ほったらかしでもおいしくできる!かす漬けの作り方

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粕漬(かすづけ)けというと、旅館の朝ごはんや日本酒にあう肴のようなちょっと高級なイメージがあります。いまではいろいろな作り方がありますが、基本的には丁寧に素材をひとつづつガーゼで包み、かす床に並べるやり方があるでしょう。粕漬は作る過程からして美しい料理であり、手をかけた分だけおいしくなります。しかし、手が掛かる分、家で作るのは面倒だと思っていませんか。

粕漬には酒粕などの栄養素が含まれており、独特の味わいも楽しめることから、ぜひ家庭でも楽しんで料理です。今日は粕漬の作り方と、その栄養について詳しく紹介します。

1.そもそも粕漬とは?

粕漬(かすづけ)は、名前は聞いたことがあるけれど、いまいちその概要は分からないという人も多いようです。とくに若い人の間では馴染みが薄く、粕漬のカスは何でできているか知らない人もいるようです。まずは粕漬について見ていきましょう。

1-1.肉、魚、野菜、なんでもできる粕漬

粕漬とは、酒粕(さけかす)などを肉や野菜、魚に漬け込んだ漬物であり、独特の香りとうまみがあります。

肉の粕漬は牛肉や鶏肉を使ったものがあり、魚は鮭やサワラといった魚の切り身を漬け込んだものが有名です。そして野菜はキュウリやナス、大根やカブの漬物があります。使われるカスは酒粕が最も有名であり、そのほかにもみりん粕などがあります。

普段口にしやすい粕漬として「奈良漬け」が有名でしょう。奈良漬けは白瓜やキュウリを原材料としており、まず塩漬けにして水分を抜いたあと、何度も酒粕に漬け込んだものです。そのため奈良漬けの中にはアルコール濃度の高いものもあり、食べることで体が熱くなることもあります。

1-2.粕床(かすどこ)作りが基本

粕漬は、肉や野菜を漬けこむための粕床が必要になります。いろいろな作り方があるものの、酒粕をベースに作ることが多いでしょう。家庭で作る場合は、米と米麹が原材料となっている「酒粕」を購入し、これにお酒や味噌、砂糖などを加えて粕床を作っていきます。しっかりと混ぜ合わせて冷蔵庫で保存することが基本です。この粕床さえあれば多くの粕漬けを作ることができます。そういう点では野菜を漬けてできる「ぬか床」にちょっと似ているかもしれません。

1-3.漬け込む期間により味も違う

粕漬は多くの場合長期間漬け込んで味をなじませることが多いです。奈良漬けは塩漬けした白瓜を、なんと1カ月以上の時間を掛けて粕床に寝かすことが多いでしょう。

しかし、家庭で粕漬をつける際は、そこまで時間をかけるのは難しいかもしれません。そのため、肉や魚の粕漬けは、長くても2~3日粕床に漬けてから焼いたりすることが多いです。また、キュウリの粕漬けならば、漬け込んですぐそのまま食べられることもあります。これは即席漬けとも言われ、時間が経つと酸化しやすく酸っぱくなってしまうので、早めに食べることが大切です。

2.美味しい粕漬を作ろう 

粕漬は思っているほど難しい料理ではありません。野菜や肉を漬け込む粕漬さえあれば、多くのレパートリーを増やすことができるでしょう。まずは基本のベースとなる粕床から見ていきましょう。

2-1.粕床の作り方

材料
・酒粕 300g
・酒  50cc
・味噌 30g
・砂糖 大さじ3杯
・塩  小さじ1杯

作り方
1. ボウルなどに酒粕と酒を入れて5分ほど置きます。

2.その後、味噌、砂糖、塩の材料をすべて加えます

3.しっかりと混ぜます。もんだり押したりして、味噌よりも柔らかくするように混ぜましょう。硬い場合は少々お酒を加えます

4.タッパーに移し、冷蔵庫で寝かせて完成です。

この粕床さえあれば、お好みの材料を漬け込んで焼いたりすることで料理ができます。また、安い肉や魚を買って硬さが気になる場合も、この粕床に漬け込むことにより柔らかさを出すことができるでしょう。

2-1.代表的な粕漬の作り方 野菜の粕漬け

材料

  • 大根 4分の1本
  • ニンジン 2分の1本
  • キュウリ 1本
  • 粕床 適量
作り方
  1. 野菜は拍子切りにする
  2. 切った野菜をフリーザーバックなどに入れ、粕床を流しいれる
  3. 1日以上冷蔵庫で保存
  4. 食べる時に軽く粕床を洗い、完成

野菜の粕漬けは、もちろんお好みの野菜でつくることができます。ナスやカブ、キャベツなど、どの野菜も軽く洗ってカットし、粕床に漬け込むだけで美味しい漬物が完成します。

