冬はおでんや煮物の具として食卓に上るこんにゃくですが、夏場はめっきり登場回数が少なくなります。暑い夏場はキッチンで煮込み料理を作ることを避けたいからなのか、夏バテをしないようにスタミナを重視したメニューになるからなのか…。
ご存知の通り、こんにゃくは栄養は少なくても食物繊維は豊富なダイエットにもってこいの食品です。なんだかんだで疲れた夏の胃や、とりすぎたカロリーをこんにゃく料理で調整しましょう。ここでご紹介するのは、暑い夏でも作りやすい火をつかわないで作ることができるレシピです。
1.こんにゃくは火を通さなくて良い?
結論から言うと、こんにゃくは生でも食べることができます。しかし生臭いことが多く、そのままで食べるのはおいしくありません。そのため売られているこんにゃくは生食ではなく、加熱調理をすすめています。 今回は生で調理できるレシピを紹介していきますが、その際に使うこんにゃくは「アク抜き不要」という商品を選んでください。
ちなみにこんにゃくをそのまま生で食べたい場合は、刺身こんにゃくがおすすめです。刺身こんにゃくの場合は一般的なこんにゃくよりも水分量が多く、生臭さくないという特徴があります。
1-1.食物繊維たっぷりでローカロリー
こんにゃくはダイエットに効果的であることで有名です。こんにゃく100 g におけるカロリーはたったの7キロカロリー。これはごはん100gにおけるカロリーが約168キロカロリーですから、非常にヘルシーであることが分かります。
また、グルコマンナンという食物繊維をたくさん含んでおり、食べることで腸内環境を改善してくれます。昔のこんにゃくは「おなかの砂おろし」や「胃のほうき」などといわれており、食べることで便通を改善する効果がありました。いまでも便秘に悩む人の強い味方であり、食べることでデトックス効果があります。
1-2.実はカルシウム豊富、骨粗しょう症予防にも
ダイエット目的で食べることも多いこんにゃくですが、実はカルシウムが豊富な食材でもあります。特にしらたきにはカルシウムが豊富に含まれており、日頃から食べることで骨粗しょう症予防にも役立つでしょう。
またこんにゃくのカルシウムは酸に溶けやすく、胃腸からしっかりと吸収できるという特徴もあります。カルシウムといえば牛乳や小魚から取ることが有名ですが、これらの食材が苦手という人も多いです。是非日頃からこんにゃくを意識して食べるようにし、カルシウムを積極的にとるようにしましょう。
1-3.下茹でが不要なら夏でも調理しやすい
こんにゃくは下茹でが必要といわれています。その理由は、原材料であるこんにゃく芋に、エグミや臭み成分があるからです。下茹でをしないで調理をしても問題はありませんが、やはり下茹でをしたほうが味は良くなり、こんにゃくの触感もプルンとします。
ただ、最近スーパーに売られているこんにゃくの多くは「下茹で不要」となっています。これはこんにゃくが作られる工程でアクや臭みが取り除かれているためです。このような下茹で不要のこんにゃくを使えば、火を通さないレシピにも活用でき、暑い夏でもこんにゃく調理がしやすくなるでしょう。
2.夏にピッタリ 火を使わないこんにゃく常備菜レシピ
ここからは火を使わなくても作ることができるこんにゃくのレシピを紹介します。今回のレシピの特徴は、下ゆでをしないものの、砂糖でこんにゃくを漬け込むことにより、余分な水分を飛ばしています。加熱調理はしたくない夏にピッタリのレシピです。
2-1.こんにゃくの醤油漬け
材料
- こんにゃく1枚 約250 g
- 合わせ調味料 醤油大さじ2、だし汁大さじ2、赤唐辛子一本
作り方
- こんにゃくを一口大にちぎって、分量外の砂糖大さじ1を振る
- しっかりと揉み込んで3分ほど置き水で洗って水気を切る
- 合わせ調味料をまぜておく
- 保存袋などに2のこんにゃくと合わせ調味料を入れて、軽くもみ込む
- 空気を抜いて口を閉じ冷蔵庫で2時間以上置いて完成
食べる時にはお好みで白いりごまなどを振ると良いでしょう。今回は火を使わないレシピで紹介しましたがごま油で炒めて作る方法も美味しいです。保存期間は冷蔵庫で約3日間です。
2-2.こんにゃくのみそ漬け
材料
- こんにゃく一枚 約250 g
- 合わせ調味料 味噌150 g、 砂糖大さじ2、みりん大さじ1、お好みで柚子の皮適量
作り方
- こんにゃくは厚さ2 cm に切って砂糖大さじ1(分量外)を振っておく
- しっかりともんで3分おき水気を切っておく
- みりんを電子レンジで30秒ほど加熱し合わせ調味料を混ぜ合わせる
