なべ物には欠かせないし、薬味としてもはずせないネギ。ネギは寒くなればなるほど、甘みが増しておいしくなる野菜です。ネギはいろいろな料理に使うことができますが、1本を贅沢にカットして、そのまましょうゆ漬けにするのもおススメです。
ネギのしょうゆ漬けは、常にたくさん作っておきたいほどの万能調味料と言えるでしょう。今日はネギの栄養や、シンプルに作れるネギの醤油漬けを紹介します。
1.ネギには豊富な栄養が詰まっている
普段何気なく食べているネギですが、そこにはたくさんの栄養が凝縮されています。特に昔から風邪にはネギが効くと言ったことは有名です。果たしてネギには本当にそのような栄養が含まれているのでしょうか、詳しくみていきましょう。
1-1.風邪に効くというのは本当?
ネギが風邪に効くというのは本当です。まず売られている一般的なネギには、青い歯の部分にぬるぬるとした粘液がついています。あの粘液にはβカロテンが豊富に含まれており、免疫力を活性化する働きがあることで有名です。風邪などで弱ってる時、おかゆの中にネギを入れるのも理にかなっていますね。
そしてネギの白い部分には硫化アリルと呼ばれる、ネギの辛味や独特の香りのもとになる成分が含まれています。この硫化アリルは末端神経の血行を良くし、手足や指先などの冷えを解消してくれます。体調不良のときにネギを食べることで身体の血行が良くなり、風邪の症状を和らげてくれるのです。
1-2.高血圧予防になる
そしてネギは高血圧を予防することでも有名です。ネギには血圧の上昇を防ぐカリウムが多く含まれています。ネギをたくさん食べることにより体内に蓄積された塩分のナトリウムが排出されるため、高血圧の予防につながるのです。
また先ほど紹介したネギの辛味や香りの元である硫化アリルも、高血圧予防に効果的です。硫化アリルを体内に取り入れると、血栓を予防して血液をサラサラにしてくれる効果があります。
日本食の唯一の欠点は、塩分が高いことと言われています。日常的にネギを食卓に取り入れることにより、塩分の摂り過ぎを防ぎ、高血圧予防にもなるでしょう。
1-3.美容効果も高い
そしてネギには豊富なビタミン C が含まれています。ネギは特に青い葉の部分にビタミン C が多く含まれており、美容効果を高めたい方は積極的にネギの青い部分を食べると良いでしょう。
ネギに含まれているビタミン C は美肌効果が高いです。肌のコラーゲン合成をサポートし、シミやシワを防いで肌の角質層のターンオーバーに働きかけます。昔の人は怪我をした際、長ネギを切ってケガの患部につけていました。これは長ネギに含まれるビタミン C が、傷ややけどを早く治す作用があるためです。
2.ねぎは生で食べるのがおススメ!
このように栄養効果の高いネギですが、生で食べた方がその栄養はしっかりと取ることができます 。ネギは炒めたり味噌汁に入れたりして食べることが多いでしょう 。しかしネギに熱を加えると硫化アリルが減少し、野菜本来が持つ酵素もなくなってしまいます。
また、水にさらすことで辛味を取ることはできますが、長時間水にさらすと栄養素は流れ出てしまうのです。
しかしネギを生で食べられるレシピは多くありません。そこでおすすめなのが、生のネギをそのまま使う、ネギの醤油漬けです。
2-1.基本のねぎの醤油漬け
ネギの醤油漬けと聞くと、美味しそうだけれど手間が掛かりそう…と感じる人もいるかもしれません。しかし、基本のネギの醤油漬けなら、材料はなんとネギと醤油のみ!とてもシンプルに作ることができるうえ、多くの料理に活用できるのです。
材料
- 長ネギ一本
- 醤油50ml
作り方
- 長ネギをみじん切りにして、ボールに入れて醤油を注ぐ
- よく混ぜ合わせた後、容器に入れて蓋をして冷蔵庫に入れておく
- 冷蔵庫で1時間以上寝かせて完成
冷蔵庫で一週間ほど保管することができます。ネギ1本と醤油ならどの家庭にもあるのではないでしょうか。手持ちの材料であっという間にできるので、まずはこちらの基本の醤油漬けがおススメです。
2-2.きび砂糖入りで食べやすく
ネギの醤油漬けはいろいろな作り方がありますが、こちらはきび砂糖を入れて辛みをマイルドにしたものです。お子様がいる家庭は、このレシピのほうが食べやすいかもしれません。
材料
- ネギ 白い部分1本分
