梅雨が明けて、もう少しで夏の暑さのピークを迎えるという頃、夏野菜がぐっと安くなる時期があります。
なかでも「ナス」は大量に袋づめされていることが多く、ついつい買ってしまうことも多いでしょう。しかし、ナスはあまり日持ちがしない野菜でもあります。そのまま冷蔵庫に入れておくと、どんどんしぼんでしまったり、傷みだすこともあります。
ナスを無駄にしてしまうのはもったいない、ここではなすの保存食でもある「なすのオイル漬けレシピ」を紹介します。簡単で、しかもいろいろな料理にアレンジしやすいこともあるので、ぜひ今年の夏はナスのオイル漬けに挑戦してみましょう。
1.夏野菜の代表、ナスには栄養が一杯
夏野菜というと、キュウリやトマト、ズッキーニなどがあります。しかし、忘れてはいけないのがナスでしょう。ナスは漬物や炒め物、味噌汁などに入れることもでき、料理には何かと便利です。まずはナスの栄養などを見ていきましょう。
1-1.なすには「ナスニン」が含まれている!
ナスの栄養は、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、鉄、カルシウム、食物繊維などがあります。一見すると水分が豊富で、あまり栄養価は高くないイメージもありますが、野菜を代表する多くのビタミンが含まれているため、毎日積極的に食べたい野菜なのです。そしてカリウムも多く含んでおり、これにより高血圧防止や夏バテ解消の効果かがあります。
また、ナスには「ナスニン」が含まれています。これはナスの皮に含まれているポリフェノールです。ナスニンには強い抗酸化作用があり、動脈硬化やガン予防が注目されています。また、ブルーベリーに含まれているアントシアニン色素のポリフェノールなので、実は眼精疲労にも非常に効果が高いです。
1-2.ナスのおススメ調理方法とは
普段ナスを料理する人は、「炒め物」として利用していることが多いかもしれません。
確かに、ナスは「油との相性が良く」、油で炒めることに、よりなす特有の栄養であるナスニンをたくさん取ることができます。また、ナスニンは皮に含まれているので、なるべく皮を剥かないで調理するのがポイントです。
そして、ナスにはカリウムが多く含まれており、これによりほてった身体を冷やす効果があります。そのため、夏の暑い時期には体を冷やすためにも「火を通さないナス料理」がおすすめです。漬物が代表例であり、とくにぬか漬けはナスに火を通すこともなく、乳酸菌を同時にとれるといったメリットがあります。
1-3.ナスはダイエットにも向いている
ナスには栄養がたくさん含まれているものの、1本当たりのカロリーはとても少ない特徴があります。
ナスは体積が大きく、1本食べるだけでも結構な食べ応えがあるでしょう。浅漬けなどに調理したナスを食べることにより、満腹感を得ることもできます。そのため、ダイエット野菜としても向いています。体重を気にしている方は、積極的にナス料理を取り入れましょう。満腹感を感じられ、カロリー摂取を抑えられる効果もあります。
2.なすで保存食は作れるか
なすは季節を問わずスーパーで購入することができ、とくに旬を迎える夏にはとても安く手に入ります。しかし、なすはあまり保存できないことが多いでしょう。
そんなときにおすすめなのが「ナスのオイル漬け」です。もともと油との相性が良いナスを、オリーブオイルで漬け込むことにより、長期保存ができていろいろな料理にアレンジできるようになります。
2-1.ナスのオイル漬けレシピ
材料
- なす4 本
- にんにく3 片
- オリーブオイル200 ml
- たかのつめ1 本
- 塩適量
作り方
- なすはヘタを落とし、1センチの輪切りにする
- フライパンに油を敷き、カットしたなすに塩を振る。塩が付いている面を下に並べる。
- 片面ずつナスを焼く。5分ほどして焼き色がついたら塩を振り、裏返して再び焼き色がつくまで焼く
- ナスを取り出し、フライパンにオリーブオイルと鷹の爪、ニンニクをいれて火にかける。煮立って来たら火を止め、ナスを投入する
- 耐熱容器に油ごと注ぐ。冷蔵庫で保存する
ナスのオイル漬けは、冷蔵庫でおよそ2週間保存することができます。フライパンがあれば簡単に調理することができ、たくさんのナスを保存することもできるでしょう。
