じゃがいもでさっぱり味の箸休め いもなますの作り方

なますと言えば、お正月のお節料理に必ず入れる、大根とにんじんの酢の物を思い浮かべる方が多いかもしれません。また、野菜だけでなく、タコやイカといった魚介類が入ったなますも美味しいでしょう。

しかし、なますはそのような食材でできているだけではありません。長野の信州地方では、「いもなます」というじゃがいもを使ったなますが、家庭料理として食卓によく登場します。今回は、作り方も簡単で、シャキシャキとした歯ごたえが特徴の、いもなますについて詳しく紹介します。

1.そもそも「なます」とは

お正月料理のイメージが強いなますですが、なます定義したものは次のようになります。


日本では魚介類や野菜類、果物類を細く(あるいは薄く)切り、を基本にした調味料で和えた料理に発展した。日本の膾については酢の物ともよばれる。

参照https://ja.wikipedia.org/wiki/膾

ちなみに、なますを漢字で書くと「膾」となります。見慣れない字ですが、なますは江戸時代から食卓に並べられている料理であり、当初は主役のおかずとして庶民に親しまれてきました。

1-1.長野県飯山市発祥、いもなます

なますは、地域ごとにさまざまな材料が使われています。特に、長野県の飯山市発祥である「いもなます」は、じゃがいもを使ったなますであり、他の県ではあまり見ることがありません。

いもなますが誕生したのは江戸時代であり、その当時は冠婚葬祭といった大切な日にふるまわれていた、といわれています。その理由としては、江戸時代のいもなますはジャガイモに含まれるでんぷんを丁寧に取り除いており、手間が掛かる料理だからこそ、大切な日にしか出されなかったそうです。

1-2.江戸時代のいもなます

いもなますの詳しい作り方は後述しますが、基本的には千切りにしたジャガイモを水にさらし、お酢を中心とした調味料で炒めることでできあがります。ただ、いもなますが誕生した江戸時代のいもなますの場合、いまとはかなり違うレシピでした。

  1. 洗ったサトイモを皮のまま蒸し、柔らかくなったら皮をむく。

  2. スズキなど)をさばいて細切りにし、塩をなじませ、水気をふき取り、調味料で味を付ける。

  3. 食器に盛り付け、針ショウガ・うま酢をかける。

参照https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%BE%E3%81%99

スズキやタイといった魚がトッピングされており、現在のいもなますよりも随分豪華なイメージがあります。じゃがいももあらかじめふかしてから調理をするので、シャキシャキした歯ごたえというより、ふんわりとした触感だったのかもしれません。

1-3.シャキシャキした触感が特徴

いもなますの特徴は、じゃがいものシャキシャキした触感です。ジャガイモを千切りする料理はたくさんありますが、その多くが揚げたり焼いたりで、ホクホクとした触感になるでしょう。しかし、いもなますの場合は、長時間でんぷんをさらすことでジャガイモの固さを引き出し、火を通し過ぎないことでシャキシャキ感が出るのです。

そのため、はじめていもなますを食べた人の多くは「長いも」や「生のレンコン」などと勘違いすることもあるそうです。また、普段はあまりジャガイモを食べない人でも、いもなますの歯ごたえが気に入り、この料理だけはしっかり食べられる、という人も多いそうです。

2.いもなますを作ろう

いもなますは、ジャガイモさえあれば簡単に作ることのできるレシピです。ケチャップや唐辛子などをお好みでアレンジするレシピもありますが、まずはシンプルな基本のいもなますの作り方を見ていきましょう。

2-1.いもなます 基本のレシピ

材料

  • じゃがいも(男爵がおすすめ) 中2個
  • 油 大さじ3
  • お酢 大さじ3
  • 砂糖 大さじ4
  • 塩 大さじ2分の1

作り方

  1. ジャガイモは皮を剥き、細い千切りにする
  2. 千切りにしたジャガイモを2時間以上水さらし、でんぷんを取り除く
  3. 2をザルに取り、水気をよく切る
  4. 熱した鍋にジャガイモを入れ、全体的に油を回す。
  5. ジャガイモが透明になってきたら酢を回し入れる
  6. 砂糖、塩を5へ順番に入れて炒め合わせる
  7. 汁気がほとんどなくなるまで炒めたら完成

いもなますのポイントは、ジャガイモを水にさらす時間です。最低でも2時間、できれば12時間以上水にさらすことで、しっかりとでんぷんが抜けて、見た目が白くて透明度の高いいもなますになります。