- ショウガ 約3かけ
- きび砂糖 大さじ2
- 黒酢 大さじ2
- 醤油 大さじ2
作り方
- ネギとしょうがはみじん切りにしておく
- 煮沸消毒したビンに1を入れ、きび砂糖、黒酢、醤油を加える
- 蓋をしてよくふる
- 冷蔵庫で1時間以上おいて完成
ショウガを多めに入れてある分、殺菌効果があるため、冷蔵庫で3週間ほど日持ちします。ただ、辛みが苦手な人はショウガの量を減らし、早めに食べるようにしましょう。
2-3.にんにくチューブで風味をアップ
ネギの醤油漬けはにんにくを入れて風味をアップさせるレシピも多いです。今回はチューブにんにくを使い、手軽に作りましょう。
材料
- 長ネギ 1.5本
- チューブニンニク 2cmほど
- チューブショウガ 2cmほど
- 鷹の爪 2本
- 醤油50ml
- ごま油 小さじ2
作り方
- 長ネギをみじん切りにしておく
- 大きめの瓶を用意しカットしたネギを入れる
- 鷹の爪を輪切りにし、にんにくとショウガ、ごま油を2に加える
- よく混ぜ合わせ、冷蔵庫で1時間以上寝かせて完成
辛いのが苦手な方は鷹の爪の量を調節しましょう。醤油の量も、しっかりと材料がつからない場合は分量を調節してください。こちらのレシピではピリ辛の大人に向けたネギの醤油漬けになります。
2-4.作ったねぎの醤油漬けはこうして使おう
ネギの醤油漬けはまさに万能調味料です。主な使い方としては、次のようなものがあります。
- ごはんにかけて食べる
- 冷奴にかける
- 野菜炒めの調味料として
- ゆでた肉のタレに
- 魚料理の仕上げに
- サラダのドレッシングとして
このほかにも鍋料理や焼肉の薬味としても大活躍です。たくさん作っておけば料理に大活躍するので、ぜひ家に常備しておくのがおすすめです。
2-5.胃腸が弱っているときは食べ過ぎに注意を
万能調味料であるネギの醤油漬けですが、基本的に火を通していないので生で食べることができます。生のネギは栄養をそのまま取り込めるメリットがありますが、体が弱ってる時にたくさん食べるのは要注意です。
まずネギの代表的な栄養である硫化アリルはとても刺激が強い成分です。胃腸が弱ってる時に食べると、その刺激が腸内を荒し、腹痛が起きることもあります。
体が弱ってる時には効果的といわれるネギですが、その際は加熱したネギを食べるようにしましょう。ネギの醤油漬けを始め、調子が悪いときに生のネギを食べることはおすすめできません。
3.青ネギと白ネギ、どう違うの?
今回はスーパーで売られている白ネギを中心に紹介しましたが、青ネギと呼ばれる、いわゆる「わけぎ」とよばれるネギでも、ネギの醤油漬けはつくることができます。
ただ、白ネギと青ネギの違いとは、一体何なのでしょうか。最後に、白ネギと青ネギの違いを分かりやすく紹介します。
3-1.白ネギと青ネギの違い
両者の違いは、育て方や含まれる栄養にあります。
白ネギ |
青ネギ |
|
特徴 |
日光に当たらないように育てられる。甘みがあるので煮込み料理などに向いている |
土を盛らずに育て、日に当てることで全体が青くなる。一年を通して食べられ、薬味に向いている |
含まれる栄養 |
ネギの代表的な栄養のアリシンが豊富 ビタミンC、β-カロテン、カルシウム |
アリシンは少ない ビタミンC、β-カロテン、カルシウムは青ネギのほうが豊富 |
種類 |
加賀ネギ、千住ネギ、下仁田ネギ、曲がりネギなど |
万能ネギや やっこネギ、ワケギなど |
どちらのネギも、ビタミン C やベータカロテンなどは含まれていますが、ネギ特有の栄養である硫化アリル(アリシン)は白ネギのほうが豊富です。弱った体をサポートしたい、免疫力をアップさせたいときは、白ネギのほうを選ぶと良いでしょう。
4.まとめ
ネギは一年を通して市場に流通しているため、ネギの醤油漬けもいつでも作ることができます。それでも鍋料理や、あたためた湯豆腐にかけるとさらに絶品なので、特に冬には常備していおきたいメニューです。
基本的なネギの醤油漬けなら、ネギと醤油があれば簡単に作ることができます。冷蔵庫に眠っているネギがあるのなら、ぜひ醤油漬けを用意し、多くの料理に活用していきましょう。
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