エスニック料理を食べに行きたくても、近くにお店がないし、辛すぎる味付けも苦手…。それなら、やっぱり自分で作るしかないですよね。気軽にエスニック料理を作るのに絶対必要なのは「ナンプラー」です。でもこのナンプラー、使い切れずに冷蔵庫に残ってしまう調味料の代表でもあります。
しかし、ナンプラーは日本のしょうゆの代わりに使える気軽な調味料です。それならきっと、漬物にも使えるはずです!今日は余ってしまったナンプラーの使い方や、もやしを使ったナンプラーの絶品漬物などを紹介します。
1.ナンプラーってどんな調味料?
ナンプラーという言葉は聞いたことがあっても、それが一体どういう調味料なのか、分からない人もいるでしょう。ナンプラーとは次のような醤油をベースにした調味料をいいます。
ひとことで言うと、ナンプラーとは日本でもお馴染みの「魚醤」の一種なのです。 魚醤は東アジアを中心に世界中で古くから使われている調味料で、生の魚を塩で漬け込み発酵させてできる液体をさします。 魚の持つ旨味成分が凝縮されていて、料理に適度な塩辛さと深いコクを加えてくれます。
タイ料理専門店などにいくと、テーブルにナンプラーが添えられていることも多いでしょう。「よく分からない調味料は使わない」といった人でも、醤油ベースの調味料と聞けば、怖がらずに挑戦できるのではないでしょうか。
1-1.見た目は醤油やオイスターソースに似ている
ナンプラーの見た目は、やはり醤油に似ています。また、醤油よりもとろみがあるため、オイスターソースにも似ています。
ちなみに日本でもナンプラーに似た調味料は存在します。それは秋田県では有名な調味料である「しょっつる」です。しょっつるはハタハタを中心とした魚を熟成させて作る魚醤です。そのためしょっつるを漢字で書くと「塩魚汁」となります。ナンプラーと同じく魚のうま味を凝縮させた調味料であり、独特の風味がクセになります。家にナンプラーがなくても、このしょっつるがあれば、十分ナンプラー代わりになるでしょう。
参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%A4%E3%82%8B
1-2.しょっぱい魚介類の味がベース
ナンプラーを一度も試したみたことがない人は、その味がどのようなものか想像もつかないでしょう。果たしてナンプラーは辛いのか?酸っぱいのか?
正解は「魚介の風味がするしょっぱい味」というのが一番近いです。ナンプラーには発酵した魚の風味やうま味が凝縮されています。そのため香りや風味が独特で、ビンの蓋をあけたとたん尻込みしてしまう人が多いのです。
しかし、実際に利用してみるとそれほど強いクセはありません。アンチョビやイカの塩辛が好きな人なら、きっとナンプラーの美味しさも分かるはずです。
2.ナンプラーの一般的な使い方
ナンプラーが使われる料理としては、次のようなものが代表的です。
国 |
料理名 |
タイ |
タイ風焼きそば(パッタイ)、ソムタム |
インドネシア |
ミーゴレン |
ベトナム |
フォー |
アジア全体 |
トムヤムクン |
こうしてみると、一度は口にしたことのあるエスニック料理が多いのではないでしょうか。ナンプラーを使ったことはなくても、実はナンプラーを使った料理は食べたことがあるでしょう。
ただ、これらのエスニック料理はなかなか家では作らないかもしれません。また、一度トムヤムクンを作ったものの、それ以来ナンプラーは使わない、というケースも多いです。ここからは、日常的に使えるナンプラーのレシピを紹介します。
2-1.超簡単!もやしのナンプラー炒め
ナンプラーが家に余っていたり、どう料理して良いかわからなかったりする場合は、まずはもやしで炒めることがおススメです。もやしとナンプラーは相性が良く、ただ炒めるだけで美味しく食べることができます。
材料(2人分)
- もやし 1袋
- にんにく 1かけ
- ナンプラー 大さじ1
- 油 大さじ1
作り方
- もやしは水でサッと洗いザルに上げる
- にんにくは粗みじん切りにする
- フライパンに油とニンニクを入れて火にかけ、香りが出るまで炒める
- 3にもやしを入れて炒め、最後にナンプラーを入れて味付けて完了
もやしをナンプラーで味付けし、にんにくの香りが食欲をそそる一品です。豚ひき肉を加えたり、その他の野菜を加えたりすることで、豪華な一品になるでしょう。
3.ナンプラーで漬物を作ろう
ナンプラーは炒め物を中心に使われることが多いですが、魚介風味の醤油ベース調味料ということもあり、漬物のベースとして使うことも可能です。エスニック料理はやや苦手という場合、ナンプラーを使ってぜひ漬物を作ってみましょう。
3-1.もやしとナンプラーの漬物
材料 4人分
- もやし 2袋
- 水 2カップ
- お酢 大さじ1
- 合わせ調味料(ナンプラー小さじ4、レモン汁小さじ4、砂糖大さじ1、鶏ガラスープの素小さじ1、一味唐辛子少々)
