昔から日本人がごはんのお供として食べている「漬物」。最近この漬物に注目が集まっています。その理由は活きて腸まで届く「植物性乳酸菌」が含まれているからです。
手作りした漬物のほうが美味しく、乳酸菌をたくさん取れるといったメリットもあるようですが、スーパーや通販で購入する漬物にも、種類によっては植物性乳酸菌が含まれています。
この記事を読めば、植物性乳酸菌がどんなもので、どんな漬物に含まれているのかが解ります。発酵食品の手作りは自信がない、どんな漬物を選んだらよいのか判らないという人も、ぜひご一読ください。
1.漬物に含まれる植物性乳酸菌のすごい効果
漬物は野菜からできているので、食べるだけでもビタミン、カリウム、食物繊維などの栄養素を取ることができます。しかし発酵された漬物には乳酸菌が含まれており、さらなるメリットがあります。
1-1.漬物に含まれる乳酸菌の健康効果
乳酸菌と聞くと、ヤクルトやヨーグルトを想像する方も多いのではないでしょうか。
実は乳酸菌には「植物性」と「動物性」の二種類あり、ヨーグルトなどの乳製品に含まれているのは動物性の乳酸菌です。
しかしもう一方の「植物性乳酸菌」はもともと野菜に含まれているものであり、野菜を塩やぬかで発酵させることにより野菜に含まれるオリゴ糖が分解され、植物性乳酸菌がさらに増えていきます。
またこの植物性乳酸菌は「強いため死滅しない」のも特徴です。つまり漬物を食べることにより、植物性乳酸菌が活きた状態で腸内に入り、様々な健康効果に期待ができるのです。
体内に入った植物性乳酸菌は乳酸などの有機酸をつくりだし、悪玉菌をやっつけてくれます。それにより便秘を改善し、免疫力の向上、肌荒れの改善、ダイエット効果を高めてくれます。
1-2.動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の違い
先ほども述べた通り、動物性乳酸菌はヨーグルトなどの乳製品に多く含まれ、植物性乳酸菌は野菜を発酵した漬物に多く含まれます。
動物性でも植物性でも、乳酸菌として体に良いのは間違いないのですが、動物性の乳酸菌の場合、体内に摂取した時点でほとんどの乳酸菌が胃酸で死んでしまいます。それは死菌体と呼ばれ、もともと腸にいる善玉菌の栄養源になるため、やはり摂取したほうが健康的効果が高まります。
しかし植物性乳酸菌の場合、活きた状態で腸内に入るので、体内にある善玉菌をさらに増やし、直接悪玉菌を退治してくれます。どうせ乳酸菌を摂取するなら、活きて腸まで届く「植物性乳酸菌」の方が腸内環境を改善してくれて、健康効果に期待ができるのです。
1-3.どんな漬物に乳酸菌が入っている?
乳酸菌が発生する要因としては、野菜を発酵させてできる工程が必要です。そのため野菜を発酵する必要がない「浅漬け」は、残念ながら乳酸菌の保有率はきわめて低いことになります。
逆に野菜を発酵させて作られている漬物、塩、ぬか、味噌、醤油、お酢などを使い、しっかりと漬けて発酵させた漬物には植物性の乳酸菌がたくさん含まれています。中でも「ぬか漬け」の漬物は乳酸菌が豊富であり、2グラムのぬかには2億個以上の生きた乳酸菌がいると言われています。
2.世界で食べられている植物性乳酸菌の含まれた漬物
植物性乳酸菌が多く含まれている漬物とは、ぬか漬けなどのしっかり発酵させた漬物に多いことが分かりました。これは日本の漬物に限らず、世界中にある漬物も同じです。植物性乳酸菌を含む漬物は、健康を促進させる食べ物として多くの国で食べられています。
2-1.韓国:キムチ
韓国で有名な漬物と言えばなんといってもキムチです。これも様々な作り方がありますが、典型的な作り方と言えば白菜を中心とした野菜を長期間塩に漬け、その後塩抜きしたものに漬床の具を加えて作る方法です。
このように作られたキムチにはたくさんの発酵菌が含まれ、中でも多いのが植物性乳酸菌です。日本のぬか漬けも負けてはいませんが、ぬか漬けの場合食べるときにぬかを洗い流してしまうため、摂取する植物性乳酸菌は多少少なくなります。しかしキムチは洗う工程がないため効率よく植物性乳酸菌を摂取することができます。
さらに乳酸菌は「納豆菌」との相性が良いことも知られています。つまり納豆キムチとして食べると乳酸菌が増殖し、さらに健康効果が期待できるのです。キムチ納豆は、日本と韓国が生み出した食文化の最高のコラボレーションと言えそうです。
2-2.欧米:ピクルス
ハンバーガーなどに添えられていることで洋食のイメージが強いピクルスですが、これもれっきとした発酵食品です。
ピクルスはキュウリなどの野菜を塩漬けにし、その後砂糖や酢を用いた漬け液にじっくりと漬け込ませることで乳酸菌が発酵され、おいしいピクルスとなります。
しかし販売されているピクルスというのはピクルス専用の漬け込みダレに漬けた状態で売られていることが多く、植物性乳酸菌を含んだ発酵ピクルスとは違うこともあります。ピクルスで乳酸菌を摂取したい場合はレシピを参考に手作りするか、作られた工程過程を確認してから購入するようにしましょう。
2-3.中国:ザーサイ
ザーサイの元はカラシナと言われる野菜の変種です。一度塩漬けにしてからしぼって塩分を抜き、塩やトウガラシ、お酒などの調味料とともに漬け込んで作ります。
あまり知られていませんが、ザーサイにも植物性乳酸菌がたくさん含まれています。日本では比較的歴史の浅い漬物ですが、ザーサイが生まれた中国では昔から冬の間に食す貴重なビタミン源として食べられてきました。そのまま食べても美味しいですが、炒め物やラーメン、スープなどに添えて食べるのが多いでしょう。中華料理と共に効率よく植物性乳酸菌を摂取できるのが良いですね。
3.スーパーの漬物には乳酸菌が含まれていない?
