効果があります。独特の香りを持つにんにくは、アリシンという成分が豊富に含まれており、これが病原菌や悪玉菌を殺菌する作用を持っているのです。そのため、にんにくを積極的に食べることにより、風邪予防や免疫力をアップさせることができます。
そして、にんにくを食べると体内の血栓予防にもつながります。簡単にいうと、血液をサラサラにしてくれる効果があるのです。これは、にんにくに含まれる「チルアリルトリスルフィド」という成分が、血栓をつくりにくいサポートをしてくれるためです。このほかにも、豚肉などと一緒に食べるとビタミンB1の吸収がアップし、アンチエイジングや美肌効果にも期待ができます。
1-3.最強のパワーが合体!にんにく味噌の効能
このように、味噌とにんにくには高い栄養効果があります。しかし、にんいくみそとしてこれらを組み合わせることにより、さらに高い健康効果に期待ができるでしょう。
まず一番大きな効能は「抗酸化作用」です。にんにくには殺菌効果があり、臭いのもとになるアシリンは、とくに強力な抗酸化作用があります。そして、味噌の成分である大豆にも抗酸化作用があり、これらを同時に食べることにより、動脈硬化の防止や生活習慣病の改善にも期待できるでしょう。
そして「アンチエイジング効果」にも大きな期待ができます。抗酸化作用の強い2つの食材を食べることにより、老化の原因である細胞の劣化を防ぐ作用があるでしょう。また、味噌にはビタミンEも豊富に含まれているため、シワやくすみを防ぎ、ハリのある美肌へと導いてくれます。
2.にんにくみそを作ろう!
にんにくみそにはいろいろな作り方がありますが、まずは基本的な「味噌床」をつくる方法を紹介します。ただ、この分量では量が多いため、とあえずにんにくみそとはどのようなものか、手軽な分量で作ることのできるレシピも続けて紹介します。
2-1.基本的のにんにくみその作り方
材料
- にんにく 丸ごと1個
- 味噌 500g
- 酒 70ml
作り方
- 味噌をおおきめのボウルに入れ、酒を入れてよく混ぜ合わせる
- にんにくをばらし、それぞれを縦半分にカットする
- ホーローなどの大きめの保存容器に1を半分入れ、表面をならす
- 3の上にカットしたにんにくを並べ、残りの味噌を入れて表面を平らにならす
- ふたをして冷蔵庫に入れ、2週間ほど寝かせたら完成
味噌を酒で練り、にんにくを入れて寝かせるだけの簡単レシピです。できあがったにんにくみそは、パンチの効いた調味料となり、肉料理や魚料理など万能に使うことができるでしょう。ただ、シンプルな塩味がベースとなっているので、調理の際はみりんや砂糖を加えた方が美味しく仕上がります。
2-2.少量のにんにくみそを試したい人はこのレシピ
材料
- 味噌 お玉1と2分の1
- にんにく 4~5かけ分
- 砂糖 大さじ1
- みりん 大さじ1
作り方
- にんにくはみじん切り、皿にのせてラップをし、約1分。
- 小鍋にすべての材料と1を入れて、弱火でおよそ10分煮詰める
- 瓶などに入れて冷蔵庫で2日ほど休ませる 完成
非常にシンプルで簡単にできるにんにくみそのレシピです。この作り方は、みそ床ではなく、万能みそ調味料としてすぐに使えるのがメリットです。砂糖やみりんも加えてあるため、はじめから甘みのベースもできているのが特徴でしょう。肉を焼くときにつけダレとして利用すれば、即席のみそ焼きが完成します。また、砂糖は「てんさい糖」といった穀物由来のものを使ったほうが、仕上がりがまろやかになります。
2-3.にんにくみその保存方法
