定番になった塩麹は野菜にも使える調味料

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塩麹はブームでは終わらず、今では定番の調味料として日本の食卓になじみつつあります。しかし、塩麹を作ってしまうとどうしてもあまりがちで、困ってしまう人も多いはずです。

塩麹は肉や野菜だけでなく野菜料理にも使えるため、レシピを増やせばより楽しく無駄なく味わえるようになるのです。

1.塩麹作りは意外と簡単

shutterstock_509402827塩麹が一般家庭や料理店に浸透した理由のひとつが簡単に作れるためです。今回は塩麹初心者の方への紹介も含め、簡単な作り方をお教えします。

1-1.原料は麹と塩と水

塩麹は麹と塩と水を使って作ります。材料はこれだけで、基本的に混ぜたあとにたまに混ぜながら発酵が進むのを待つ形になります。

麹には乾燥麹と生麹がありますが、どちらの麹を使うかで必要な塩分量が変わってきます。乾燥麹の場合は100gに対して塩45g程度、生麹の場合は100gに対して塩35g程度を用意します。

塩分が低すぎれば腐敗が進む原因となるため、アレンジする場合もあまり減らさないように気をつける必要があります。最初から麹と塩を混ぜ合わせたセットも販売されています。

1-2.混ぜたら常温で寝かせる

麹と塩を用意した後は、満遍なく混ぜ合わせた上でタッパーなどに入れます。続いて、塩と麹をかき混ぜながら麹が浸る程度に水を少しずつ入れていきます。適量水を入れたら、ラップなどで蓋をして空気が抜ける状態にし、半日程度常温で寝かせるのがポイントです。

半日たつと麹が水を吸って水かさが減るため、再びかき混ぜながら水を足します。麹が浸ったら直射日光を避けて常温で寝かせ、一日一回混ぜることを繰り返します。水を入れすぎると駄目になりやすくなるため、足すのは一度だけにするのがポイントです。

甘酒のような甘い香りが漂い、色が変化しだしたら完成です。完成したら冷蔵庫に保存すれば、数ヶ月から半年程度は利用できます。

かき混ぜるのを忘れると表面が黒ずむことがありますが、基本的に無害です。室温が20度程度あれば1週間程度、冬場であれば2週間程度かかることもあるため、じっくり取り組むのがコツになります。

2.肉や魚がやわらかくなる理由は

shutterstock_382488064塩麹につけた肉や魚がやわらかくなる理由は、たんぱく質の分解を促す酵素が入っているためです。たんぱく質の分解によってうまみ成分も増えるため、やわらかくなるだけでなく味も良くしてくれるのです。

2-1.麹菌がたんぱく質を分解する

肉や魚はたんぱく質でできており、強く結びつくことでかたくなっていきます。たんぱく質の分解が進むと肉も魚もやわらかくなりますが、自然に放置した場合は腐敗の原因にもなります。

肉や魚を塩麹に漬け込むと、麹菌が生み出すたんぱく質分解酵素の働きにより、たんぱく質の分解が早くなります。たんぱく質はうまみの元や栄養源として知られるアミノ酸に変わるのです。もともとたんぱく質はアミノ酸が集まってできたもののため、よりやわらかく、うまみを感じやすく変えてくれるのです。

2-2.肉や魚を漬け込む場合は酒でのばすのがおすすめ

肉や魚を漬け込む場合に注意したいのは、塩麹はある程度保存を聞かせるために塩分が多めに入れられていることです。あまり漬け込みすぎると肉や魚に塩が強くなりすぎてしまいます。塩麹の塩分を少なくするとすぐに駄目になってしまうため、肉や魚を漬け込む際にはちょっとした工夫をしたほうが良いのです。

おすすめなのが日本酒などをつかって塩麹をのばす方法です。小さなポリ袋に一緒に入れて漬け込むなど、触れる面積を調整すればさらに使いやすくなります。ちょっとした味付けに使いたい場合は濃い目で短時間つける、じっくりつけたい場合は少しゆるめにするなど調整するとさらに使いやすくなるのです。

加熱すればアルコール分は揮発するため、過熱が前提の料理にはもってこいです。

3.塩麹と野菜を使ったレシピ

shutterstock_102151861塩麹は野菜とも相性が良く、さまざまな料理に使えます。おひたしなどに調味料として乗せるなど、工夫次第で料理の幅が広がるのです。

3-1.野菜炒めや鍋物にも

塩麹の使い方としてわかりやすいのが、食塩の代わりに使う方法です。野菜炒めに使えばうまみを加えつつ味をまとめることができ、鍋物にも塩の代わりに使うことができます。

注意したいのは使う量で、炒め物であれば野菜の量の2%程度が目安になる点です。野菜の重量の合計が200g程度であれば、小さじ1/2杯(4g)程度が目安になります。水分が出やすい野菜が多いときは仕上げに使うのがポイントになります。別途肉を使う場合は事前につけておくのもおすすめです。肉に対して5%程度の濃さが目安で、サイズが大きいものを使う場合は酒などでのばしたほうがむらなくつかります。

鍋物に使う場合は水1リットルに対して10%(100g)が目安になります。鳥の水炊きなどとも相性が良いため、塩麹の半分量で肉をつけ、半分は鍋に入れて味付けに使うなど使い分けるのもおすすめです。

3-2.シンプルにお漬物もおいしい

塩麹を使った野菜料理の代表格ともなっているのがお漬物です。適度な塩分とうまみが加わるため、非常に使いやすく、多くの野菜を漬物にすることができます。

わかりやすいのが浅漬けで、野菜に対して10%程度の塩麹を利用し、1時間程度つけるのが基本になります。長くつければ塩分がしみ、味の加減も変わってきます。

長くつけたい場合は塩麹を野菜の5%から7%程度の量に加減し、ポリ袋などに入れても見込むなど工夫をすると味がしみこみやすくなります。

注意したいのがジャガイモなどのでんぷん質が多い食材です。塩麹の中にはでんぷん質を分解するアミラーゼが含まれており、漬物を作ると水っぽく、味気なくなってしまうことがあるのです。塩麹自体が悪くなる原因にもなるため、つける野菜はしっかり選ぶ必要があります。

にんじんやキャベツ、きゅうりにダイコンなど日本におなじみの食材だけでなく、アボカドなどもおいしくいただけます。おひたしなどの調味料に使うのもおすすめで、まさしく万能調味料として使えるのです。

おわりに

shutterstock_422148916塩麹は最初から塩と麹がセットにされたものも売られており、水と混ぜて定期的に管理するだけでも作れます。

肉や魚をやわらかくするだけでなく、消化吸収も助けてくれるのも魅力です。野菜の味も引き出してくれるため、利用の方法も多く、ちょっとしたコツを知れば無駄なく使い切ることもできるのです。

 
味の幅も広がるため、まずはお試し感覚でチャレンジしてみるのもおすすめです。

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