ズッキーニは夏野菜料理に欠かせない野菜です。その淡白な味わいからさまざまな料理に使うことができ、ズッキーニをあまり好きではないという人はいないでしょう。
ただ、ズッキーニを調理するのは「炒め物」や「煮込み料理」というイメージがあるかもしれません。たしかにその調理方法が有名で美味しく食べることができますが、実はズッキーニは「漬物」や「サラダ」にして食べる方法もおすすめです。ここではズッキーニの栄養や、漬物のレシピ方法などを詳しく紹介します。
1.そもそもズッキーニとは
ズッキーニは夏野菜を代表する野菜ですが、名前をみると国産生まれでないことは分かります。しかも食卓に多く並ぶようになったのは最近のことといえるでしょう。まずは、このズッキーニの歴史や栄養について見ていきましょう。
1-1.きゅうりの仲間ではない!実はカボチャの仲間
ズッキーニの見た目はとてもキュウリに似ていますが、じつは「かぼちゃの仲間」です。
ズッキーニはウリ科・カボチャ属の果菜であり、キュウリに似たものだけではなく、カボチャに似たオレンジ色のものや、丸型のものもあります。
ズッキーニはメキシコが原産地とされ、もともと温暖地域で生まれた野菜です。育てやすいことから日本でも栽培されるようになり、旬の時期は7~8月です。この時期になると多くのスーパーで1本100円程度で売られています。日本に輸入されてきたのは1980年代ですが、当時はまだ一部のレストランでしか使われていませんでした。しかし、栽培しやすいこと、コストが掛からないこと、そして何より調理がしやすいこととあって、日本でも徐々に人気となりました。2000年代からは家庭の食卓でもよく使われるようになり、淡白な味わいで火も通りやすいことから、さまざまな料理に使われています。
1-2.ズッキーニの栄養とは
ズッキーニには多くの「カリウム」が含まれています。カリウムは体内のナトリウムを排出してくれる効果があり、高血圧予防になるでしょう。また水分補給にも役立ち、長時間の運動による筋肉のけいれんを防ぐ効果もあります。
また、βカロテン、ビタミンC、ビタミンB群を豊富に含みます。これらの共通して言える作用は「アンチエイジング効果」です。肌の新陳代謝を促し、ターンオーバーを促進してくれるため、ズッキーニを積極的に食べることにより、みずみずしい肌を保つことができるでしょう。豊富なビタミン類は風邪予防にもなり、疲労回復効果にも期待ができます。
2.ズッキーニの漬物レシピ
ではさっそくズッキーニの漬物レシピを見ていきましょう。意外にもズッキーニは生で食べることのできる野菜です。漬物にすることで、想像しているよりも美味しく食べることができます。
2-1.ズッキーニの漬物
材料
- ズッキーニ2本
- 合わせ調味料 醤油大1 お酢大1 砂糖大1 鷹の爪少々
- 塩 少々
作り方
- ズッキーニは軽く皮をむいて、7ミリ幅にカットします
- カットしたズッキーニを塩でもみ、そのままビニール袋に入れて15分ほど置きます
- 合わせ調味料を混ぜ、2の袋にいれて、冷蔵庫で一晩おいて完成です
この漬物レシピは非常にシンプルなものであり、合わせ調味料に漬け込むだけで一晩で完成します。ポイントはズッキーニを塩でもむことです。これによりズッキーニに下味をつけることができ、漬物のベースとなる塩味が完成するでしょう。あまり塩をつかうとしょっぱくなるので、軽く塩を振る程度で構いません。
2-2.できた漬物はきゅうりとなすの中間的な味わい
ズッキーニの漬物は、その感触からいうとナスに近いです。ただ、見た目はきゅうりの漬物にとても似ているため、多くの人が大きなきゅうりの漬物だと勘違いすることもあるでしょう。また、味もきゅうりに似ているような、ナスに似ているような味わいです。つまり、日本人が好むような味わいになっており、子供から大人まで楽しむことができます。調理における幅が広いため、浅漬けでもみそ漬けでもぬか漬けにしても構いません。ちなみに浅漬けの場合は、ズッキーニを軽くスライスして塩もみするだけでも完成します。塩味の飲み込みが早いため、短時間で美味しい浅漬けが完成するでしょう。