2-2.オイル漬けは立派な保存食
なすを保存食として調理するには、上記のオイル漬けがおすすめです。なすをカットして冷凍保存する方法もありますが、それだと下味もなにも付いていないので、調理するときに物足りないこともあるでしょう。
その点ナスのオイル漬けは、塩、ニンニクで下味ができており、風味も良くてそのまま食べても美味しいです。作ったその日に、ナスの煮びたしのように一品料理として楽しんでも良いでしょう。
2-3.ナスのオイル漬け アレンジ方法
ナスのオイル漬けは保存食として2週間ほど持ちます。そのまま食べても良いですが、さまざまな料理に使うことができます。
2-3-1.パスタやグラタン、洋食ならなんでもOK
オリーブオイルをたっぷり含んだ保存食なので、パスタソースにすると絶品です。オイル漬けされたなすを使うことにより、油なしでも調理ができます。とくにトマトソースにすると美味しいので、オイル漬けにトマトを加えてアレンジしても良さそうです。残った油はアヒージョなどに活用しても良いでしょう。
1-3-2.チャーハンにも相性が良い
オイル漬けしたナスを使い、刻んでチャーハンの具材にするのも美味しいです。すでにニンニクの風味がしっかりと付いているので、ごはんと混ぜると食欲をそそります。また、炒め物全般に使うことができるので、ナスの炒め物料理として使うのも良いでしょう。
1-3-3.中華料理にも抜群
ナスのオイル漬けは、オリーブオイルで漬け込んであるものの、実は中華料理にも相性が良いです。豆板醤などを加えてアレンジすれば、麻婆ナスとしても料理ができるでしょう。うまみのある油をナスがたっぷり含んでいるので、どの料理にもアレンジできます。あらかじめ火が通っている分、調理時間も短くて済むでしょう。
3.なすの保存食 その他のレシピ
ナスはオイル漬けにすることで、およそ2週間もつ立派な保存食となります。ただ、オイル漬けでは味噌汁やサラダといったアレンジに使うのは難しいでしょう。そんなときは、ナスを干して保存食にする方法もあります。
3-1.乾燥ナスの保存食レシピ
材料
- ナス 適量
- 干しざる
作り方
- ナスは5ミリ幅に切る
- 干しざるや乾燥ネットに、重ならないようナスを並べる
- そのまま天日干しで3日間放置
- 保存袋に入れて完了
ナスを乾燥させて保存食にするには、天候の良い時期に3日間干すことが大切です。そのため、梅雨の時期には行わない方が良いでしょう。できた保存食は、小分けして冷凍庫に入れることもできます。この場合は1カ月以上持つでしょう。
乾燥ナスなら、そのままお味噌汁の具材として使ったり、炒め物に入れたりもできます。また、他の生野菜とまぜてサラダにしても良いでしょう。
3-2.保存食ではないが、揚げびだしもおススメ
ナスの揚げびだし 材料
- なす 5個
- めんつゆ 150CC
- 砂糖 大さじ1
- サラダ油 適量
- 水、片栗粉 適量
- 万能ねぎ お好みで
作り方
- なすを乱切りにして水にひたす
- フライパンに水を切ったナスを入れ、サラダ油をひたひたに入れて素揚げする
- 鍋にめんつゆと砂糖を入れて煮立たせる
- 3の鍋にナスをいれて煮る
- 水溶き片栗粉を加え、お好みで万能ねぎを散らす
ナスの揚げびだしはナス料理を代表するレシピです。保存食とは言えないものの、素揚げをしているため5日間は傷むことなく冷蔵庫で保存できるでしょう。たくさんナスが手に入ったときに揚げびだしを作り、数日に分けて食べるのも良いでしょう。
まとめ
なすはカロリーが低いうえに栄養も凝縮されているとあって、ダイエットにも最適な野菜です。特にダイエットをしていない人にとっても、日常的に食べることで夏バテを防止し、ナスニンによる抗酸化作用によって健康をサポートすることもできるでしょう。
たくさんナスが手に入ったときに、ダメにしてはもったいないです。まずはナスのオイル漬けに挑戦し、冷蔵庫で長期保存してみましょう。一度手を加えた保存食はその後のアレンジも簡単であり、食事作りの時間短縮にも役立ちます。
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