時短料理がはやっている現在、どれだけ便利な調理方法が出ても毎日の料理は大変です。共働き世帯が増え、子供がいる家庭ならなおさら早く夕飯の準備をしたいと考えることもあるでしょう。
そんなとき心強いレシピが「焼き浸し」です。焼き浸しは、簡単にいうとカットした野菜を炒め、その後調味料に漬け込むことにより常備野菜として活用することができます。少しでも簡単に、でもしっかりと栄養をとりたいとき、焼き浸し料理がおすすめです。
1.「焼き浸し」料理とは?
焼き浸し料理とは、野菜を油で炒め、その後調味料に漬け込むだけで簡単にできるお手軽レシピです。基本的には野菜料理となりますが、慣れてきたら肉や魚を油で炒めて、焼き浸し料理にすることもできるでしょう。
1-1.揚げ浸しとはちょっと違う
焼き浸し料理と似たものに「揚げ浸し料理」があります。代表的なものが「ナスの揚げ浸し」ですが、簡単にできそうで、実は「ナスを素揚げする」といった手間が掛かります。素揚げはただ油をたくさん引いた中に野菜をいれ、ジューっと揚げれば完成です。しかし、素揚げで使い終わった油の処理は手間取ることもあるでしょう。調理油として使うこともできますが、素揚げで使った油を再び冷めてから容器に入れて保管する…といったひと手間は思いのほか面倒です。
その点、焼き浸しの下処理は「焼くだけ」なので、大量の油を用意したり、油を捨てたりといった手間が掛かりません。焦げ目がつくこともありますが、味や食べた感触は揚げ出し料理とほとんど変わりないのです。
1-2.基本の焼き浸しを覚えよう!
まずは基本的な焼き浸しレシピを覚えましょう。
使う野菜にルールはありません。基本的には何でもOKであり、葉野菜よりかはナスやピーマンといった夏野菜、根菜類がおすすめです。また、きのこや香味野菜も合います。
おすすめの野菜は、ナス、ズッキーニ、アスパラガス、インゲン、ニンジン、ピーマン、パプリカ、しめじ、エリンギ、しいたけ、など。色とりどりの野菜やキノコ類を使えば、見た目も美味しそうでしょう。
簡単なレシピの流れは次のようになります。
- 野菜をカットして、オリーブオイルをフライパンにたっぷり引いて焼く
- 焼いた野菜を、めんつゆと水1対1の同じ分量で混ぜたものに浸す
- 冷蔵庫で2時間以上冷やす
以上で終了です。とても簡単なレシピというのが分かったと思います。めんつゆは焼き浸し料理のなかで最も簡単な漬けダレです。また、めんつゆの濃度が3倍濃縮の場合は、めんつゆ1に対し水2.5とし、少々濃いめのめんつゆにつけましょう。また、お好みの漬けダレでアレンジすれば、焼き浸し料理のレパートリーも増えます。
2.焼き浸し料理を作ろう
焼き浸し料理は、冷蔵庫にある野菜はもちろんのこと、キノコ類も合います。まずは定番の「なすの焼き浸し」から見ていきましょう。
2-1.なすの焼き浸し
材料
- なす 3本
- ショウガ すりおろし大さじ1
- しそ 5枚ほど
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 大さじ1.5
- オリーブ油 大さじ1
作り方
- なすは縦に4つほどにカットする、水にさらして簡単にアクを抜く
- オリーブオイルをフライパンに引いて、ナスを入れて焼く
- 醤油、佐藤、ショウガを容器に混ぜ合わせて、千切りした青しそを加えておく
- ナスが焼けたら熱いうちに容器に入れ、3の調味料を注ぐ
- 冷蔵庫で1時間ほど寝かせて完成
焼き浸し料理のなかでも、ナス料理は定番です。ここではナスに合う調味料を手作りしていますが、時間がない方はめんつゆと鰹節を混ぜたもので代用しても良いでしょう。仕上げに白ごまを振りかけても美味しいです。
2-2.簡単 長ネギの揚げ出し料理
材料
- 長ネギ 2本
- オリーブオイル 大さじ1
- 合わせ調味料 醤油30㏄ お酢50㏄ 砂糖大さじ1 サラダ油小さじ1 ショウガ、すりおろしにんにくチューブ 各1センチほど
作り方
-
ネギは4~5センチのぶつ切りにする
- フライパンにオリーブオイルを引いて、ネギを転がしながら焦げ目がつくまで焼く
- 合わせ調味料を混ぜ、レンジで1分ほど温め、砂糖を溶かす
- 焼いたネギを3のあわせ調味料に熱いうちに漬け込む
- 粗熱が取れたら冷蔵庫へ、1時間ほど寝かせて完成
長ネギもナスと同様、焼き浸し料理にはぴったりの食材です。できた料理はそのまま食べるのはもちろん、肉料理やラーメンにトッピングすれば、栄養バランスのとれた一品となるでしょう。お酢の量は好みで調整すると、さらに違う味わいが楽しめます。
2-3.焼き浸し料理のタレを変えてアレンジ!