2-3.ズッキーニはサラダにも向いている
ズッキーニのシンプルサラダ
材料
- ズッキーニ 1本
- 合わせ調味料 塩こさじ二分の一 オリーブオイル小さじ2 レモンの絞り汁小さじ2 コショウ少々 砂糖 小さじ二分の一
作り方
- ズッキーニは薄くスライスします
- スライスしたズッキーニに塩をもみ、しんなりさせて水分をしぼります
- 合わせ調味料を混ぜます
- 調味料とズッキーニを混ぜて完成
このサラダも漬物と同じように、まずは塩でもんで水分をとばしてから調味料と混ぜ合わせます。漬物とは違い、一晩寝かせる必要もないのでとても簡単です。これはズッキーニだけのサラダですが、いろいろな野菜と合わせて豪華なサラダにしても美味しいでしょう。ズッキーニの味はどのドレッシングにも合うため、スライスしてドレッシングをかけるだけでも楽しめます。
3.まだまだある!ズッキーニの漬物レシピ
ズッキーニはカットしやすく、味もしみこみやすい野菜なので、漬物にするにはピッタリです。しかもキュウリよりも大きいため、食べ応えがあるでしょう。ここではいくつかの漬物レシピを紹介します。まずは塩漬けにして水分を抜くことが基本です。
3-1.ズッキーニ、基本の水だしレシピ
材料 ズッキーニ2本 塩適量
作り方
1.ズッキーニをよく洗い、ヘタを切って7ミリ幅にカットします
2.ボウルにズッキーニを入れ、塩を加えてよくもみ込みます。15分ほど置いて、手で水分を絞りましょう。
まずはズッキーニにこの水だしを行うことが重要です。浅漬けで食べたい場合は、このレシピ後に塩昆布をまぜたり、醤油をかるくかけて食べても良いです。これが漬物レシピの基本となるので覚えておきましょう。
3-2.ズッキーニのからし漬け
作り方
水だししたズッキーニをビニールに入れて、きび砂糖小さじ1、粉からし小さじ1を加えます。そのあと、ビニールの上からしっかりともみ込みましょう。その後は冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成です。
からし漬けはキュウリが代表ですが、ズッキーニでもとても美味しく作ることができます。ツンとした刺激があるので、お子様が食べる場合は粉からしの量を調整してください。砂糖との相性も良く、まろやかな味が楽しめる漬物になります。
3-3.ズッキーニのピリ辛醤油漬け
作り方
水だししたズッキーニをビニールに入れます。醤油小さじ1、きび砂糖小さじ2分の1、ごま油少々、刻んだ鷹の爪1本をビニールに入れて、よくもみ込みます。30分ほど冷蔵庫で寝かせて完成です。
ピリ辛醤油漬けは、ごはんと相性の良い漬物です。見た目はどうみてもキュウリの醤油漬けに見えますが、ズッキーニの方が優しい味わいになるため、子供が食べても美味しいでしょう。もう少し味をまろやかにしたい場合は、お酢を少々加えると良いでしょう。
3-4.ズッキーニはぬか漬けにも相性が良い
ぬか床がある家庭なら、ぜひズッキーニのぬか漬けも作ってみてください。あまり知られていませんが、ズッキーニはぬか漬けにすると大変美味しいです。
ぬか床に入れる前に、かるく皮を剥いてから入れた方が漬け込み時間は短くなります。ぬか床にスペースがあるなら、まるまる1本ズッキーニを入れてしまいましょう。入れるスペースがなかったり、早めに漬け込みたい場合は、縦半分にカットしてから漬け込みます。ズッキーニのぬか漬けは、ナスとキュウリのちょうど中間の味わいとなり、とても美味しいです。
まとめ
ズッキーニは淡白な味わいが特徴であり、サラダにしても漬物にしても、とても美味しくなります。生で食べることになるので、なるべく新鮮なズッキーニを選ぶこともポイントです。
また、ズッキーニの漬物は、塩でもんで水分を絞る「水だし」をまず行うのがポイントです。その後粉からしをいれたら「からし漬け」にもなりますし、醤油をまぜたら「醤油漬け」として楽しむことができます。また、お酢と砂糖を入れることで「酢漬け」にもなるので、お好みの漬物アレンジを楽しんでみると良いでしょう。