にんにくみそは、基本的に長期保存が可能な食材です。味噌がそもそも発酵食品であり、冷蔵庫にいれておけば半年以上持つことができるでしょう。また、にんにくも抗菌作用のある食材であり、保存をサポートしてくれる食材です。
そのため、基本的ににんにくみそは、冷蔵庫に保存するだけで半永久的に使うことができます。ぬか床のにんにくみそが足りなくなったら、再び2-1で紹介したにんにくみそを継ぎ足せばOKです。しかし、鉄製の入れ物では錆びてしまうため、かならず長期保存のできるホーロー容器などに入れましょう。
また、2-2で紹介した調理用のにんにくみその場合、保存期間は冷蔵庫でおよそ1カ月です。ただ、量が少ないので、1カ月も持たないことが多いでしょう。
3.にんにくみそを使ったアレンジレシピ
にんにくみそは、その作り方を覚えてしまえば、あとはどのような料理に使ってもOKです。肉、魚、野菜、どんな素材もメイン級に味付けを決めることができるでしょう。みそ床を使った調理の場合、甘みが足らないので、砂糖やみりんをプラスして作りましょう。ここからは、砂糖やみりんが含まれたにんにくみそをベースに、いくつかのアレンジレシピを紹介します。
3-1.肉料理 豚肉とキャベツのにんにく味噌炒め
材料
- 豚肉 200g
- キャベツ 4分の1ほど
- ピーマンや玉ねぎ お好みで
- にんにくみそ 大さじ2
- 酒大さじ2
- 塩コショウ 少々
作り方
- キャベツはざく切り、ピーマンや玉ねぎもざく切りにする
- 豚肉に塩コショウを振って下味をつける
- フライパンに油を引き、豚肉を炒める
- 豚肉に火が通ったら取り出し、野菜類をしんなりするまで炒める
- 豚肉を戻し、酒で溶いたにんにくみそを入れて全体がなじむまで炒める
ピリ辛がお好みの場合、鷹の爪や七味唐辛子を混ぜても良いでしょう。肉と野菜を炒め、その仕上げににんにくみそを投入するだけで、豪華な一品になります。
3-2.ジャージャー麺やラーメンにもピッタリ
- 豚ひき肉100g
- 白髪ねぎ 10㎝ほど
- キュウリ2分の1
- 玉ねぎ 4分の1
- 中華麺 2人分
- にんにくみそ 小さじ2
- 豆板醤 少々
- 水溶き片栗粉 少々
- ごま油、塩コショウ、少々
作り方
- フライパンに油をひき、みじん切りした玉ねぎ、ひき肉を炒める
- 1にすべての調味料、水溶き片栗粉を加える
- 麺を茹でて水けを切り、2をかけて、細切りしたキュウリと白髪ねぎをのせる
豆板醤の量を調節し、お好みで辛さを調節しましょう。ひき肉とにんにくみその相性はバツグンであり、この作り方を覚えたら、普通のラーメンやチャーハンにも応用できます。
3-3.焼きおにぎり
にんにくみそが完成したら、まず作ってほしいのが「焼きおにぎり」です。焼きおにぎりは、固めに握ったおにぎりに、両面にんにくみそをたっぷりつけ、フライパンやトースターで焼くだけで完成です。味噌床からできたシンプルなにんにくみそでも作ることは可能です。みりんや砂糖を加えなくても、みそとにんにくのパンチの効いた味を楽しむことができるでしょう。
まとめ
にんにくみそは、栄養素の高い食材を組み合わせた最強の調味料です。もともと2つともガン予防に作用することが知られており、積極的ににんにくみそを食べることにより、毎日の健康をサポートすることもできるでしょう。
また、一度作った味噌床は、ほぼ半永久的に使うことも可能です。しかも、ぬか床みたいに毎日かき混ぜるといった手間も掛かりません。味噌、にんにく、酒があればあっという間に作ることができます。また、出来上がったにんにくみそは多くの調理に活用することができるので、時短料理にも役立ちます。手軽な料理に、健康サポートに、ぜひにんにくみそを食卓に取り入れていきましょう。