ここまではめんつゆをメインとした焼き浸し料理を紹介しましたが、ここでは漬け込むタレについて違うレパートリーを紹介します。どれも違う味わいになるので、ぜひ挑戦してみてください。
2-3-1.にらダレで焼き浸し
材料
- ニラ 一束
- 以下調味料
醤油 50㏄ 寿司酢(もしくは甘みのある万能酢)60㏄ みりん10㏄ 砂糖大さじ1 ごま油大さじ1 すりごま大さじ1
作り方
- 調味料を混ぜ合わせておく
- ニラを細かく刻み、1の調味料に混ぜ合わせる
ニラダレばどのような調味料にも合う万能調味料ですが、焼き浸しのたれとして使うのも絶品です。濃いめの味付けなので、焼いた野菜に対し3割程度浸かるくらいの分量でよいでしょう。また、時間のたったニラダレに漬け込むと、辛みが生じることも多いです。大人にとってはピリ辛の絶品料理となりますが、子供にはやや辛いこともあるので注意しましょう。
2-3-2.白だしを使ってもっとお手軽に
材料
- 白だし 大さじ1
- 水 200ml
- オリーブオイル 少々
作り方
材料を全て混ぜ合わせる。焼いた野菜を漬け込めば、白だしならめんつゆよりも見た目がきれいに仕上がる。
白だしはめんつゆよりも味が濃いため、それほど分量は必要ありません。めんつゆに漬け込むと全体的に茶色っぽくなりますが、白だしなら野菜の色も鮮やかに残すことができるでしょう。塩分も控えめなので、血圧を気にする方にもおすすめです。
3.焼き浸しのメリット
焼き浸し料理は、何しろ簡単にできるというメリットがあります。また、それだけではなく、野菜をたくさん食べられたり、洗い物が楽だったりと、数多くのメリットがあります。
3-1.焼き浸し料理は、野菜がたくさんとれる保存食
焼き浸し料理は野菜を中心に調理するので、野菜不足を補うことができ、保存食としても活用することができます。漬物とは違い長期間の保存は難しいのですが、一度作って冷蔵庫に入れておけば、4~5日間は保存することができるでしょう。それだけ日持ちをすれば、食事のときにいつも付け合わせ料理として出すことも可能です。忙しくて毎日の料理になかなか手が加えられない人でも、たとえばメイン料理のコロッケだけを買い、あとは焼き浸し料理を添えれば栄養バランスの取れた食事になります。
3-2.魚焼きグリルも使える
焼き浸し料理の調理は主にフライパンを使いますが、野菜を魚焼きグリルで焼いてお好みのタレに漬け込むだけで、十分美味しい一品ができます。魚焼きグリルを使えば、コンロを使っているときも同時に調理ができるので、ますます時間短縮になるでしょう。また、オイルを使わないで焼くこともできるので、カロリーはかなり控えめになり、ダイエットをしている人にも向いています。とりあえず野菜を大量に焼いておき、そのあとはタレの種類をわけて漬け込んでおくのも良いでしょう。ダイエット用の白だし、ピリ辛が好きな人のためのにらダレ、子供用の味付けであるめんつゆなど、味を分けることにより全く違う料理に変身することもできます。
まとめ
夕食のメインになることが多い煮物や炒め物は、調理に時間が掛かったり、洗い物が増えたりすることが多いです。毎日手の込んだ料理を作っていると、そのうち料理をすること自体が嫌いになり、献立選びにイライラすることもあるでしょう。
そんなときこそ焼き浸し料理はおすすめです。たくさん野菜を焼いてタレに漬け込むことにより、メイン料理の副菜としていつでも活躍することができます。今日はコロッケ、明日は焼き魚、その次はフライドチキンなど、メイン料理を決めるだけで献立を回すことも可能です。焼き浸し料理は、野菜本来の甘みや美味しさも感じることができるため、子供にも人気です。さっそく今日から焼き浸し料理を作り、栄養バランスの取れた食事を簡単に作っていきましょう。