2-2.鶏肉の粕漬 作り方

材料

  • 鶏もも肉 2枚
  • 粕床 100g

作り方

  1. 鶏もも肉の筋を切り、味がしみこみやすいようにフォークで5~6か所刺し、塩を少々をまぶしておきます
  2. フリーザーパックやタッパーなどに鶏肉を入れて、粕床を入れて漬け込みます
  3. そのまま冷蔵庫で一日寝かせます
  4. 粕を軽くふき取り、オーブントースターやグリルなどで両面を焼きます
  5. 焼きあがったら食べやすい大きさにカットして完成です

このままでも十分美味しいですが、味が足りない場合はポン酢や醤油など、お好みの調味料を少々かけて召し上がってください。この作り方は手羽先や豚肉でも応用ができます。

2-3.鮭の粕漬 作り方

材料

  • 鮭の切り身 2切れ
  • 粕床 大さじ3くらい

作り方

  1. キッチンペーパーで鮭の水けを拭き取ります
  2. フリーザーバックに鮭を入れ、粕床を流し入れます
  3. そのまま冷蔵庫で1日以上漬け込みます
  4. 軽く粕を拭き取り、両面グリルで10分ほど焼きます 完成

魚は切り身があれば、どの素材でも美味しい粕漬を作ることができるでしょう。1日以上漬ければ味は染みますが、おすすめは2~3日漬け込むことです。身が柔らかくなり、粕漬独特の風味をしっかりと楽しむことができます。

2-4.少し変わった粕漬 冷凍卵の粕漬け

材料

  • 卵2個
  • 粕床 100g

作り方

  1. 卵は冷凍庫にいれて凍らせます
  2. 凍った卵をお皿の上で割ります
  3. 自然解凍し、徐々に白味と黄身が分けられる状態になったら分けておきます
  4. タッパーなどに粕床を入れます
  5. 半解凍状態の黄身を粕床に入れ、上からさらに粕床をかけます
  6. そのまま冷蔵庫で3日ほど寝かせます。粕床の影響で三日後には卵黄がしっかりと固まります
  7. 食べる時には軽く塩を振って、完成です。

濃厚でとろりとした黄身に、酒粕の甘みや塩気が合わさって、絶妙な味わいとなる一品です。このように粕漬は肉や魚、野菜だけではありません。卵をはじめとしたその他の食材にも多く使えます。こんにゃくやさつま揚げなどを漬け込み、食べる時に焼いてみると柔らかさが増し、味わいも大変深いものになるでしょう。

3.粕漬の栄養 

粕漬は、そもそも酒粕をベースにできているものであり、酒粕は近年話題になっている「甘酒」の材料でもあります。甘酒にはビタミンB群が豊富に含まれており、発酵飲料でもあることから、整腸作用や美肌効果にも期待ができます。そんな酒粕を豊富に使った粕漬には、どのような栄養があるのか見ていきましょう。

3-1.美肌効果、動脈硬化に期待ができる

粕漬の多くは酒粕が含まれており、酒粕にはビタミンB群が多く含まれています。このビタミンは代謝の潤滑油とも言われ、摂取することで肌の新陳代謝を促し、肌の美肌効果に期待ができるでしょう。また、酒粕には多くの食物繊維も含まれており、腸内環境の改善や、便秘解消にもつながります。

そして、酒粕に含まれているアミノ酸やβグルガンには、脳梗塞予防・動脈硬化予防・がん予防・骨粗鬆症予防等に良いという情報もあります。ただ、一度に摂取できる酒粕の量はせいぜい30g程度なので、一度粕漬を食べたからと言って大きな健康効果がすぐ出るといったことはないでしょう。日常の調理において積極的に酒粕を使い、日々少量ずつ摂取することで、美肌や健康効果へのつながりを期待しましょう。

3-2.素材との相乗効果がスゴイ

粕漬は、そのベースとなる粕床にも豊富に栄養が含まれていますが、魚や肉の栄養と組み合わさることでさらに栄養価が高くなります。

例えば、魚の粕漬けの場合、粕床にはビタミン、ミネラル、食物繊維、アミノ酸などが含まれており、魚にはたんぱく質やビタミン、DHAを中心とした良質な油が含まれています。これが組み合わさることにより、動脈硬化をさらに予防したり、相互のビタミンが合わさることにより体内の赤血球が作られたりします。粕漬は魚でも肉でも野菜でも、素材の栄養を壊すようなことはありません。むしろ組み合わさることにより栄養価の効果をアップさせることができるため、どの食材でも積極的に使いたい素材です。

まとめ 

粕漬は、和食レストランや旅館など、すこしかしこまった場所でしかなかなか食べることは出来ないかもしれません。しかも、欧米化の食文化が進んでいることもあり、粕漬け自体をしらない子供や若者も増えています。

粕漬は、日本が誇る栄養価の高い食文化です。酒粕さえあれば粕床も簡単に作ることができ、野菜に限らず肉や魚でも何でも漬け込むことができるでしょう。ほのかに香る独特な風合いと、食をそそる旨味は、粕漬けしか出せない味わいです。家庭でもぜひ粕漬を作り、食卓のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。

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