しそを育てた経験のある方はご存知だと思いますが、旬のときには食べきれないほどワサワサと葉が茂ります。育てたしそを放置すると、葉がどんどん虫に食われたり、生育する葉が小さくなったりと、もったいないことも多いでしょう。
しそが美味しく食べられるのは若い葉が中心です。成長しすぎてしその葉が固くならないうちに、次々に収穫して美味しいジェノベーゼソースにしましょう。ここでは、しその葉をジェノベーゼソースにする作り方やそのメリットについて紹介します。
1.ジェノベーゼとは?
ジェノベーゼとは、イタリアうまれのソースであり、 バジルを中心としたペーストのソースです。松の実にチーズ、オリーブオイルなどを加え、香りや風味、味も豊かに仕上げます。パスタにかけて食べるのが最も有名ですが、肉や魚料理にも十分活躍することができるでしょう。今日はしその葉を用いてジェノベーゼソースを作っていきましょう。
1-1.しそで作るジェノベーゼのメリット
ジェノベーゼといえば一般的にはバジルの葉を使います。しかしガーデニングでバジルの葉を育てていない限り、なかなかソースにする量のバジルを手にすることはできないかもしれません。
その点しそならスーパーで売られていることも多く、また園芸として育てている家庭も多いです。とくに自分でしそを育てている場合、生育の良い野菜のため、無駄に使わないのが難しいほどたくさんのしそが取れることもあるでしょう。しそでジェノベーゼが作れれば、その豊富な栄養素をしっかりと取ることもでき、葉を無駄にすることもありません。コストパフォーマンスにもすぐれて、非常にお得です。
1-2.しそには驚くほど栄養価が含まれている
しそには青しそと赤しそがありますが、ジェノベーゼソースに用いるのは青しそのほうです。赤しそでも同じことが言えますが、しそには驚くほど高い栄養素が濃縮されています。まずβカロテンの含有量が野菜のなかでもトップクラスを誇ります。βカロテンは体の新陳代謝を促し、美肌効果の高い栄養素です。抗がん作用も高いとされ、日々βカロテンを取り入れることにより健康や美容に役立てることができます。
またしそにはビタミンやカリウム、鉄分やマグネシウムなどもバランスよく含まれています。食物繊維も豊富なので、便秘に悩む人にとってもおススメの食材です。しそにはこうした高い栄養素が含まれているため、昔から漢方薬として用いられてきました。ジェノベーゼソースでは多くのしその葉を使うため、効率よくしその栄養を取ることができるでしょう。
2.しそでジェノベーゼソースを作ろう
ではさっそくしそでジェノベーゼソースを作っていきましょう。いろいろな作り方がありますが、ここでは「簡単に」「誰でも作れる」ジェノベーゼソースを紹介します。
2-1.しそのジェノベーゼソース 作り方
材料
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青しそ 50枚ほど
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オリーブ油 50cc
- 塩 小さじ1/2
- 粉チーズ 大さじ2
作り方
- 青しそは水でよく洗い、水分を拭きます
- 洗ったしそを手でちぎり、ミキサーに入れます
- ミキサーにオリーブオイル、塩、粉チーズも入れてミキサーにかけます
- 保存瓶などに入れて冷蔵庫に保存します 1週間ほど持ちますが早めに食べたほうが美味しいです
このレシピ方法は非常にシンプルなので、松の実といった材料は加えていません。もちろんお好みでミキサーにかけるときに松のみやピーナッツなどを加えても良いでしょう。また、フードプロセッサーがない場合、すり鉢で材料すべてをつぶしてもOKです。
2-2.好みのジェノベーゼソースを作ろう
しそのジェノベーゼソースは、基本的に材料すべてをフードプロセッサーにかけることで完成します。大量のしその葉とプロセッサーがあれば、その場で簡単にできるのです。
ジェノベーゼといえば松の実を入れることが基本ですが、「ニンニク」「カシューナッツ」「ピーナッツ」などで代用しても全然かまいません。また「海苔」や「ゴマ」を加えると、和風ジェノベーゼになるため、ごはんにかけても美味しいでしょう。この場合は塩を少し多めに入れることがポイントです。全ての材料をミキサーに入れ、お好みの硬さにペーストしましょう。
