暑い夏を乗り切った、そう感じたときに襲ってくるのが夏バテです。夏バテ防止にはさまざまな方法がありますが、まずは疲労回復効果の高い食材を積極的に食べるのが良いでしょう。そんなときにおすすめしたいのが「ねばねばした食材」です。
ねばねば食材は、納豆や長芋、オクラなどがあり、「素材をゆでる、刻む、混ぜる」など、簡単に調理できます。今回は、身体にやさしくヘルシーなねばねば食材について見ていきましょう。
1.ねばねばした食材は、なぜ身体に良いのか
昔からねばねばした食材は身体に良いといわれています。確かに、ねばねばした食材は、納豆、オクラ、めかぶ、山芋、モロヘイヤなど、名前を聞いただけで身体に良いイメージのある食材ばかりです。しかも、ねばねば食材は、うどん、そば、そうめん、ご飯など、日本のあらゆる炭水化物をおいしくするのです。
1-1.疲労回復効果
ねばねば食材は「疲労回復」効果が高いといわれています。食材によって栄養には違いがあるものの、多くのねばねば食材は「ペクチン」という食物繊維と、「ムチン」という糖たんぱく質からできています。
ペクチンは整腸作用のある食物繊維であり、食べることにより腸内の善玉菌を増やすことができます。胃腸の調子が悪い、夏バテで食欲がわかないというときも、ねばねば食材を食べることにより腸内から元気にしてくれます。また、ムチンも胃腸を保護する働きがあり、この2つの栄養素がお腹を元気にして便秘を改善し、疲労回復を促してくれるのです。
参照http://www.holonicsystem.com/nutrition/tayori/201810.html
1-2.免疫力アップに効果あり!
ねばねば食材は胃腸の働きを促し、粘膜を保護する役割も持っています。胃腸が元気になるということは、食欲が増して多くの栄養素を取り入れることにもなるため、免疫力アップにもつながります。また、ねばねば食材には多くのビタミンやミネラルも含まれており、タンパク質の消化や吸収もサポートするので、夏バテ防止にもなるのです。そして、ねばねば食材には多くの水分が含まれ、保水力に優れています。これにより、肌の美肌サポートにも期待ができ、アンチエイジング効果もあるのです。
1-3.3大ねばねば食材の栄養素
ねばねば食材はたくさんありますが、日本人が馴染みの深いねばねば食材としては「納豆」「オクラ」「山芋」があります。ここでは、それらに含まれる豊富な栄養素を見ていきましょう。
1-3-1.納豆
言わずと知れた栄養の高い納豆ですが、納豆にはナットウキナーゼが含まれ、血栓を予防するはたらきから心筋梗塞などを予防するとされています。また、納豆には食物繊維が豊富に含まれているものの、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれいていることも注目です。水溶性食物繊維は食べることにより血糖値の上昇をおさえ、不溶性食物繊維は、便日を改善する効果があります。二つの食物繊維が含まれている食材は、ねばねば食材のなかでも大変珍しいのです。
1-3-2.オクラ
野菜のなかでもねばねばの王様であるオクラには、カリウムやβカロテン、ビタミンが豊富に含まれているいます。カリウムは体内に蓄積された塩分を尿と一緒に放出させる効果があり、それによって高血圧を予防してくれるでしょう。また、βカロテンは摂取することで体内でビタミンAへと変換し、肌や髪の毛にハリやツヤを与えてくれます。
1-3-3.山芋
山芋はそのまますりおろし、うどんやごはんにダイレクトにかけて楽しめる食材です。山芋には「サポニン」と呼ばれる動脈硬化を予防する栄養素が含まれており、食べることでガン予防にも期待できます。また、山芋は消化酵素である「ジアスターゼ」を多く含むことでも有名です。ジアスターゼは胃腸の調子を整え、腸内環境を美化する働きをもっています。胃もたれにも効果的であり、お酒を飲んだ後のサポート食材としても向いているでしょう。
2.おすすめしたい、ねばねば素材レシピ
ねばねば食材のレシピはたくさんあります。その食材だけをカットしておかずとして食べるのも良いですが、うどんやごはん、パスタといった炭水化物にかけて食べるのもおすすめです。
2-1.まずは定番、ねばねばうどん
材料 1人分
- 冷凍うどん 1玉
- オクラ 2本
- 納豆 2分の1パック
- 長芋 すりおろし 5cm分ほど
- きざみのり 適量
- めんつゆ お好みで適量
作り方
- うどんは茹でて水けを切っておく
- オクラは下茹でして小口切り、ねぎも小口切り
- どんぶりにうどんを乗せ、2と納豆、とろろ、刻みのりをのせる。最後にめんつゆをかけて完成
あらゆるねばねば食材をうどんに乗せるだけの、簡単シンプルなねばねばうどんです。オクラを茹でるのが大変な時は、かわりにめかぶやもずくを乗せても良いでしょう。
