日持ちのする「切り干し大根」煮物はもちろん、漬物にしても美味しい

作り方

冬が旬の野菜の代表として大根があります。乾燥した空気とは裏腹に、新鮮な大根は太くてみずみずしくて甘みがあるでしょう。このやさしい甘味は、干し野菜になっても失われることはありません。煮物にすることが多い切り干し大根ですが、漬物にしてもおいしく食べられます。ここでは、切り干し大根の栄養やちょっと変わったレシピ、また、保存方法による日持ちはどのくらい違いがあるのかなど、詳しく紹介します。

1.切り干し大根の栄養はスゴイ!

切り干し大根は、日本古来からある保存食です。もともとはたくさん取れた大根を無駄にしないよう、天日干しして乾燥させたことがはじまりでした。いまでは切り干し大根専用の巨大な大根も作られており、日本の食卓を彩っています。そんな切り干し大根は「食物繊維」と「カルシウム」が豊富であり、それは生の大根の実に10倍以上に匹敵するのです。

1-1.切り干し大根なら、生の大根より栄養が10倍にもアップ

大根が切干大根になると

  • カルシウムは15倍
  • 鉄分は32倍
  • ビタミンB1とB2は10倍
  • 不溶性食物繊維が20倍

カルシウムは骨や歯を丈夫にするのに欠かせない栄養です。そして女性には特にうれしい鉄分は貧血を予防し、ビタミンB1とB2は新陳代謝を促し、食物繊維は腸内環境を整えるためダイエット効果にも期待ができます。生の大根の栄養はほとんどが水分です。そのため、生の大根をそのまま食べると、あまり栄養は取れません。しかし、太陽に当てて水分を飛ばすことにより、切り干し大根は栄養素が凝縮され、生の大根の10倍以上も栄養価がアップするのです

1-2.切り干し大根はどのくらい日持ちする?

切り干し大根は、昔から日持ちをする食材として活用されてきました。袋に入れられて開封前の状態であれば、半年~1年ほど日持ちします。そのため非常食としても活用されており、一袋常備しておけば何かと安心できることもあるでしょう。

また、切り干し大根の袋を開封しても、ある程度日持ちします。袋を開けてしまうと酸化してしまうので、なるべく空気に触れないようにするのがポイントです。空気に触れると切り干し大根が茶色く変色してしまいますが、腐っているわけではありません。こうなってしまったらなるべく早く食べましょう。開封後の常温保存は1カ月が目安です。

できれば開封後の切り干し大根は、ジップロックなどに入れ、冷蔵庫で保存したほうが良いでしょう。こうすることにより、開封前と同じように半年~1年間 の日持ちが可能です。

1-3.戻し汁は捨てないで!

切り干し大根を調理するとき、まずは水に戻すのが一般的です。その戻し汁には切り干し大根の栄養素がギュッと詰まっており、捨ててしまうのはもったいないのです。

切り干し大根を戻したら、ぜひその汁は活用しましょう。切り干し大根の煮物をつくるのであれば、そのまま戻し汁を使って調理してOKです。また、みそ汁に使うことでほのかな甘みが増し、ますますうまみがでます。また、スープや煮物の際に使うのも良いでしょう。大根本来の甘みがある汁なので、カツオなどの出汁と合わせることにより非常に美味しくなります。

2.切り干し大根 漬物のレシピ

切り干し大根は、油揚げやニンジンなどと一緒に、煮物として調理することが多いでしょう。しかし、そればかりではレパートリーが同じとなり、飽きてしまうかもしれません。そこで、切り干し大根を思い切って漬物にするのがおススメです。切り干し大根の漬物といえば、ぱりぱりとした歯触りが特徴の「はりはり漬け」があります。

2-1.切り干し大根のはりはり漬け

材料

  • 切り干し大根 60グラム(一袋)
  • 昆布 5センチほど
  • 赤トウガラシ 1本
  • 合わせ調味料 水100㏄ めんつゆストレート大さじ5 お酢大さじ3 砂糖大さじ1と2分の1

作り方

  1. 切り干し大根を水で戻し、よく絞っておく
  2. 合わせ調味料を混ぜる
  3. 昆布は細切り、赤唐辛子は種を取って小口切り
  4. 合わせ調味料を小鍋に入れ、ひと煮立ちさせる
  5. 4を1に注ぎ入れ、3を入れて混ぜ合わせる
  6. 冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成

はりはり漬けは、酸味の効いたとても食べやすい漬物です。子供が食べる場合はトウガラシを少なめにすることでパクパク食べられるでしょう。はりはり漬けは、お酢が保存に役立つこともあり、冷蔵庫で1カ月ほど日持ちします。

