家庭で自家製の漬物を作っていると、ついうっかり古漬けにしてしまうことはありませんか?ぬか漬けを作る際にぬか床の底に何日も眠らせてしまったり、塩漬けを取り出し忘れてしまったり。とても味が濃くなってしまった古漬けは、そのままごはんにかけて食べても美味しいですが、アレンジ次第でとても美味しい料理に変身します。しかも、加える手間次第でワインやチーズにも合う美味しいおつまみにもなるのです。今日は古漬けを使ったレシピを中心に、詳しく紹介していきます。
1.そもそも古漬けとは
古漬けとは、名前の通りかなり漬け込んだ状態の漬物を言います。通常数日で取り出すところを1週間以上漬け込んだり、あえて1カ月以上漬けたりして、素材のうまみを最大限に引き出す古漬けもあります。塩漬けにいたっては長期間にわたって漬け込み、発酵を促す古漬けが多いでしょう。
1-1.購入できる有名な古漬け
漬物の古漬けは、基本的に水分が抜けて漬け汁色に染まっているものが多いでしょう。例えば「野沢菜漬け」や、茶色になった「べったら漬け」などがあります。いずれも1週間ほど漬け込めば完成する漬物ですが、あえて1カ月以上漬け込むことにより発酵が進み、素材のうまみを最大限楽しむことができます。また、スーパーなどで売られていることが多い、ポリポリした「しば漬け」や「キュウリのキューちゃん」といった漬物も、数日で完成することはないため古漬けとなります。そう考えると、古漬けは意外と身近に食べることが多い漬物かもしれません。また、長期間にわたって漬け込まれているため、浅漬けよりも塩分量は多いと言えます。
1-2.家庭の古漬けは「ぬか床から取り忘れたもの」が有名
家で作る漬物でも、1カ月以上長期にわたって漬け込めば「古漬け」となります。そのため、たくわんといった長期間着ける漬物はすべて古漬けになります。
ただ、古漬けを作るつもりがなくても、うっかりと取り出し忘れにより古漬けが作られてしまうこともあります。代表的なのが「ぬか床から取り出し忘れた野菜」です。これは漬け樽が大きいほどよくあり、通常1~2日で取り出すキュウリ漬けを、底にあったため取り出せず、3日以上寝かせてしまった状態などを言います。古漬けになったぬか漬けほど味が浸透しているため、そのままだとしょっぱすぎるといったこともあるでしょう。しかし、このように取り出し忘れてしょっぱくなった漬物でも、アレンジ次第で美味しい古漬けとして食べることが可能です。
2.古漬けをアレンジして食べよう
古漬けは味が濃いため、ごはんにかけて食べると美味しいでしょう。しかし、そのままだとしょっぱすぎたり、量が多いと食べきれなかったりすることもあります。そのため、少々アレンジして食べることがおすすめです。
2-1.シンプルに塩抜きする
古漬けがしょっぱすぎるのであれば、塩抜きして食べる方法があります。これは、たんに水にいれて塩分を薄めるやり方もありますが、水に浸すと塩分の他にも漬物のうま味そのものも流出してしまい、おすすめできません。
そこで「迎え塩」と呼ばれる塩水につけることがおすすめです。これは200㏄の水におよそ3gの塩を入れ、濃いめの塩水をつくり、古漬けを入れるやり方です。濃い塩水なのに不思議と古漬けの塩分は抜けて、美味しく食べることができます。迎え塩は、薄い塩分濃度を持つものが、濃い塩分濃度へ流出するといった科学的根拠に基づくやり方です。しかし、どの程度の塩水を用意して、どの程度漬けるかは古漬けによっても違いがあります。そのため、迎え塩をしても浅漬けのような味わいになるは限らず、シンプルながら難しいレシピ方法かもしれません。
2-2.「かくや」にして食べるのがおすすめ
「かくや」という料理名を知っていますか?これは、古漬けを細かく刻み、薬味や調味料を混ぜて食べる調理方法です。古漬けを細かく刻むこと自体をかくやと呼ぶ場合もあります。余った古漬けがあれば細かく刻んで調理してみるのも良いでしょう。
かくやレシピ
- キュウリやたくわんなどの古漬け 50gほど
- みょうが 1個
- 生姜の絞り汁 少々
- 醤油 少々
作り方
- 古漬けとみょうがを細かく千切りにします
- 生姜の絞り汁を混ぜ、冷蔵庫で30分ほど寝かせます
- 食べる時に醤油を少々かけましょう 完成
