梅はアルカリ性の食品であり、食べることで疲労回復効果や美肌効果があります。手っ取り早く梅の栄養を取るには梅干しがありますが、苦手だったり多くの量は食べられなかったりすることもあるでしょう。そこでおすすめなのが「梅シロップ」です。時間と手間が掛かりそうと思われがちですが、じつは梅シロップは青梅と氷砂糖さえあれば簡単にできるのです。
青梅がスーパーに並ぶの季節はほんの一時です。うっかりしていると梅シロップを仕込むタイミングを逃してしまいますよ!蒸し暑い夏を乗り切る甘くさわやかな梅シロップに今年こそチャレンジしてみましょう。
1.実はスゴイ!青梅の健康効果
青梅は「梅干し」の原材料です。梅干しの健康効果は知られていることが多く、江戸時代といった薬のない時代には、梅干しを食べてさまざまな病気に対応していました。そんな梅干しのもとである青梅について、まずは詳しく見ていきましょう。
1-1.青梅がスーパーに並ぶのは短い
青梅の最盛期は初夏と言われており、5月下旬から6月にかけてが大きな出荷となります。そのため、スーパーで梅が買えるのも年間を通じてわずが1カ月ほどしかありません。目安としてはゴールデンウィークから梅雨にかけての時期であり、この時期に青梅を購入しないと梅シロップは作りにくいでしょう。
また、7月頃には青梅ではなく、黄色い色に完熟した「完熟梅」が出回ります。実はこの完熟梅でも梅シロップをつくることは可能であり、青梅よりも香りが豊かなシロップ漬けをつくることができます。ただ、名前のとおり完熟しているので、青梅に比べると発酵しやすく、梅の痛み具合が早いといったデメリットもあります。両方の梅でシロップを作り、飲み比べてみても良いでしょう。
1-2.梅の健康効果とは
梅はアルカリ性食品であり、食べることで日頃から酸性化している私たちの食生活を中和してくれます。そのため、毎日1粒梅干しを食べることが理想的なのですが、梅干しがそもそも苦手な方には無理でしょう。しかし、青梅をシロップにしてジュースなどで楽しめば、梅干しと同様の健康効果を得ることができます。
1-2-1.疲労回復効果
梅干しに含まれているクエン酸は、疲労回復効果が高いことで有名です。筋肉の疲労予防効果もあるため、運動の前に青梅ジュースを飲むことも良いでしょう。
1-2-3.肥満防止、ダイエット効果
梅に含まれる酸っぱい成分「クエン酸」は、死亡や糖質の代謝を促進してくれます。梅シロップには多くの糖分が含まれていますが、梅自体がコレステロールの蓄積を防いでくれるため、ダイエット中に甘いものを飲みたい場合も安心です。
1-2-4.整腸作用
梅のクエン酸には整腸作用があり、胃の働きにもサポートしてくれます。飲みすぎ、胃のもたれに困っているときも、少量の梅ジュースでスッキリとすることができるでしょう。また解毒作用も多く、食中毒予防として効果を発揮します。
1-2-5.美肌作用
梅にはリンゴ酸やカルシウム、鉄分などの有機酸類・ミネラル類が豊富含まれており、毎日摂取することによって細胞の新陳代謝が活発になります。そのため、肌へハリとツヤを与え、美肌効果も多いに期待ができるでしょう。
2. 青梅シロップを作ろう
青梅シロップはアルコールが含まれていないため、子供から大人まで誰でも楽しむことができます。その上他のジュースよりも栄養価が高く、夏バテ防止や整腸作用、美肌効果にも期待ができます。手作りをしたほうが添加物などが含まれず、また手間暇をかけて作ったからこそ毎日飲むことにもつながるでしょう。ではさっそく、青梅シロップの作り方を見ていきましょう。
2-1.青梅シロップ 準備と注意点
青梅はスーパーで売られる際、さまざまな種類で売られていることがあります。中には「紅石」「碧石」といった名前が付けれられ、形も整っていて高価な商品もあるでしょう。しかし、青梅シロップを作るのであれば、形や品質はさほど気にすることはありません。そのため「無選別青梅」といった量の多い青梅を選ぶことがおすすめです。
材料
- 無選別青梅 1キロ
- 氷砂糖 1キロ
- 4リットル保存ビン 1つ
- 竹串
作るにあたり、まずは保存ビンを消毒します。熱湯を少し入れて、火傷に注意しながらまんべんなくまわしましょう。こうすることで、ビン内の雑菌を消毒することができます。その後は完全に乾燥させます。水気が残っているとカビが生える原因にもなるため、乾燥はしっかりと行いましょう。
2-2.青梅シロップの作り方
- 青梅をきれいに洗います。流水で1つずつ洗うようにしましょう
- 洗った青梅を水にひたし、2時間ほど放置してアク抜きをします
- 青梅を水から取り出して拭き、天日干しなどをして完全に乾かします
- 竹串で青梅のヘタを1つずつ取り除きます
- 青梅→氷砂糖→青梅→氷砂糖といった順番に、ランダムに青梅と氷砂糖をビンに詰めていきます