煮沸消毒した保存瓶に入れると、冷蔵庫で2週間は保存できます。しかし自家製のジェノベーゼは保存料を一切含んでいないため、空気に触れるたびに劣化してしまうでしょう。一週間以上たつと、しその緑色がだんだんと変色してしまうこともあります。そのため、作ったら早めに食べることがおすすめです。
2-3.定番はパスタソースとして
しそのジェノベーゼソースは、定番として食べるにはやはりパスタがおすすめです。そのままパスタにかけて食べるのはもちろんですが、少々塩気が足りないこともあるので、パスタをゆでる際に塩をまぜてゆでておきましょう。
また、パスタソースとして使うには相性の良い具罪がたくさんあります。「生ハム」「エビ」「キノコ類」など、これらをジェノベーゼソースとまぜて使うことにより、風味を豊かにしてますます美味しくなるでしょう。しかもジェノベーゼソースにつかったしその葉がまだ余っているならば、パスタの上に大まかにちぎって使うのも良いでしょう。これによりますますしその風味が増し、見た目も色鮮やかになって食欲をそそります。
3.しそのジェノベーゼソース、アレンジレシピ
しそのジェノベーゼソースは、一度作っておくことで多くの料理に使うことができます。定番のパスタだけでなく、イタリアン料理はもちろん和風料理にも便利です。ではアレンジレシピの数々を見ていきましょう。
3-1.白身魚と相性はピッタリ
ジェノベーゼソースは白身魚と非常に相性が良いです。フライにしたあとソースを添えれば、見た目も豊かで豪華な魚料理が完成します。
白身魚のフライ ジェノベーゼソースあえ
材料
- 白身魚 2切れ
- ジェノベーゼソース適量
作り方
- 白身魚は塩コショウで下味をつけ、小麦粉をまぶし油で揚げます
- 揚げた魚にジェノベーゼソースを添え、ブロッコリーやトマトなどを添えて色鮮やかに盛り付けましょう
白身魚はカジキやタラ、キスなど、何でも良いです。またイカフライにジェノベーゼソースをかけても美味しいでしょう。この料理は見た目も豪華で、白ワインが合います。ちょっとした記念日に、お客様が来た時に、簡単に作ることで食卓を華やかにしてくれるでしょう。
3-2.ピザやリゾット、主食にも何でも合う
パスタソースとして使えるジェノベーゼソースですが、パスタ以外の主食にもしっかりと合わせることができます。
まずはパスタと同じように人気のあるピザです。ピザ生地に具罪を乗せ、ジェノベーゼソースを全体にかけて焼けば、栄養価も高いジェノベーピザの完成です。また、リゾットの具材としても人気があります。ニンニクとバターでいためたご飯に、キノコとジェノベーゼソースをまぜ、コンソメと水をまぜて伸ばしながら炒めれば、美味しいリゾットの完成です。仕上げに粉チーズをたくさん振りかけましょう。
また、焼いたジャガイモ、ゆでた野菜のソースにもジェノベーゼソースはピッタリです。とくに青しそで作ったジェノベーゼソースなら、ほかの食材との相性も良く、熱を加えることでビタミンAを効率よくとることができます。グラタンを焼く前にジェノベーゼソースをかけたり、炒めるときにジェノベーゼソースを混ぜることにより、魚や野菜のビタミンAをしっかりと取ることができます。
3-3.しそのジェノベーゼは、とくに夏におすすめ
しそは夏場を中心に栽培される食材です。とくにジェノベーゼを作るには大量のしそが必要であり、夏にたくさん育つしそを使うことにより、栄養価の高いソースを作ることができるでしょう。
しそは「夏バテ防止」にも有効な食材です。豊富なビタミンが含まれている以外にも、鉄分やミネラル分が豊富であり、独特の香りは夏バテで疲れた体に食欲増進効果があるといわれています。また抗酸化作用も強く、しその葉は刺身のツマに使われているほど殺菌効果があることで有名です。そのため夏の料理に使うことでも安心感があり、保存料を加えていないのにも関わらず、ジェノベーゼソースにすると1週間は保管することができます。しそは夏にたくさんとれる食材だからこそ、夏場の疲れた体に効く栄養価の高い食材です。
まとめ
ガーデニングで育てたしそが育ちすぎて、毎年しそを無駄にしてしまう人も少なくないようです。そんなときはぜひジェノベーゼソースに活用し、豊富なしその栄養を無駄にしないよう使ってみましょう。作ったしそのジェノベーゼソースは、クセがなく、まろやかな味わいが特徴です。パスタやピザ、ご飯といった主食とも相性が良く、野菜や肉、魚のトッピングとしても十分使うことができます。しそがたくさん手に入ったときはぜひ、ジェノベーゼソースに活用し、お好みの味にアレンジして楽しんでみましょう。