2-2.お正月用、カラフルないもなます

できあがったいもなますは、透明感のある白っぽい料理です。これだけでも十分美味しそうなのですが、お正月用に少し色を加えたいときには、少量のニンジンや紫イモ、黄色みの強いジャガイモを加えましょう。紫いもなどを加える時は、ジャガイモと同様にしっかりと水にさらしてでんぷんを抜きます。

また、信州には国産米を主原料とした「5倍酢」というのも売られています。名前の通り、お酢を5倍に凝縮した大変酸っぱいものです。酸味を強めたい場合は5倍酢を使い、加える水分を減らして引き締まった味にすることができるでしょう。もちろん、5倍酢は水を5倍加えることにより、通常のお酢と同じような使い方ができます。

2-3.いもなます 作り方のポイント

いもなますを作るにあたっては、次のようなポイントを押さえておくと良いです。

  • ジャガイモの千切りはピーラーを使うと便利
  • 一晩ほど水に浸けた方が、できあがったいもなますのシャキシャキした触感が増す
  • 水切りをしっかりと行い、ジャガイモはなるべく乾燥させる
  • 仕上がりの直前に砂糖を足すと味が締まる
  • ジャガイモは男爵がおすすめ

いもなますは、どのじゃがいもを使っても美味しいですが、独特のシャキシャキした触感を引き出したい場合は男爵がおすすめです。また、水にさらし、しっかりとでんぷんがぬけたジャガイモは、黄色みがなくなり、透明がかった色合いになります。つけた水にはでんぷんが底に残るため、その水を干せば即席の片栗粉も作れるでしょう。

2-4.保存は冷蔵庫で

いもなますは冷蔵庫で保存しましょう。お酢を使った料理のため、日持ちのする料理というイメージもありますが、あまり放置しておくとジャガイモが変色してしまうこともあります。そのため、2~3日で食べられない場合は、小分けにしてラップに包み、冷凍庫で保存するのがおすすめです。

長野県の飯山市では、このいもなますを縁起物として、多くの行事でふるまわれることが多いです。お正月はもちろん、結婚式などに出されることもあります。また、お葬式の際に出されることもあり、その場合はニンジンなどで彩りをすることはせず、ジャガイモだけのシンプルないもなますが提供されます。

3.なますとジャガイモの栄養

最後に、日本人には当たり前の食材となった、ジャガイモの栄養となますのメリットについて見ていきましょう。ジャガイモにはビタミンCや葉酸などが豊富に含まれており、なますはお酢を使った料理なので、疲労回復効果などに期待ができます。

3-1.ジャガイモの栄養

ジャガイモはイモ類のなかでも大変有名なものであり、ジャガイモの種類だけでも10種類以上あります。ほうれん草やみかんと同じくらいのビタミンCが含まれており、その栄養は加熱調理しても壊れにくいです。ビタミンCは食べることで風邪予防や疲労回復効果、肌荒れを抑制する働きがあります。

また、カリウムも多く含まれており、食べることで塩分であるナトリウムの排出をサポートしてくれます。高血圧を抑制する働きもあり、サツマイモに比べるとカロリーは控えめなので、主食として食べても良いでしょう。参照https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/potato4.htm

3-2.なますを食べるメリット

なますは、大根やニンジンでできたものだけでなく、魚介類や今回紹介したジャガイモなどでも作ることができます。基本的に、どのなますもお酢を中心にした調味料で作られています。

お酢にはさまざまな健康効果があります。

  • 便秘改善
  • ガン抑制効果
  • 疲労回復効果
  • 内臓脂肪を減らす作用
  • 高血圧抑制効果 など

このような高い健康効果のある食材は、なかなか他に見ることはありません。なますに使われるお酢の量は、それほど多いとは言えませんが、ジャガイモなど他の野菜と組み合わせることにより、さらにビタミンやミネラルを摂取できることにもつながるでしょう。箸休めとして頻繁になますを食べることにより、健康サポートにもつながります。

参照http://www.tamanoi.co.jp/health/

まとめ

いもなますは、あまり普段知られることのない料理です。しかし、ジャガイモをベースに簡単に作ることができ、クセのない味はたくさん食べることのできるなますとして人気があります。信州では多くの家庭で出されるいもなます、栄養も豊富なので、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。

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