- 冷温所に保存し、なるべく1日1回は氷砂糖が解けるよう、ビンをまわします。1週間から10日で完成です
青梅と氷砂糖が同量あれば、漬け込むだけで簡単に梅シロップが完成します。また、竹串で青梅のヘタを取りのぞくのは、きれいに取れば取るほど梅酒にエグ味がなくなり、さわやかな味になるからです。なるべく丁寧に取り除くようにしましょう。
2-3.氷砂糖以外でも作ることは可能
砂糖は「てんさい糖」や「きび砂糖」といった体に良さそうな砂糖を使ってもOKです。また、はちみつ、メープルシロップといったものでも大丈夫でしょう。ただ、梅1キロに対しメープルシロップなども1キロ必要になりますから、コスト的なことを考えると氷砂糖が一番良いかもしれません。
また、氷砂糖を使う理由は大きく2つあります。まずは「雑味が少ない」ということです。氷砂糖は純度が高く、梅の成分と合わさることによりうまみを引き出してくれます。そして「ゆっくり溶けるため発酵を抑える」という点もあります。日に日にゆっくり溶けるため、梅の成分が染み出すスピードに合わせてバランスよくシロップを作ることができるのです。また、生の梅を通常の砂糖と混ぜてしまうと、発酵スピードが速まり、青梅が痛む原因にもなります。てんさい糖やきび砂糖などを使っても青梅シロップはできますが、青梅が早く痛みだすこともあるため、冷蔵庫での保存がおすすめです。
2-4.梅シロップの活用方法
できた梅シロップは、次のように楽しむことができます
- 水で薄めて梅ジュース
- お酒で割って梅酒
- かき氷のシロップ
- ゼラチンで冷やし固めて梅ゼリー
- 砂糖代わりにクッキーやケーキ
梅シロップは、アレンジ次第で何でも活用できます。紅茶にまぜる砂糖代わりに梅シロップをいれて、ホットティーとして楽しむのもおすすめです。また、エキスを出した後の梅もおいしく食べられます。活用方法としては
- 梅を潰して煮込み、梅ジャムにする
- 梅ゼリーを作る際に、粒をそのまま入れて食べる
- 刻んでチャーハンや炒め物など、隠し味として使う
エキスを出した後の梅は、そのまま食べても大丈夫です。しかし量も多いため、ジャムや料理の際に混ぜるなど、アレンジして食べたほうが良いでしょう。
3.覚えておくと便利、青梅のミニ知識
最後に、「青梅は生で食べると毒になる?」「一粒で梅シロップは出来ないのか」など、覚えておくと何かと便利な青梅の知識について紹介します。
3-1.青梅は生で食べてはいけない
青梅は、初夏の時期になると地面に転がっていることも多いです。それを乳幼児が拾って口に入れ、慌てて病院へ行くといった事件も毎年少なからずあります。
青梅には「アミグダリン」という成分が含まれており、それが中毒症状を起こす原因になります。梅干しや梅ジュースのもとだからといって、生でためしにかじってみるといったことはやめましょう。万が一粒食べてもすぐに生死にかかわることはありませんが、小さな乳幼児が口に入れてしまうと、中毒症状を起こすリスクがあります。子供がいる家庭では、小さなうちから口に入れてはいけないとしっかり伝えておきましょう。ちなみに、梅シロップで使う青梅は生ですが、作る工程でアミグダリンは徐々に抜けていくため、シロップができたあとの梅は食べても大丈夫です。
3-2.一粒の青梅からシロップはできないの?
梅シロップを作るとなると、4リットルの大型ビン、1キロの砂糖や梅といったように、準備が大掛かりになってしまいますよね。大家族なら消費できるとしても、1人暮らしの人がその量を作るのは抵抗があるでしょう。1回分の梅ジュースで良いといった場合、どうすれば良いでしょうか。
結論から言うと、一粒の青梅から梅シロップを作ることも可能です。小さな小瓶を用意し、青梅のgをはかり、同じ量の砂糖と漬け込めばよいのです。少量であっても、10日ほどすれば、ひと粒の青梅からちゃんとシロップがでてきます。小瓶でたくさんの梅シロップを作り、おすそ分けとして友人などへあげると喜ばれそうですね。
まとめ
青梅は年間を通じてスーパーで売られる時期が短く、旬の時期を逃すと梅シロップを作るチャンスが減ってしまいます。梅シロップは市販のものもたくさん売られていますが、甘すぎたり添加物が含まれていたりと、自分好みの味ではないケースも多いようです。
今年こそ梅シロップを手作りし、毎日の健康をサポートすべく食卓に取り入れてみましょう。子供は梅ジュース、大人は梅酒割としても楽しむことができるため、それぞれの好みに合わせた楽しみ方ができるでしょう。梅干しが苦手な人でも梅シロップなら取り入れやすく、疲労回復や美肌効果に多いな期待ができそうです。
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