ぬか漬けの漬物などには乳酸菌が含まれているのが分かりましたが、では売られている漬物にはどのくらいの乳酸菌が含まれているのでしょうか。手軽に購入できる既製品の漬物、どうせ選ぶなら植物性乳酸菌がしっかりと含まれているものを選びましょう。
3-1.乳酸菌の入った漬物の見分け方
漬物によっても、乳酸菌が多く入っているものから全く入っていないものまで様々です。先ほど述べたように浅漬けのような漬け込み工程が少ない漬物は、乳酸菌による発酵がないので植物性乳酸菌は含まれていません。
ぬか漬けをはじめ、味噌や醤油、麹菌により発酵させてつくられた漬物は乳酸菌が含まれています。市販品を購入するときは、発酵工程を得て作られている漬け込んだ漬物を選ぶようにしましょう。
ただ市販品の中にはあまりにも色鮮やかな漬物を見かけることがあります。そのような漬物は発酵時間よりも鮮やかな着色料に漬け込む時間が多いこともあります。値段が破格で大量に作られている、色が鮮やかすぎる漬物は、乳酸菌より着色料が多い漬物かもしれないのであまりおススメできません。
3-2.ヨーグルトと野菜で最強の乳酸菌入り漬物を作ろう!
植物性乳酸菌が豊富に含まれる漬物。それを作るにはぬか床を用意し、毎日漬物を自分で作るのが一番です。
しかしぬか床を準備したり発酵させる手間が大変といった方にはこちらがおススメ。動物性乳酸菌が豊富に含まれているヨーグルトに、塩と野菜を混ぜてできる簡単漬物です。
材料
ヨーグルト 100g
塩 小さじ1(5%) 作り方
①ポリ袋にヨーグルトと塩を入れ、塩のザラザラがなくなるまで混ぜる
②野菜を入れ、冷蔵庫で1~2日漬ける
はい!これだけです!簡単!!ヨーグルトの乳酸菌と野菜についている乳酸菌で漬け物が出来るんです!味もぬか漬けと似たような、酸味があってあっさりしたお味になります♪参照:みんなの菌活-ずぼらな管理人でも出来る!超簡単菌活レシピ!(http://xn--kzw749b.com/kinkatsu-recipi)
まずは簡単な乳酸菌入り漬物を作ってみましょう。その後慣れてきたら本格的な漬物レシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。
3-3.手軽に買える美味しい漬物3選
最後に市販で買える美味しいお漬物の紹介です。
まずは漬物というより、ぜひご家庭で美味しいぬか漬けにチャレンジしてもらいたいので、「発酵ぬかどこお試しセット」なんていかがでしょうか。これは毎日のかき混ぜる手間も不要、はじめてぬか漬けに挑戦する初心者にもおススメの商品です。
発酵ぬかどこお試しセットhttp://item.rakuten.co.jp/mitake-shokuhin/1149400/
続いて「乳酸発酵のお漬物シリーズ8袋セット」もおススメです。こちらは、たくあん、赤カブ、高菜漬けといった昔ながらにある定番の漬物がお得に購入できるセットです。無添加無着色の素材に和歌山県産の米ぬかを使い、植物性乳酸菌がたっぷり入っているのも魅力です。
乳酸発酵のお漬物シリーズ8袋セットhttp://item.rakuten.co.jp/tarunoaji/tumeawase_1/
最後に漬物と言っても野菜だけではない、魚介を粕漬けにした「ふぐ粕漬け」もおススメです。これは北陸の米ぬかを使い丁寧にふぐを漬け込んだ珍味です。乳酸菌はもちろんふぐの豊富なタンパク質、カルシウムなども摂取できます。
ふぐ粕漬けhttp://item.rakuten.co.jp/nma-imonya/sf-fugu-k/
4.乳酸菌豊富な漬物で美味しくご飯を食べよう!
いかがでしたか?漬物には食材そのもののビタミンやカリウムといった栄養素が含まれているだけでなく、漬け込むことで含まれる「植物性乳酸菌」が豊富に含まれていることが分かりました。 ヨーグルトなどの動物性乳酸菌とは違い、活きたまま腸に届く植物性乳酸菌。キムチやザーサイにも豊富に含まれていますが、やはり日本食のごはんに一番合うのはお漬物と言えそうです。 市販品でも漬物の工程次第では豊富に乳酸菌が含まれていることもあり、今後漬物を買うときには漬け込んであるかどうかチェックすることも大切です。ごはんを食べるときには是非漬物を添えて、植物性乳酸菌も摂取するよう意識しましょう。
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