古漬けはどの野菜も合いますが、大根やキュウリといった根菜を使った古漬けが合うでしょう。冷やして食べると美味しいので、夏場にはピッタリの副菜になります。
2-3.アレンジレシピでワインにも合う一品を
古漬けをクリームチーズと合わせることで、ワインにも合うオシャレな一品ができます。
古漬けとクリームチーズレシピ
材料
- キュウリの古漬け 1本ほど
- クリームチーズ 固形2個
- 醤油 お好みで
作り方
- 古漬けは1センチ幅にカットします
- クリームチーズも細かくカットします
- 1と2を混ぜ合わせ、食べる時にお好みで醤油を数滴たらします
クリームチーズは、固形状のものでそのまま食べられる商品がおすすめです。古漬けと合わせることにより、コクがあって深みのある味わいを楽しむことができるでしょう。キュウリの古漬けだけでなく、いろいろな種類の古漬けでも大丈夫でしょう。また、クラッカーにこのレシピをのせるだけで、見た目もオシャレなカナッペに変身させることができます。
2-4.のっけるだけ!古漬けパスタ
古漬けは味がしっかりしているので、ごはん以外の炭水化物にも合います。和食だけでなく、洋食のアレンジとして使ってみるのも良いでしょう。
古漬け納豆パスタ
材料
- キュウリなどの古漬け 100g程度
- 納豆 1パック
- ちりめんじゃこ 適量
- パスタ 1束
- オリーブオイル 少々
- お好みで醤油、めんつゆ
作り方
- パスタは茹でておき、オリーブオイルをまぶします
- 古漬けを細かく刻みます
- 茹でたパスタの上に納豆をのせ、古漬け、ちりめんじゃこをのせます
- 食べる時にお好みで醤油やめんつゆを少々かけましょう
古漬けは塩味がしっかりとしているため、米以外の炭水化物にもしっかりと合います。パンにのせてチーズとトッピングしたり、マヨネーズをかけて焼いたりすれば、即席のピザトーストとして楽しむことができるでしょう。
3.古漬けならではの良さとは?
最後に、古漬けだからこそ楽しめる味わいや、その特徴について見ていきましょう。しょっぱくて塩分濃度が高いことが多い古漬けですが、塩分以外の豊富な栄養もギュッと濃縮されています。
3-1.浅漬けにはない、乳酸菌がたくさん
古漬けの製造方法はさまざまですが、その多くが長期間塩漬けに漬け込んでいます。塩漬けにして1カ月も経つと、乳酸菌が発酵され、長期間漬け込むことにより素材のうまみを最大限引き上げることができます。
一方の浅漬けは、野菜に塩や調味料をかけて、2日ほど漬け込んだ短期間でできるものです。古漬けと比べると塩分濃度は低いため、血圧を気にしている方は浅漬けの方が合っているかもしれません。しかし、浅漬けには乳酸菌発酵がなく、味も古漬けのようなうまみや深みは感じられないでしょう。どちらもメリット、デメリットはあるので、日頃からランダムに食べ比べるのが良さそうです。
3-2.古漬けは調味料変わりにもなる
古漬けは長期間塩に漬けこんであるため、味が濃くてしょっぱいものが多いです。そのため、古漬けを刻んでレシピに加えるだけで、塩を使わなくても調味料代わりになることがあります。その用途は実にさまざまであり、刻んで加えることにより次のようなレシピに活躍することができるでしょう。
- チャーハン
- ごはんのお供
- 巻きずしの具材
- 卵焼きの具材
- お茶漬けの具材
マヨネーズと混ぜたら洋風に、醤油をたらしたらお茶漬けなどの和風レシピにアレンジすることができます。油でいためるだけでしっかりと味付けができるため、余分な調味料を使わなくても良いのは便利でしょう。
まとめ
うっかりぬか床から取り忘れた野菜は、すっかり水分が抜け、しょっぱいだけの漬物になってしまいます。しかし、そうしてできた古漬けは、乳酸菌を豊富に含み、刻むことにより多くのレシピに役立てることができるでしょう。
古漬けは浅漬けとは違い、深みのあるうまみを楽しめる漬物です。ごはんのお供にはもちろん、使い方次第ではパスタの具材や、お好み焼きのアクセント食材として活用することも可能です。塩味だけでなく、豊富に含まれている乳酸菌や野菜の栄養を摂取できることにもなるため、日頃から古漬けが常備してあると何かと便利でしょう。
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