作り方
- もやしを洗いザルに上げる
- 合わせ調味料を混ぜておく
- フライパンにもやし、水、お酢を入れて蓋をして強火にかける
- もやし全体に火が通ったらザルにあげ、合わせ調味料としっかり混ぜ合わせる
- 冷蔵庫で粗熱がとれるまで寝かせて完成
もやしは加熱をしないと食べることができないので、言い方としては漬物ではないかもしれません。しかしたくさんのもやしを一気に調理することができ、保存食としても役立ちます。調味料やもやしの量を倍増すれば、お弁当や食事の箸休めになるたくさんの保存食ができるでしょう。
3-2.きゅうりナンプラーの浅漬け
材料 2人分
- キュウリ 2本
- 塩こんぶ少々
- ナンプラー大さじ1
- レモン汁 大さじ2
- 塩 少々
- 輪切り唐辛子 適量
作り方
- きゅうりは食べやすい大きさに乱切りする
- 各調味料をぜんぶ混ぜ合わせておく
- 保存用ビニール袋に1と2を入れよくもみ込む
- 冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成
早めに味付けをしたい場合は、ビニールのうえから軽くめん棒で叩いても良いです。ナンプラーの風味とキュウリがマッチし、手軽な1品になります。
3-3.野菜は何でもOK!ナンプラーの漬物
材料 4人分
- ナンプラー 大さじ2
- レモン汁 大さじ3
- 砂糖 大さじ1
- (好みの野菜 以下一例)
- 大根3センチほど
- キュウリ 1本
- にんじん 3cm
作り方
- ビニール袋にナンプラー、レモン汁、砂糖、赤唐辛子の輪切りを入れてよく混ぜ合わせておく
- 野菜は食べやすい大きさにカットし、1のビニールに入れる
- 上からよくもみ込み、空気を入れて振るのもおすすめ
- ビニールの空気を抜いて冷蔵庫で1日ほど寝かせて完成
野菜は好みのものを入れましょう。ナンプラーは割と塩分が多いため、漬物にする際にも他に塩を入れる必要はありません。
レモン汁を入れるとスッキリとした浅漬けになります。余ったナンプラーと野菜がある際は、ぜひ浅漬けに活用してみてください。
4.知っておくと便利 ナンプラーのマメ知識
最後にナンプラーに関するちょっとした豆知識を紹介します。ナンプラーの栄養や保存方法、そしてナンプラーがない時は何で代用すれば良いかなと、知っておくと何かと便利です。
4-1.かけすぎには注意、ナンプラーの栄養
ナンプラーは魚を熟成させて作ったものであり、一般的な醤油よりもマグネシウムやクロムなど、ミネラル分が豊富に含まれています。また魚を発酵させて作る過程から、ビタミン B 群をはじめとしたビタミンが多く含まれているのも特徴です。
ただナンプラーは調味料の中でもかなり塩辛いため、たくさんのナトリウムも含まれています。ナトリウムは適量であれば問題ありませんが、あまりナンプラーをかけてしまうと塩分過多になるので注意しましょう。
4-2.ナンプラーはどのくらい日持ちする?
ナンプラーの保存期間は、開封後冷蔵庫でおよそ1ヶ月です。あまり日持ちはしません。ナンプラーの原料は魚が使用されているため、開封後にはその風味がどんどん失われてしまいます。1か月を経過したからといってすぐに腐るといったわけではないのですが、独特うま味と風味は落ちてしまいます。美味しいうちにナンプラーを使いたい場合は、やはり1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
4-3.ナンプラーがないときは何で代用する?
ナンプラーを使ってみたいけれど、正直購入したあとに使いこなせるかどうかわからない。そのような人は多いと思います。今日紹介したように、ナンプラーは漬物として使うことができるので是非購入して欲しいのですが、それでもまずは代用品で試したい場合は「醤油+レモン汁」で代用してみましょう。
ナンプラー代用レシピ 醤油大さじ1+レモン汁大さじ2分の1 |
魚介類の風味は感じられないものの、レモン汁と醤油がまざることで酸味あるしょっぱさとなり、ナンプラーの代用品としても使えます。もちろん、しょっつるはナンプラーに一番近い調味料なので、しょっつるがある場合はナンプラーの代わりに使っていきましょう。
参照 https://cookpad.com/cooking_basics/11454
4.まとめ
エスニック料理はめったに作らない、そのためナンプラーもなかなか買うことはないという人も多いでしょう。しかし、ナンプラーはちょっとした炒め物や、漬物にも使えます。野菜はもちろん、多くの肉料理にも活用できるので、1本あればいろいろな料理にも便利です。今日をきっかけに、ぜひ家庭でもナンプラーを利用してみてください。
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