七草といえば春の七草がゆ、そして「秋の七草」も覚えておこう

七草と聞くと、まず思い浮かぶのは’’春の七草’’でしょう。食いしん坊でなくても、七草がゆを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?

ただ、春の七草と違い「秋にも七草がある」ということはあまり知られていないようです。朝がちょっとひんやりしてきた、日が暮れる時間が早くなってきた、などと感じたら、それはもう秋です。ここでは季節の移り変わりを感じる「秋の七草」について紹介します。

1. まずは春の七草のおさらい

七草といえば春の七草です。しかし、近年ではこの春の七草についても知らない人が増えてきました。七草を簡単に説明すると


七草(ななくさ)は、人日節句1月7日)のに、7種の野草あるいは野菜が入った七草粥)を食べる風習のこと。

参照https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E8%8D%89

となっています。1月7日に七草がゆを食べることは、スーパー売り場などで知る人も多いかもしれません。特に祝日として定められていることではないので、七草の日を覚えている人は少ないともいえます。

1-1.春の七草は江戸時代に広まった

そもそも、春の七草は、1月7日に七草粥を食して「1年の無病息災」などを祈るために設定されました。その風習は江戸時代から始まったとされています。当時は医学も進んでおらず、冬の寒い時期に風を引くと命取りになる時代でした。そこで栄養価の高い野草を集めて七草がゆにすることにより、家族の健康を祈ったのです。

七草の種類は「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」です。いずれにせよ、あまり聞きなれない野草かもしれません。唯一、スズナはかぶ、スズシロは大根の葉のことであり、馴染みがあるといえるでしょう。それでも現在では「カブの葉」「大根の葉」と呼ぶことが多いので、スズナやスズシロという言葉自体には馴染みが薄いといえそうです。

1-2.胃腸の回復に効果的

七草の多くは、日本におけるハーブともいえます。特に、スズナやスズシロにはジアスターゼと呼ばれる胃腸の働きを促進する成分が含まれているため、食べることで胃腸の回復効果に期待ができるのです。江戸時代の場合、真冬の時期は肉や魚を捕ることも難しく、七草がゆはある意味ごちそうでした。現代ではちょっとあっさりしすぎているレシピとも言えますが、お正月を過ぎて食べすぎてしまった胃腸の回復にはピッタリの料理です。

また、昔の七草は、まな板の上で刻むとき、トントンと刻む回数も決められていたらしいです。その回数により、無病を願ったり、災いが起きないよう祈ったりしたといわれています。そして、春の七草は、早春にいち早く芽吹きはじめることから「邪気を払う」ともいわれていました。この時期にはほかにも多くの野草があるものの、あえてこれらの七草を選んでいるのには、こうした訳があるからでしょう。

1-3.春の七草はハーブの役目もある

先ほど軽く紹介したように、春の七草には「ハーブ」としての役割もあります。主にどのような成分が含まれているのか見ていきましょう。

  • セリ 鉄分を多く含み、貧血防止や造血作用に期待ができる
  • スズナ 利尿作用がありむくみを防止する。昔は解熱剤として活用されることもあった
  • ハコベラ ミネラル、ビタミン共に豊富。たんぱく質も多く含まれているので、薬草としても親しまれてきた
  • スズナ、スズシロ 胃腸の回復に役立つジアスターゼを多く含む

この他の七草にも、ビタミンは多く含まれ、食物繊維を摂ることにも期待ができます。特に現代は緑の食べ物が不足がちになることが多いので、1月にはぜひ七草がゆを楽しんでみましょう。

2.あまり知られていない、秋の七草とは

ここからは、秋の七草について詳しく見ていきましょう。秋の七草は、その名前も聞いたことがない、という人もいるかもしれません。しかし、春に野草がたくさん生えるのと同様に、秋には秋の七草が元気にそろいます。ただ、秋の七草の特徴は、春の七草とは違い、食べる目的で作られてはいないのです。

2-1.2首の歌が秋の七草のはじまり

そもそも「秋の七草」が誕生したきっかけは、万葉集に収められている山上憶良の2首の歌が始まりといわれています。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」