2-2.切り干し大根のあちゃら漬け

あちゃら漬けは「甘酢」と「赤トウガラシ」を一緒に漬け込んだものです。はりはり漬けと似ていますが、こちらの方がお酢の量が多いため、夏場に食べるとさっぱりするでしょう。
材料
  • 切り干し大根  60g(一袋)
  • 赤唐辛子    1本  
  • 合わせ調味料 お酢140ml 醤油小さじ2 砂糖少々 みりん1/2カップ 料理酒1/2カップ
作り方
  1. 切り干し大根を水で戻し、よく絞っておく
  2. 合わせ調味料を混ぜ、小鍋でひと煮立ちさせておく
  3. 赤唐辛子を細かく切り、2に入れる
  4. 3と1を混ぜ合わせ、冷蔵庫に入れて保存する

あちゃら漬けの場合、はりはり漬けとは違い、醤油ベースの味が入っていません。そのためピクルスに似たような味わいになります。こちらも半日以上漬け込むと美味しくなり、2日以上漬け込んだほうがさらに美味しくなります。1で戻しただし汁は、ぜひみそ汁などに活用してください。

2-3.切干大根のピクルス

最後に、一番酸味が強い漬物であるピクルスを紹介します。切り干し大根の味わいが最も酸っぱくなるので、酸味が好きな人にはハマるレシピでしょう。

材料

  • 切り干し大根  60g(一袋)
  • ピクルス液 お酢 250cc 水 75cc ローリエ 2枚 砂糖 小2~3 塩小2 たかのつめ 2本 塩コショウ少々

作り方

  1. 切り干し大根を水で戻し、よく絞っておく
  2. ピクルス液の材料を混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせる
  3. 1と2を混ぜ合わせて完成

ピクルス液は、とくに切り干し大根用の分量、といったことはありません。どの野菜にも活用することができるので、お好みの野菜を同時に漬け込んでもOKです。切り干し大根のピクルスは好みがあるので、メインの野菜を漬け込むついでに少々切り干し大根を使ってみても良いでしょう。

3.切り干し大根の基本的な使い方と保存方法

切り干し大根は漬物として楽しむこともできますが、やはり定番の使い方は煮物です。ここからは、定番の煮物の作り方をおさらいし、作ったものを長持ちさせる保存方法について見ていきましょう。

3-1.切り干し大根の基本煮物レシピ

材料
  • 切干大根60グラム(一袋)
  • ニンジン1本
  • 油揚げ 2枚
  • 切干大根の戻し汁 適量
  • 合わせ調味料 酒大さじ2 みりん大さじ2 しょうゆ大さじ2 塩少々

作り方

  1. 切り干し大根は水に浸して戻しておく
  2. 合わせ調味料を混ぜておく
  3. ニンジンは細切り、油揚げも油抜きして細切り
  4. ニンジン、油揚げ、切り干し大根を順番に鍋に入れ、戻し汁を入れる
  5. 落としぶたをして中火、煮立ったら弱火で15分ほど煮る
  6. 煮汁が減ったら好みで塩を加え味を調えて完成

切干大根の煮物は、戻し汁を使うのがポイントです。戻し汁を使うことにより栄養をしっかり取ることができ、うまみやコクもアップします。お好みでシイタケなどのキノコ類を入れても良いでしょう。

3-2.「冷凍保存」なら切り干し大根の日持ちが可能

切り干し大根の煮物は、一般的に冷蔵庫で1週間ほどの日持ちが可能です。しかし、それ以上の日持ちを望むのであれば「冷凍保存」がおススメです。冷凍保存はカップ容器などに入れて小分けにしておけば、お弁当に使うこともできるでしょう。ただ、冷凍する際は水けを切っておきましょう。水気があると、自然解凍やレンジ解凍したときにべちゃっとなります。煮物にしたものはザルに上げたりキッチンペーパーで軽く水分を吸い取るのが良いでしょう。

また、切り干し大根の戻し汁が余った場合も冷凍保存がおススメです。使いたいときに鍋などに入れて沸騰させ、煮物のだし汁やみそ汁などに活用しましょう。

まとめ

ドライフルーツといった干し物は栄養が凝縮されていますが、なかでも切り干し大根の栄養は非常に高いです。生の大根と比べるとその差は10倍以上にもアップし、特にカルシウムや食物繊維といった栄養が豊富に含まれています。骨粗しょう症や貧血などに悩まされている人は、切り干し大根を積極的に食べることをおススメします。

また、いつもの煮物に飽きた人は、ぜひはりはり漬けなどの漬物に挑戦しましょう。切り干し大根特有の程よいパリパリ感が楽しめ、普段の切り干し大根とは違った味わいを楽しむことができるでしょう。

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