2-2.ごはんがすすむ、ねばねば丼
材料 1人分
- ごはん 1杯分
- オクラ 3本
- 納豆 1パック
- 長芋 15cm
- 卵の黄身 1個分
- 醤油 適量
作り方
- オクラは軽く下茹でし、輪切りにカットする
- 納豆はタレを混ぜておき、長芋はすりおろす
- ごはんの上に1と2を乗せ、真ん中に黄身を落とす。醤油を適量かけて完成
こちらもごはんの上にねばねば材料を乗せるだけで完成する、とてもお手軽レシピです。オクラの下茹でが面倒なときは、さっと水にくぐらせてラップを軽く巻き、1分ほどレンジにかけることで下茹でもできます。時間がないときの時短料理としても活躍の一品です。
2-3.納豆入りクリームパスタ
材料 二人分
- パスタ 2人分
- 納豆 1パック
- まいたけ 2分の1パック
- 豆乳 1カップ
- 合わせ調味料 豆乳1カップ、味噌大さじ1、醤油小さじ1
- バター適量
作り方
- パスタはたっぷりのお湯でゆでておく
- フライパンにバターを入れて火をつける
- 2にマイタケを入れて炒める
- マイタケに火が通り始めたら、合わせ調味料を投入する
- ゆであがったパスタを4に入れ、納豆とバターを混ぜ合わせて完成
ねばねば料理は、和食だけに限りません。パスタといった洋食にも合わせることが可能です。洋食はどうしてもカロリーが高めになりますが、肉の代わりに納豆を入れ、カロリーを抑えることも可能です。
2-4.オクラ納豆のねばねばそうめん
材料 2人分
- そうめん 4束(200g)
- オクラ 6本
- 納豆 2パック
- 長芋 15cmほど
- 温泉卵 2個
- 顆粒だしのもと 大さじ1
- 水 2カップ
- 刻みのり 適量
作り方
- 鍋に湯を沸かしそうめんを茹でる
- 1のお湯から大さじ3ほどお湯をとり、顆粒だしを溶かして冷蔵庫で冷やしておく
- オクラを下茹でし小口切り、納豆はタレと混ぜ合わせておく
- 山芋はすりおろしておく
- そうめんは水を切って冷水にさらし、器にのせる
- 4のうえにオクラ、納豆、長芋、温泉卵をのせ、2のだしを回しかけてのりを飾る
まだまだ暑い日が続く残暑には、ぜひそうめんを食べて乗り切りましょう。タレをつけて食べるだけのそうめんではあまり栄養がありませんが、ねばねば食材をトッピングすることにより、疲労回復効果の高い豪華な一品になります。
3.海のねばねば食材にも注目しよう
ねばねば食材は、納豆や長芋、オクラだけではありません。このほかにも注目したいのが「海で取れる」ねばねば食材です。山の幸と海の幸のねばねば食材を組み合わせることにより、さらなる健康効果に期待ができます。
3-1.もずく
もずくはワカメのような歯ごたえと、表面がねばねばした強い粘り気のある食材です。もずくには「フコイダン」と「アルギン酸」が多く含まれており、肌の保湿力を高め、美肌効果に期待ができます。また、フコイダンにはコレステロール値を下げる働きがあります。そのため、糖尿病を予防し、血圧上昇を抑える効果もあるのです。
もずくはお酢と一緒に食べるのが一般的ですが、お酢と一緒に摂取することで代謝が活発になり、脂肪が燃焼しやすくなるのです。そのため、もずく酢はダイエット食品としても人気があり、美容と健康に良い食材としておすすめです。参照https://okifuru.com/menu_tokushuu_in.php?id=1
3-2.めかぶ
もずくと同様に、海でとれるねばねば食材として「めかぶ」があります。めかぶにも「フコイダン」と「アルギン酸」が豊富に含まれており、美容効果が高いことでも有名です。また、フコイダンは免疫力をアップさせ、アレルギーを抑制する作用もあります。そしてアルギン酸はデトックス効果もあるので、こちらもダイエット食材として向いているのです。
そして、めかぶにはヨウ素とカルシウムも豊富に含まれています。ヨウ素は細胞の新陳代謝を促し、カルシウムは骨の形成や骨粗鬆症を予防する働きがあるでしょう。日頃から積極的に食べることで、免疫力を高め、風邪を引きにくくする効果にも期待ができます。
参照https://www.yamauchi-f.com/faq/mekabu/3006.html
まとめ ふだんからねばねば食材を食べよう
ねばねば食材は、材料によっては苦手という人もいます。しかし、納豆は苦手でもオクラが食べられたリ、長芋はダメでもめかぶは好き、ということもあるでしょう。ねばねば食材の多くはビタミンが豊富で、胃腸の働きをサポートしてくれます。しかも、ねばねば食材の多くは値段が安いのも大きなメリットです。ぜひ冷蔵庫にねばねば食材のどれかを常備し、うどんやごはんにかけて夏の疲れを解消していきましょう。
コメント