- 保存容器に合わせ調味料の半分のみそを広げ、こんにゃくを並べる
- その上から、残りの合わせ調味料をのせる
- 冷蔵庫で2時間以上寝かせ、食べる時に味噌を落とす
みそ床を使ったこんにゃくのみそ漬けです。残った味噌床は約2回使用することができます。使い終わった味噌床は味噌汁や炒め物に使えるので、ぜひ活用しましょう。
3.常備菜をたくさん作りたいときのレシピ
こんにゃくは作り置き素材としても大活躍です。コストパフォーマンスに優れ、さまざまな具材にもマッチするこんにゃくを使い、ぜひたくさんの常備菜を作りましょう。
3-1.炒りこんにゃく
- こんにゃく一枚 約250 g
- ごま油 大さじ1
- 合わせ調味料 醤油大さじ1.5、みりん大さじ1、輪切り唐辛子少々
作り方
- こんにゃくは手やスプーンなどで食べやすい大きさにちぎる
- お湯を沸かした鍋で3分ほど茹でて下茹でをしておく
- フライパンに下ゆでしたこんにゃくを入れ中火で軽く炒める
- フライパンにごま油を回し入れ、全体に油が回ったら合わせ調味料を入れて煮汁が少なくなるまで炒めて完成
こんにゃくだけを使った非常にシンプルな炒りこんにゃくです。たくさんのこんにゃくが手に入ったら、ぜひ常備菜としてストックしておきましょう。お弁当にも使うことができ、箸休めにも便利です。
3-2.ごぼうとこんにゃくの炒り煮
材料 4人分
- ごぼう大きめ 一本
- こんにゃく一枚
- 塩小さじ1
- 合わせ調味料 だし汁100ml、醤油大さじ3、みりん大さじ2、ごま油大さじ1、輪切り唐辛子少々
作り方
- ごぼうは皮をよく洗い、食べやすい大きさに斜めにカットする
- 合わせ調味料の材料をよく混ぜ合わせておく
- こんにゃくは食べやすい大きさにちぎり、下茹でしてアクを抜く
- フライパンに3のこんにゃくを入れて軽く炒め、ごぼうを加える
- 合わせ調味料を加えて、中火で5~6分煮る
- いったん蓋をとって底から混ぜ合わせ、煮汁がなくなるまで弱火で煮て完成
今回の材料はこんにゃくとごぼうですが、このほかにも人参やインゲン、シイタケなどを加えてカラフルに仕上げることもできます。
4.ちょっと面白いこんにゃくレシピ
最後に変わった使い方を紹介します 。一般的にこんにゃくのレシピというのは、炒めたり煮たりすることが多いです。しかしこんにゃくを冷凍することにより食感が変わり、肉を食べてるような面白いレシピになります。
4-1.こんにゃくの冷凍漬け
作り方
- 下茹でしたこんにゃくを食べやすい大きさにちぎる
- フライパンで軽く炒め水分を飛ばす
- 粗熱がとれたこんにゃくをラップに並べかるく包む
- フリーザーバッグにいれて冷凍する
- 煮物には凍ったこんにゃくをそのまま使う
こんにゃくは冷凍保存ができないといいますが、逆に冷凍をすることによって歯ごたえが変わり、肉のような触感がたのしめます。肉を食べないダイエットをしている人にはピッタリのレシピといえるでしょう。これまでにない、面白い弾力が楽しめるのでぜひ試してみてください。
4-2.ひたすらフライパンで焼く こんにゃくチリチリ
材料
- こんにゃく2枚
- コンソメ 小さじ1と2分の1
- カレー粉 少々
- 塩 小さじ4分の1
- 油 小さじ1
作り方
- こんにゃくはできるだけ薄くカットする
- カットしたこんにゃくをフライパンに入れ、キッチンペーパーで水けを切る
- 油と塩を入れ混ぜ合わせ、中火にかける
- そのまま30分ほど焼き続けて放置、ときどきまぜ合わせる
- こんにゃくが縮んできたら、コンソメとカレー粉を手早くかけて混ぜ合わせる
- 最後にもう一度中火で水分を飛ばして完成
30分ほど焼き続けることでこんにゃくの水分が飛び、2枚あったこんにゃくが驚くほど小さくなります。おかずにもおつまみにも活躍できるレシピなので、あと1品ほしいときにとっても便利です。
5.まとめ
こんにゃくは基本的に下茹でをしたほうが美味しく食べられますが、下茹で不要と書かれた商品なら、そのまま調理することも可能です。今回紹介した醤油漬けとみそ漬けの常備菜なら、火を使うことなく作ることもできるので、暑い時期にもピッタリです。
コスパに優れ、栄養面も豊富なこんにゃくは、日々の常備菜として大活躍します。ぜひ今日紹介したレシピを参考に、いろいろなこんにゃく料理に挑戦してみてください。
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