ワンステップアップの酒粕使い!「わさび漬け」の作り方

「粕漬け」で作る焼き魚や野菜の漬物は風味が豊かで、いつもの具材をごちそうに変えてくれます。粕漬けは「百薬の長」とまで言われる栄養食です。甘酒として活用するのはもちろん、多くの料理に有効活用することができるでしょう。

ただ、粕床は作った後に余ることもあります。そんなときは新鮮なわさびとともに「わさび漬け」を作ってみてはいかがでしょうか。お酒のおつまみに、ごはんのお供に、手作りのわさび漬けは食卓を豊かにしてくれます。

1.そもそもわさび漬けとは

わさび漬けは、旅館の食事や旅行のお土産として売られていることが多いです。しかし、家庭でも簡単に作れるということは、あまり知られていないかもしれません。ここでは、まずわさび漬けとは何かを見ていきましょう・

1-1.わさび漬けの有名な産地は静岡

わさび漬けとは、刻んだワサビの葉や茎、根の部分を酒粕に漬けたものです。わさびの粕漬けとも言われています。

わさびは江戸時代から親しまれている薬味ですが、それが加工されるようになったのは、江戸時代後期です。現在でもわさびの産地として有名な静岡県の商人が考えたといわれています。わさび漬けとして世に出回るようになったのは、明治時代です。東海道線が開通し、静岡県でお土産として売られるようになってから、わさび漬けの知名度は非常にアップします。このころから、わさび漬けといえば静岡県と言われるようになりました。現在でも静岡にはたくさんのわさび漬けが売られていますが、わさびのりや、わさびみそ、数の子入りなど、いろいろな種類のわさび漬けが開発されています。

1-2.わさびの旬は?

わさび漬けは、粕床があれば簡単に作ることができます。ただ、新鮮なわさびがあれば尚更良いでしょう。

わさびの旬は「晩秋」です。10月中旬頃から12月がもっとも美味しい時期だといわれています。わさびはキレイな水がある場所でしか成長できません。春から夏にかけてはわさびの成長期であり、取って食べることはできても、辛みは弱いのが特徴です。そのため、冬の初めに出回るわさび漬けが最も美味しいといわれており、手作りをするにもこの時期がおすすめです。

1-3.わさびの保存方法とは

生のわさびを手に入れることは、なかなか難しいかもしれません。それでも、静岡をはじめお土産などで生わさびを購入することは可能です。

わさびの保存方法は「ラップで包んで冷蔵庫の野菜室に保管」するのが基本です。間違った情報として、濡れた新聞で保存するというやり方があります。一見すると水分を吸って新鮮な状態が保てるように見えますが、わさびは水道水が苦手です。成長した清流とは違う水につけてしまうと、品質が劣化するので注意しましょう。

また、冷凍保存も向いていません。凍ったわさびをあらいおろし金で卸す方法もありますが、非常に硬くてすり下ろせないことが多いです。また、解凍したわさびはぐちゃぐちゃになり、風味も味もすっかり落ちてしまうため、基本的に冷凍はしない方が良いでしょう。

2.手作りのわさび漬けを作ろう

わさび漬けは市販で売られていることも多いですが、「かす床」と「生わさび」さえあれば、簡単に手作りできます。また、市販のチューブわさびを使ってのわさび漬けも可能です。

2-1.まずはかす床を作ろう

普段から魚の粕漬けなどを作っている人なら、かす床は家にあるかもしれません。しかし、そうした習慣がないとかす床が保存してあることは少ないでしょう。かす床は、酒かすとアルコールがあればあっという間に作ることができます。

材料

  • 市販の酒かす100g
  • 焼酎、もしくは、みりん 50ml
    作り方
  1. 酒かすと焼酎を耐熱容器に入れる、板状の酒かすの場合は手でちぎる、ラップは不要
  2. 電子レンジ600Wで40秒ほど加熱する
  3. 40度くらい(お風呂のお湯くらい)の熱さになったら、しっかりかき混ぜる
  4. ペースト状にして完成

できたかす床は、わさび漬けにするのはもちろん、魚料理や肉料理に使うことができます。いずれにせよ1時間以上漬け込むことで、素材のうまみを引き出し、やわらかくすることができるでしょう。

2-2.基本のわさび漬け

材料

  • 生わさび(葉が付いているもの)150グラム
  • 塩 小さじ2分の1
  • かす床 50グラム
  • みりん 小さじ2

作り方

  1. わさびをよく洗い、黒い部分を削り取る。きれいな葉や根の部分を細かく刻む
  2. 刻んだわさびと塩をジップロックに入れ、空気を抜いてもみこむ。そのまま一晩冷蔵庫で寝かせる
  3. 2の水分をキッチンペーパーなどで取り、かす床と混ぜ合わせる
  4. 保存容器に入れて一晩寝かし、完成

