ごはんを炊くときは、足りないよりは少し多めに、と思って毎回余らせることはないでしょうか。残りご飯は翌日のおやつにしたり、炒飯にしたり、使い道はいろいろとあります。
しかし、年齢を重ねてくると、おやつや油で炒めた物よりもあっさりした胃にやさしいものを食べたくなります。おかゆは風邪をひいたりお腹をこわした時だけに食べたりするものではありません。日々の体調を整える食べ物として、おかゆを毎日の食事に取り入れてみましょう。今回は、余ったごはんで作る簡単なおかゆのレシピについて紹介します。
1.米からおかゆを炊くのは面倒
おかゆは、正確にいうと生米から炊いたものをいいます。余ったごはんや冷凍ごはんを使ったおかゆのことは、実はおじやというのです。しかし、生米から炊いたおかゆは美味しさがあるものの、作るのに大変時間が掛かることが多いでしょう。
1-1.基本的なおかゆの作り方
生米から炊いたお米は、お米本来の甘みが楽しめて、お米の芯から柔らかくなるといったメリットがあります。まずは、基本のおかゆのレシピです。
【材料】1人分
- 米 0.5カップ
- 水 2.5カップ
- 塩 ひとつまみ
作り方
- 米をよく洗い、土鍋に米と水を入れる
- 火をつけて中強火で沸騰させる
- 沸騰後は弱火にして、蓋を少しずらした状態でおよそ30分煮る
- 最後に塩を入れて軽くかき混ぜ、ふたをして10分ほど蒸らしてて完成
おかゆの固さは、お好みによって調整しましょう。上記のレシピでは全粥になりますが、3分がゆなら水は水7.5カップ、5分がゆなら水5カップ、やや硬めの7分がゆなら水3.5カップとなります。米から作るおかゆは土鍋を使うと美味しくできますが、ない場合は底が厚めの鍋を使いましょう。
1-2.美味しさは米から炊くおかゆだが…
お米からおかゆを炊くメリットとしては
- お米本来の味わいが楽しめる
- 甘みが増して美味しい
ということがあります。しかし、米からおかゆを炊くのは米を研ぐところから始まり、とても時間が掛かるというデメリットがあります。そうなると、おかゆが食べたいときにすぐに食べることはできないでしょう。特に、おかゆが欲しいときは病気などで体力がなくなっているときが多く、お米からおかゆを炊くのは難しいのです。すぐにおかゆが食べたいときは、残ったごはんで挑戦するのがおすすめです。
2.残りごはんでおかゆを作ろう
おかゆは弱った胃腸にやさしく、食欲がないときにも簡単にできてすぐに食べられるメリットがあります。残ったご飯や冷凍ごはんを使い、さっそく美味しいおかゆを作っていきましょう。
2-1.ごはんでつくるおかゆの基本レシピ
【材料】1~2人分
- ごはん 茶碗1杯分
- 水 2カップ
- 塩 ひとつまみ
作り方
- 土鍋にごはんと水を入れ、やさしくほぐす
- 1を蓋をせずに火にかけ、沸騰しそうになったら弱火、蓋をずらしておいて15分ほど煮込む
- 火を止めて塩を入れて混ぜ、蓋をして10分ほど蒸らして完成
ごはんから作るおかゆも、基本的に土鍋を使ってコトコト煮込むことにより美味しいおかゆになります。しかし、時間がない、土鍋がないといった場合は、家にある鍋で代用することも可能です。蓋をずらして煮込むのが難しい場合は、蓋の間に割りばしを挟むことにより吹きこぼれを防ぐことができるでしょう。
2-2.おかゆの定番 卵がゆ
白いおかゆよりも、もう少し栄養を取りたいときにおすすめなのが「卵がゆ」です。卵は、弱った身体をサポートするアミノ酸が豊富に含まれています。おかゆに混ぜることにより口当たりも良くなり、栄養も豊富なおかゆになるでしょう。
材料1~2人分
- ごはん 茶碗1杯分
- 水 400㏄
- 卵 1個
- 合わせ調味料 料理酒小さじ1 塩少々 鶏ガラスープの素小さじ2
作り方
- 鍋にごはんと水を入れ、弱火~中火で煮たせる
- 合わせ調味料を混ぜ、1に入れてかき混ぜる
- 卵を溶き、2にまわしいれる
- 軽くかき混ぜ、蓋をして5分ほど蒸らしてて完成 好みで塩をかける
塩だけでなく、鶏がらスープの素を入れて味を整えたおかゆです。卵との相性はバツグンなので、食欲がないときも美味しく食べることができます。鶏がらスープの素だけでなく、昆布などの和風だしを入れてもOKです。
2-3.栄養満点 野菜入りおかゆ