参照 https://www.hibiyakadan.com/lifestyle/z_0067/

歌の内容は、分かりやすくいうと「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種類ある」とうたっています。つまり、厳密には草ではなく秋の花のことをうたっているのです。

2-2.秋の七草は鑑賞することが目的

それぞれの花は、萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花です。「朝貌」は読み方はまさに「あさがお」ですが、秋に咲く花とは考えられません。そのため諸説ありますが、現在では桔梗(ききょう)が正しいとされています。

春の七草は七草がゆとして楽しむ目的がありましたが、秋の七草の場合、その美しさを鑑賞して楽しむものです。一つ一つの花をじっくりと鑑賞することが大切とされ、7種すべての花を一緒に祭祀などに使用することはタブーとされてきました。また、目で見て楽しむ以外にも、花やその草を薬草として活用してきた歴史があります。

2-3.秋の七草、花の形や花言葉を見ていこう

秋の七草は、七草とは言っても正確には花を意味します。ここからは、秋の七草における花言葉を見ていきましょう。また、それぞれの花における写真も載せるので、見たことがあるかどうかチェックしてみてください。

2-3-1.萩(はぎ)

萩は、草かんむりに秋という字で成り立つ、まさに秋に咲く美しい花です。お彼岸におそなえするものとして「おはぎ」がありますが、名前の由来はこの萩から来ています。萩の花言葉は思案、内気、想い、前向きな恋です。美しい花にふさわしい、可愛らしい恋心が表現されています。

2-3-2.尾花(おばな)

尾花は、別名「すすき」です。すすきという名前なら、イメージしやすい人も多いのではないでしょうか。お月見には欠かせない植物であり、こちらも秋を代表する植物でしょう。尾花の花言葉は勢力、生命力、活力、隠退、悔いなき青春 です。

2-3-3.葛(くず)

葛は、葛湯や葛切りなどで有名な植物です。お菓子の名前で使われているだけでなく、「葛根湯」などの漢方薬として使われています。葛の花を見たことがないという人も多いですが、実際にはとても華やかで美しい形をしています。花言葉は漢方で使われるのにふさわしく、治療、活力、根気、努力などを表します。

2-3-4.撫子(なでしこ

「やまとなでしこ」の名前でも有名な撫子は、可憐な淡紅色の花を咲かせるイメージ通りの花です。清少納言の枕草子でも多用されており、すべての草花のなかで最も美しい花として称賛されています。撫子の花言葉は、純愛、無邪気、思慕、貞節です。

2-3-5.女郎花(おみなえし)

漢字を見るとかなりインパクトのある女郎花ですが、その名前の由来は「美女を圧倒するほど美しい花」と言われているからです。優雅で美しいだけでなく、女郎花の草と根っこは鎮痛剤などにも活躍してきました。花言葉は美人、親切、はかない恋、心づくしです。

2-3-6.藤袴(ふじばかま)

藤袴は、花の形が筒状で、袴のように見えることからこの名前が付けられました。見た目の美しさだけでなく、藤袴は香りが強いのも特徴です。昔は乾燥させて香りを出し、香水の役割としても活躍してきました。花言葉は、遅延、躊躇、思いやり、あの日を思い出す、となっています。

2-3-7.桔梗(ききょう)

桔梗は花のなかでもメリハリのある形をしており、昔は武士の家紋として使われてきました。ちなみに「桔梗信玄餅」は山梨の銘菓で有名ですが、武田信玄の家紋ではありません。桔梗を家紋としていたのは明智光秀です。有名な花なのに絶滅危惧種に指定されており、自然界のなかで見かけることは少なくなってきました。桔梗の花言葉は清楚、気品、誠実、従順、変わらぬ愛、です。

まとめ

今回は、春の七草、秋の七草をともに紹介しました。春の七草は七草がゆとして食べることがメインとなっていますが、秋の七草は美しい花を愛でることが目的とされています。それぞれの時期になったら道端に生えている野草や花に注目し、七草を意識して探してみるのも楽しいでしょう。

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