生のわさびは、まず塩と一緒にもみこんでおくのがポイントです。こうすることで、辛すぎず、マイルドな味わいのわさび漬けを楽しむことができるでしょう。

2-3.チューブわさびで作るわさび漬け

もっと手軽にわさび漬けを楽しむ方法として、チューブのわさびを使う方法があります。かす床とチューブわさびを混ぜ合わせれば、即席のわさび漬けも完成するのですが、もっと美味しく作る方法としては、酒かすから作るのがおすすめです。

材料

  • 酒かす 100グラム
  • チューブわさび 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 白みそ 小さじ1
  • ドライ柚子(あれば)小さじ2

作り方

  1. 酒かすは細かく刻む
  2. 1に、わさび、みりん、白みそを加えて練る。固かったら少しずつみりんを足す
  3. なめらかに混ぜたら、ドライ柚子を加えて完成

チューブわさびとはいえ、生のわさびと変わらないほど香り豊かな風味が楽しめます。最近では、チューブわさびのなかにも刻みわさびといったものもあるので、好みによって使い分けてみても良いでしょう。

2-4.長いものわさび漬け

わさび漬けは、わさびそのものを使ったレシピと、野菜が主役になるものがあります。きゅうりや大根などで作っても美味しいですが、代表的な野菜のわさび漬けといえば「長いも」があります。

材料

  • 長いも 10センチ
  • チューブわさび 小さじ1
  • 水 100㏄
  • 白だし 大さじ2
  • 昆布茶 小さじ1
  • 赤トウガラシ 1本

作り方

  1. 長いもは皮をむき、食べやすい大きさにカットする
  2. わさび、水、白だし、昆布茶、赤トウガラシを容器に入れてよく混ぜ合わせる
  3. ジップロックに1と2を入れ、冷蔵庫で二日ほど寝かせる

ただ漬け込むだけのレシピなのでとても簡単です。辛いのが苦手な人はわさびの量を減らし、しっかりとした味付けが好きな人は、白だしの量を多めにしてみましょう。シャキシャキとした感触と、長いもの粘りがとても美味しく、ピリッとした味付けがクセになる一品です。

3. わさび漬けの美味しい食べ方、保存方法は

わさび漬けはそのまま食べても美味しいですが、一度に大量の量を消費することはできません。また、かまぼこに添えて食べるといった方法なら、ほかの食材の栄養も取ることができます。ここからは、わさび漬けのあれこれについて見ていきましょう。

3-1.わさび漬けの美味しい食べ方

わさび漬けは、お酒のおつまみとしてそのまま食べる方法もありますが、何かの食材と一緒に食べたほうが美味しいこともあります。おすすめの食べ方は次のようなものがあるでしょう。

  • かまぼこに添えて食べる
  • 納豆に混ぜて食べる
  • サンドイッチのマスタード代わりとして
  • とりの照り焼きのアクセントソースとして
  • めんつゆに添えて食べる

ついついあまりがちなわさび漬けですが、上記のようにしてアレンジして食べると消費も早いです。とくに、納豆に混ぜて食べるのはおすすめです。納豆の臭みを消す効果もあり、非常に味がなじんで納豆が苦手な人でも食べやすくなるでしょう

3-2.わさび漬けの保存方法とは

わさび漬けは、密封容器に入れて冷蔵庫に保管するのが基本です。もし、食べきれないと感じた場合は、ラップなどに包んで冷凍保存しましょう。

特に、手作りのわさび漬けの場合、火も通さずに生のまま調理することが多いです。保存料なども含まれていないわさび漬けは、高温、多湿の場所に置いてしまうと水分がどんどん出てしまい、痛む原因にもなります。そのため、食べるときもなるべく食べる量だけをお皿に盛り、残りは冷蔵庫に入れておくようにしましょう。

3-3.生わさびは塩漬けすることが大切

最後に、生のわさびを使ってわさび漬けを作る場合、まずはわさびだけを塩漬けするのがポイントです。上記の作り方にも紹介しましたが、かす床につける前に、塩でもみこみ、冷蔵庫で一晩寝かせます。この作業を行わないと、わさびの苦みが出てしまうのです。わさびの旬は冬と伝えましたが、実は旬のわさびほど苦みは多く、塩漬けの手間が欠かせません。塩で漬け込むことにより、わさび本来が持つうまみを引き出し、同時に苦みやアクを取り除くことになります。

また、若い青々としたわさびを使ってしまうと、あまり美味しくありません。わさび漬けを手作りする場合は、大きめの丸々と太った、熟成わさびを選ぶようにしましょう。

まとめ

わさび漬けは、買ったりお土産としてもらったりすることが多いかもしれません。しかし、少量のかす床と、生わさびかチューブわさびでもあれば、簡単に手作りすることが可能です。わさびは抗菌作用があるほか、食べることで消化の分泌を促し、ダイエット効果もあるといわれています。ぜひ家庭でかす床とわさびを使い、手作りのわさび漬けを作って健康効果に役立てていきましょう。