材料
- ごはん200gほど
- 冷蔵庫に余っている野菜 (大根、にんじん、長ネギ各4センチほど、シイタケや三つ葉など適量)
- 合わせ調味料 和風顆粒だし大さじ2分の1 醤油小さじ2
- 卵1個
作り方
- 大根やニンジンなどは細切り、シイタケやネギも食べやすい大きさに切る
- 鍋に水、1の野菜を入れて火にかける
- 煮立ったらご飯を加え、合わせ調味料を投入して軽く混ぜる
- 卵を溶きほぐし、3にまわしいれる
- 火を止めて蓋をして5分ほど蒸らし完成
冷蔵庫にある余った野菜でできるおかゆです。野菜おじやとも言い、冷蔵庫の中を整理したいときにもおすすめのレシピです。
2-4.胃腸にやさしい 梅がゆ
おかゆを代表するものに「梅がゆ」があります。梅はクエン酸が豊富であり、胃腸が弱っているときにも美味しく食べることができます。また、酸っぱさは唾液を分泌させる効果もあるため、消化を良くしてくれる効果に期待できるのです。
材料 2人分
- ごはん 茶碗1.5杯分ほど
- 水2カップ
- はちみつ梅干し3個
- 和風だし 小さじ2分の1
- 塩 適量
作り方
- 鍋に水を入れてご飯を投入、軽くほぐす
- 1を弱火~中火で煮たせる
- 顆粒だしと塩少々を入れる
- 全体をかき混ぜながら、ごはんがふっくらするまで煮たせる
- 梅干しをちぎってまわしいれる
- 蓋をして5分ほど蒸らして完成
参照https://yoshiya-hasegawa.com/blog/food/how-to-make-a-porridge-recommended-by-a-doctor/#i-17
3.ごはんからおかゆを作るときのポイント
生米からおかゆを作るのではなく、すでにある余ったごはんや冷凍ごはんを使うことにより、簡単におかゆを作ることができます。ここからは、ごはんからおかゆを作る際のポイントについて見ていきましょう。
3-1.冷凍ごはんを使うときの一工夫
冷凍ごはんを使う際は、まず解凍をしてから使うようにしましょう。そして、解凍してから大切なポイントがあります。それは、解凍したご飯をザルにあげて冷水で洗うことです。
冷凍ごはんを解凍する場合、電子レンジで行うのが一般的です。しかし、レンジでの解凍はヌメリやごはんのダマが発生しやすく、おかゆにしたときに固い部分とそうでない部分に分かれてしまうのです。
ザルに上げて冷水にさらすことにより、ごはんの熱さを均等にして、ダマをばらすことができます。これによりお米が均等に分離するので、生米から作ったような美味しいおかゆになるのです。
参照 https://nanapi.jp/ja/120928
3-2.あまりかき混ぜない
おかゆを作るときは、茹でているときにあまりかき混ぜないのが大切です。これは、生米から作る際も、あまったごはんから作る場合も同じです。途中でかき混ぜすぎてしまうと、水分を含んだお米がつぶれてバラバラになります。これにより、お米から余分な粘りがでてしまい、口当たりが悪くなるのです。おかゆを作る際は、底からの焦げ付きを予防するよう、1~2回だけかき混ぜるようにします。
3-3.介護食や離乳食にも
おかゆの良いところは、疲れているときのサポート食になるだけでなく、介護食や離乳食にもなる、という点です。例えば、離乳食を食べている赤ちゃんがいるのなら、野菜入りのおかゆを作ることにより家族みんなで楽しむことができます。
また、介護職はお年寄りが噛みやすいような食事のサポートが必要です。おかゆなら、その人に合った固さを調節でき、カルシウムが足りないなら鮭フレークを入れるといった栄養のバランスも整えることができます。
まとめ
おかゆというと、体調が悪いとき、赤ちゃんやお年寄りが食べるもの、といったイメージがあるかもしれません。しかし、おかゆは冷蔵庫に余っているごはんと、野菜をはじめとした多くの食材で楽しむことができます。ごはん、水、余った野菜とダシを鍋に入れてコトコト煮れば、栄養満点のおかゆの完成です。つまり、おかゆは究極の時短料理ともいえるでしょう。
今日はごはんを作りたくない、冷凍ごはんがたくさん余っている、というときは、ぜひあまり物でおかゆを作ってみましょう。好みの材料を入れてアレンジし、自分のお気に入りのおかゆに挑戦してみてください。
コメント